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9/14/2024, 1:02:40 PM

題名「英雄にはなれない影の舞台の者達の奮起」

命が燃え尽きるまで決して諦めないという心は必要なのだろうか?俺は今物理的に命が尽きようとしている。どうせなら、これまでを振り返ってみようか。どうせ尽きる命だ。

ガキの頃から冒険者に憧れていたんだ。そのために努力は惜しまなかったはずなんだ。冒険者になり数ヶ月後、さっき悲劇が起こり現実を突き付けられた。冒険者ギルドはF〜Sランクの差がある。初心者は勿論Fから始まる。見習いだから薬草採取、パーティの荷物持ちなどで討伐クエストを学ぶ。Fランククエストを達成していき、仲間にも恵まれた。その仲間とパーティを結成し、何もかもが順調だったんだ。ランクがEランクになり、討伐クエストに参加できるようになった。「ダンジョンクエスト」冒険者になりたいと思う誰もが憧れるクエストだ。

ガキの時、突如出現したダンジョンから出てきたモンスターたちに村の人々が蹂躙されていった。絶望だ。俺はただ蹲り、震えているしかできない。そんな中、光が現れたんだ。あの姿は今でも忘れられない程、脳裏に焼き付いている。だから憧れ、冒険者ギルドに入った。生活は苦しいが仲間が心の支えだった。補い合い、支えてきた。ダンジョンは勿論Eランク帯のものだが、これからどんどんランクも上がり知名度のあるパーティになると思っていた。これは思い上がりなんかじゃないそう、思っていたんだ…。

ダンジョンに足を踏み入れた瞬間、俺はザワザワと胸騒ぎがした。パーティの皆も口々に言い出したため、ダンジョンから出ることになった。だが、入口には中位モンスターがいたんだ。倒せなかった。分かりやすく言うと中位モンスターは適度なジョブが揃った5人以上のDランクパーティがやっと倒せるくらいの難度だ。俺らのパーティメンバーは皆、Eランクだ。倒せる訳がなかった。そもそもなぜ、Eランクダンジョンに中位モンスターが出現するのか…?

中位モンスターに囲まれ、まさに四面楚歌だ。
パーティの士気は中位モンスターの出現により下がっていたが、何とか奮闘し、戦った。倒せる訳がなく、俺以外のパーティメンバーは全滅した。俺がなぜ生きているかというとサポートジョブの魔導師が使う信仰系魔法のバフにより、死ぬに死ねないのだ。まあ、もうすぐ効果は切れる。そして時期に死ぬだろう。最後に問いたい、俺、いや、俺らは尽きてしまう命なのだろうか?俺らは決して最後まで諦めなかったんだ。簡単に死んで…良かったのか……?憧れなんて、持つべきでは………無い…のか……?ひ、と……か……?…。……………………………………。…………。
………。………………………………。……。

7/20/2024, 3:27:42 PM

私の名前は黒く塗りつぶされている。当然死者であるが故当然の事だろう。幽体は【なんでも】通り抜けたり、【ソラ】を飛ぶことができる。便利と言えば便利だ。未練タラタラの私は【ソラ】をまいとある人物を探しにゆく。それは死神だ。私は前世では学者であった。未知を知る為、無理のし過ぎで倒れてしまった─というのが記憶に保管されてある。つまりは未知を知る直前で死んでしまったが最後、未練タラタラの幽霊になったということだ。私は未知を知りたい、そしてソレとコミュニケーションをとりたい。
前世では西暦28XX年、3光年先の惑星へ着陸後宇宙との交信をはるか遠くの600光年先までのばせる未知の物質を発見、改良に改良を繰り返し西暦30XX年には地球外生命体との交信、接触に成功した。その後、地球外生命体との友好関係を無事築きあげることが出来た。その地球外生命体を基盤とし、其の他の地球外生命体との交信に成功、後地球の科学技術や文明はもはや止まることを覚えないまでの成長をみせていた。
その成長を垣間見ながら私は地球外生命体というのは人間よりも高知能で多機能であるが、それがなんなのだ?私はもっと他の概念というものを感じ、触れたいと。そう思うようになった。学者への道を歩み、特殊な電磁波を地球という範囲をこえ、宇宙まで飛ばせる機械を生み出していた。そしてある時、超新星爆発が起こったことによりブラックホールが誕生した。何万光年も離れていたところで起こった。その超新星爆発を起こした星が発した現代技術では解明できない素粒子がブラックホールを介し、地球にまでやってきた。その素粒子は大気圏まで侵入し、私の開発した機械と接触した。私が開発した機械は次元の膜に電磁波を送ることが出来る超高性能機械へと進化した。発信をし続ける過程を幾度と繰り返しそしてやっと微量ながらも、ナニか感知し未知との遭遇に成功した。私はおおいに喜んだ。何度夢に見ていたことか。私の追い求める未知はまだ次元という枠に存在していたのだ。私は急いで次の事に取り掛かった。が、その直前頑張りすぎたのかそこで力尽きてしまった。
当初の予定に無い狂いがあったものの無事に死を迎えることに成功した。未練タラタラな私は死神を探す為【宙】をまいいつまでも探し続けている。その過程で私は宇宙に存在する生物との接触を何度も試みた。私の名前は黒く塗りつぶされている。

