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題名「英雄にはなれない影の舞台の者達の奮起」

命が燃え尽きるまで決して諦めないという心は必要なのだろうか?俺は今物理的に命が尽きようとしている。どうせなら、これまでを振り返ってみようか。どうせ尽きる命だ。

ガキの頃から冒険者に憧れていたんだ。そのために努力は惜しまなかったはずなんだ。冒険者になり数ヶ月後、さっき悲劇が起こり現実を突き付けられた。冒険者ギルドはF〜Sランクの差がある。初心者は勿論Fから始まる。見習いだから薬草採取、パーティの荷物持ちなどで討伐クエストを学ぶ。Fランククエストを達成していき、仲間にも恵まれた。その仲間とパーティを結成し、何もかもが順調だったんだ。ランクがEランクになり、討伐クエストに参加できるようになった。「ダンジョンクエスト」冒険者になりたいと思う誰もが憧れるクエストだ。

ガキの時、突如出現したダンジョンから出てきたモンスターたちに村の人々が蹂躙されていった。絶望だ。俺はただ蹲り、震えているしかできない。そんな中、光が現れたんだ。あの姿は今でも忘れられない程、脳裏に焼き付いている。だから憧れ、冒険者ギルドに入った。生活は苦しいが仲間が心の支えだった。補い合い、支えてきた。ダンジョンは勿論Eランク帯のものだが、これからどんどんランクも上がり知名度のあるパーティになると思っていた。これは思い上がりなんかじゃないそう、思っていたんだ…。

ダンジョンに足を踏み入れた瞬間、俺はザワザワと胸騒ぎがした。パーティの皆も口々に言い出したため、ダンジョンから出ることになった。だが、入口には中位モンスターがいたんだ。倒せなかった。分かりやすく言うと中位モンスターは適度なジョブが揃った5人以上のDランクパーティがやっと倒せるくらいの難度だ。俺らのパーティメンバーは皆、Eランクだ。倒せる訳がなかった。そもそもなぜ、Eランクダンジョンに中位モンスターが出現するのか…?

中位モンスターに囲まれ、まさに四面楚歌だ。
パーティの士気は中位モンスターの出現により下がっていたが、何とか奮闘し、戦った。倒せる訳がなく、俺以外のパーティメンバーは全滅した。俺がなぜ生きているかというとサポートジョブの魔導師が使う信仰系魔法のバフにより、死ぬに死ねないのだ。まあ、もうすぐ効果は切れる。そして時期に死ぬだろう。最後に問いたい、俺、いや、俺らは尽きてしまう命なのだろうか?俺らは決して最後まで諦めなかったんだ。簡単に死んで…良かったのか……?憧れなんて、持つべきでは………無い…のか……?ひ、と……か……?…。……………………………………。…………。
………。………………………………。……。

9/14/2024, 1:02:40 PM