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窓越しに見えるのは昨日植えたばかりのまだ発芽のしていない向日葵だ。学校で向日葵を育てていてそれが沢山あって種を持ち帰ってきたのだ。種を植えたはいいもののどうすればいいか分からないのでママに聞いたら「水やりと思いやりがあれば育つわ」と言われた。僕は窓越しから眺めるのをやめ、サンダルを履き外に出る。如雨露に水を入れ、向日葵の種を植えている場所に水をかける。いっぱい飲んで大きく育っての意味を込めて。

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1週間経ったある日。
「ねえ!ママ、ママ。向日葵小さい葉っぱが出てきたよ!」
「そうね。これからも毎日水やりをするのよ?」
「うん!」
ママはそういうと洗濯籠から服を取り出し、ハンガーにかけ棒にのせる。僕はワクワクしてきた。これからどんな風に育っていくんだろう。

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数週間経つと、そこには僕の身長をこえている大きな向日葵の姿があった。僕はママを家から連れ出す。
「見てよこれ!もうこんなに大きくなったよ!」
ママはフッと笑った。
「まだまだこれからもっと大きくなって綺麗な花を咲かせてくれるわ」
「そうなの!!頑張ってお世話するね!」

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1ヶ月後。
綺麗な花を咲かせた立派な向日葵の姿があった。僕は驚いた。
こんなに大きいの?僕の背よりずっとずっと高い!
「ママー!大きな向日葵だよ!!凄いよ、みてよ!!」
「そうね。大きいわね」
「ママの身長より高い!」

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数週間経つと向日葵は枯れてしまっていた。
「昨日までは枯れてなかったのに…」
ずっとずっと頑張ってお世話していたのに枯れるのはあっという間だなんて僕は知りもしなかった。早く枯れてしまうのならもっとよく観察していればよかった。僕はとっても悲しい気持ちになった。
すると、ママは優しく慰めるように言った。
「大丈夫よ。ほら、お花の部分から最初のときのような種があるでしょう?」
「うん、それが……あっ!」
「また来年向日葵の種植えよっか」
「うん!!」

7/1/2024, 3:43:28 PM