7/1/2024, 3:43:28 PM

窓越しに見えるのは昨日植えたばかりのまだ発芽のしていない向日葵だ。学校で向日葵を育てていてそれが沢山あって種を持ち帰ってきたのだ。種を植えたはいいもののどうすればいいか分からないのでママに聞いたら「水やりと思いやりがあれば育つわ」と言われた。僕は窓越しから眺めるのをやめ、サンダルを履き外に出る。如雨露に水を入れ、向日葵の種を植えている場所に水をかける。いっぱい飲んで大きく育っての意味を込めて。

ーーーーー

1週間経ったある日。
「ねえ!ママ、ママ。向日葵小さい葉っぱが出てきたよ!」
「そうね。これからも毎日水やりをするのよ?」
「うん!」
ママはそういうと洗濯籠から服を取り出し、ハンガーにかけ棒にのせる。僕はワクワクしてきた。これからどんな風に育っていくんだろう。

ーーーーー

数週間経つと、そこには僕の身長をこえている大きな向日葵の姿があった。僕はママを家から連れ出す。
「見てよこれ!もうこんなに大きくなったよ!」
ママはフッと笑った。
「まだまだこれからもっと大きくなって綺麗な花を咲かせてくれるわ」
「そうなの!!頑張ってお世話するね!」

ーーーーー

1ヶ月後。
綺麗な花を咲かせた立派な向日葵の姿があった。僕は驚いた。
こんなに大きいの?僕の背よりずっとずっと高い!
「ママー!大きな向日葵だよ!!凄いよ、みてよ!!」
「そうね。大きいわね」
「ママの身長より高い!」

ーーーーー

数週間経つと向日葵は枯れてしまっていた。
「昨日までは枯れてなかったのに…」
ずっとずっと頑張ってお世話していたのに枯れるのはあっという間だなんて僕は知りもしなかった。早く枯れてしまうのならもっとよく観察していればよかった。僕はとっても悲しい気持ちになった。
すると、ママは優しく慰めるように言った。
「大丈夫よ。ほら、お花の部分から最初のときのような種があるでしょう?」
「うん、それが……あっ!」
「また来年向日葵の種植えよっか」
「うん!!」

6/30/2024, 4:06:23 PM

赤い糸。それは誰かと誰かを結ぶ運命の糸。

あー。暑い。クソ暑い。なんでこんな暑いかな〜。クーラー全然来ないよ。こんなん先週、席替えで喜んだ俺が馬鹿みたいじゃん。窓側のしかも一番後ろの席でラッキーと思ったのになあ。最悪。
あーだったら、こーだったら時を遡らせることなど出来ないのに、教室の隅の席で思う。身体が溶けていそうなほど暑い。空の色は青なのだから涼しくはならないかと外を見る。
なんだあれ。
学校の門の前に一人の女の子がいた。同い年くらいだろうか。何をしているんだろう、何故あそこにいるんだろう、学校は?等と女の子の事で頭が一杯になる。突然、頭に痛みがはしる。
先生だった。「ちゃんと授業を聞きなさい」とわざわざご丁寧に俺の席まで来て教科書で叩きやがった。
ぜってーゆるさねー。

ーーーーー

昇降口。靴と上履きを交換する。靴を履き、いざいかんと一歩前進する。目があった。あの女の子だ。窓から見えたあの。急いで駆け寄る。聞きたかった。何故そこにいるのか、誰かを待っているのか。
後ろから背中を叩かれた感触がした。多分あいつか。ふざけんないてーよと言ってやろうと振り返る。やっぱりあいつだった。言ってやったら「ゲームやろうぜ」と笑顔で言われた。時間指定付きで。そして、走っていってしまった。女の子に聞きたいことがあるんだったと思い出し、女の子がいる方向に目を向けるが、そこには誰もいなかった。

ーーーーー

授業中。また窓の外を見る。あの日から一週間が経った。時が過ぎていき、そして三ヶ月が経ったある日のこと。
あれ?女の子がいない。
女の子がいない。そのことだけでちょっとした悲しみのような寂しさのようなものが心をざわざわとさせた。楽しみになっていた。あの女の子と会えるのが。これは特殊な出会いだったから惹かれたのではない。惚れたのだ。気になった。女の子のことが知りたいと思うほど気持ちは強くなった。

ーーーーー

あの日と同じ、学校の門の前にいる女の子と目があった。
あれ、あの子がいる!!
女の子は「こっちよ」と言わんばかりに手招きしている。
俺のことだ!きっとそうだ!
女の子のいるところまで駆ける。女の子はそんな俺の姿を見て微笑んだ。「そんな必死にならなくていいのに」と言葉を添えて。
初めて声を聞けた嬉しさで声が出ない。この日まで考えていた言葉を紡ぐための口が言うことを聞かない。
女の子は「ちょっと寄り道しちゃおう」と言った。

ーーーーー

公園にて、俺と女の子はブランコに乗っていた。
女の子は「お礼を言いたいの」と言った。
俺はすかさず「なんで?」と聞き返した。
すると、「私、実は幽霊なんだ」へへ…と眉を八の字にしながら言った。
俺は別に驚かなかった。納得した気持ちでいっぱいだった。だからみんな気づかなかったんだ。門の前に女の子がいること。
「昔話していいかな…それともそんな話聞きたくないかな」
問いかける目で俺に聞いてくる。勿論俺はそんなことないし、女の子の話だったらと喜んで返事を返した。
「私、心臓が弱かったんだ。幼稚園の頃には病院にいて、ママとパパからは学校には行けないってお医者さんから言われたって。でね、私、気づいたときには死んじゃってて学校の門の前にいたんだよね。それできみが見つけてくれて、でも私きみと話せなかったんだ話したかったけど…なんでだろう……。ねえ…私と友だちになってくれる?」
突然の質問に戸惑ったが、俺は迷わず、「友だちになろうぜ!」と公園全体に聞こえる声で言った。
「そっか。私と友だちになってくれるんだね…。とっても嬉しいよ。ありがとう。でもお別れなんだ。ごめんね。私、心があたたかくなっちゃって。見つけてくれたきみに心が…。私、私…」
女の子から光が漏れ出したような気がした。気のせいかと思ったが何度目をこすってもこすっても光の粒が女の子から漏れ出す。
さよならなの?やっとしゃべれたのに?どうして?なんで泣いてるの?会えなくなるの?あれ、目がぼやけてきちゃった。なんでかな。なんでかな…。
ギュッと手を握られた感触がする。女の子だ。女の子がおれの手を握っている。目の前に女の子がいる。さっきまで光の粒だったものがさらに大きな粒になって漏れ出していた。
「ねえ、きっと会えるよね?そうだよね?」
「うん…きっと会えるよ。私、待ってるから…ずっと…」
おれは自分の小指と女の子の小指をからませる。
「ずっとずっと待っててねぜったいだよ」
「うんぜったいに会おうね」
女の子から漏れ出す光が強くなり、女の子は光で包まれていく。
「おれたちは赤い糸でつながっているんだ、それを忘れないでね待っててねぜったいにぜったいだよ!」
光は空へと昇っていき、完全に消えたと思ったとき、女の子の声がした。
「ぜったいに」







6/29/2024, 1:52:30 PM

絵を描くのが好き。物心ついた頃にはもうキャンバスの前にいた。特に風景を描く。動かないものより、動き変わるものを記録する。夏の時期は特に入道雲を描く。夏といえば、向日葵や海を想像したのではないか?何故、入道雲なのか。それは、惹かれるからだ。空というものはいくつもの色を持ち合わせているし、毎日みせてくれる顔が違うのだ。顔というと、雲の割合や天気等が挙げられる。世界は少しずつ変わっていくのに対し、空は1日という短い時間の中で変わるのだ。だから惹かれ、それを記録する。キャンバスという空間に閉じ込むのだ。

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