Clock

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10/27/2022, 1:39:41 PM

〜紅茶の香り〜

薔薇園の一角にある小さなテーブル
そこではお嬢様と御曹司達が紅茶やお菓子を楽しむフリースペース

学園の大半がそんなお金持ちの人達だから僕はものすごくうくのだ
「相変わらずいい匂いしてるね~楽しそう」
友達はティーパーティーをしている御曹司立ちを羨ましそうに眺めている
そこま、でかな……
堅苦しいブレザーを来てにこやかに笑っている人達
あの仲間に入るのは何千年も早いだろうな…
そんな妄想をする
堅苦しいものが苦手だからいつもパーカーかニットのジャンパーを着ているからやはり程遠い
「君達もどうだい?我々と一緒にお茶しないかい」
そう誘ってくれる人も初めはいたが恐れ多くて度々理っていた
少し後悔

「こんにちは、お話いいかな」
珍しく話しかけてくる御曹司とその取り巻き
え、は、はい……
なんだろ
カツアゲされるのかな
御曹司だからさすがにかつあげなんてされ、ないよね?
顔が真っ青になっていく気がしてフードを深く被る
「今度お茶会をするんだけど一緒にどうだい?お友達も」
いいんですかと言うように目をキラキラさせる友人を横目に冷や汗をかく
ブンブンと首を横に振り断る
「いやいや、いこうよ!絶対楽しいよ」
無理無理…正装とか、堅苦しすぎて無理……
ああいうのは正装で敬語で堅苦しくて息ができない
「別にそんなのは必要ないよ」
「えぇ、楽にしていてください、お近づきしたかったんですよ?」
そう言われて嬉しかったがやはり断った

友人は1人でルンルンに向かっていった
教室からその薔薇園の一角をじっと見ている
楽しそうにお嬢様や御曹司の人と話している友人はやはりフレンドリー
僕には絶対できない御業だ
「おや?行かなかったんですか、楽しそうにしていますよ」
ビクッと肩が跳ねる
ギギギッとカチコチな動きで後ろを振り向く
このクラスで1番の御曹司
話しかけてくるなんて恐れ多い……
ふらっと香る香水と風に乗ってくる紅茶や焼き菓子の匂い
「では、一緒にお茶はどうですか?教室で」
付け加えられた言葉は僕を逃がそうとしない
は、はい……
引きながらもその言葉にのる

「前々からあなたのこと気になってたんですよ」
その言葉にお茶を吹き出しかける
あの、あの御曹司、様が……僕に興味を…?
頭の上にハテナを並べている僕を見て楽しそうに微笑む御曹司様
心が飛び跳ねる感覚とドキッと言う感覚

紅茶と香水の香りが混ざった教室
落ち着く匂いに息をそっと吐く
紅茶を口に運び1口飲む
ふわっと香る紅茶の匂い
きっとこの一時は一生の思い出になるだろう
僕の心は彼に奪われた

あの紅茶の匂いを纏った彼に

10/27/2022, 1:22:24 PM

〜愛言葉〜

「明日も晴れそう、これが合言葉ね」
明日も…晴れそう?
「うん!」

生まれた頃からずっと一緒にいる幼馴染
高校に上がってから教室の中では話さなくなった
女の子に囲まれていつもにこにこしている
黒髪メガネなのになんであんなにモテるのか…
なんでなんだ、俺はモテないのに
昼休みはいつもの場所
「合言葉は~」
明日も晴れそう
そう言うとガチャっと屋上のドアが開く
俺とアイツはいつもお昼休みは屋上で食べている
ここは合言葉がないと入れない
何故ならいつもアイツが扉の前に座っているからだ
何しても開かない
「今日はムスッとしてどうしたん?」
俺の頬をムニっと抓ってそう言う
おまえはなんれそんらにもへるんはよ…(お前はなんでそんなにモテるんだよ)
抓られている頬の痛みと心の痛みで目が潤む
びっくりしたように手を離し俺の頬を撫でる
「別にモテてはないと思うんだけど、そんなに彼女欲しいの…?」
悲しそうな顔して聞いてくるから欲しいなんていえなかった
ぐっと喉の奥に詰まらせた言葉を飲み込む
んな…ことねぇよ…
そこからはいつも通り
いつものように飯を食ってスマホで音楽を聴く
いつの間にか俺が寝落ちして時間が近づいたらアイツが起こしてくれる
「起きて、ほら」
方を揺すられる
ん……
ゆっくり目を開けてスマホを閉じる
重い体を起こして階段を降りて教室へ向かう

「夏目漱石が言った有名な言葉はなんだ」
先生が話す
俺はほぼ寝てたけどチョークを投げられて起きる
コツンと床に落ちたチョークが割れる
「起きなさい、ほら答えて」
なんの事だと目を擦ると
「夏目漱石が言った有名な言葉だよ」
隣の席のアイツが教えてくれる
……夏目漱石って誰っすか
クラスの奴らがいっせいに笑い出す
繊維は呆れた顔をして前の席の女子を当てる
【月が綺麗ですね】
その言葉は愛しているを遠回しに言った言葉らしい
帰り道に復習させられる
「ねぇねぇ、月が綺麗ですね」
は……?
月なんてどこにもと言おうとしたがハッと思い出す
【月が綺麗ですねは愛しているを遠回しに言った言葉だ、この言葉の他にも雨が止みませんねなどがある】
他にもあったような…それに、え?俺に言う?と困惑する
「返事はまた今度ね」
そう言って先に帰って行った

今日は屋上に行かない方がいいという気がしたから行くのをやめて教室で弁当を食べる
机に突っ伏してイヤホンを耳にはめて音楽を大音量で流す
【明日も晴れそうはあなたといると気分が晴れるということを意味して特別な存在だと言っていることになる】
音楽を聞いていると思い出す先生の言葉
あれ…明日も晴れそうって俺らの合言葉
寝ぼけた目で教室から出て階段を昇る
途中で思い出したように足を止める
ん……どうしよう、なんか気まずい
Uターンして階段をおりる
普通に歩いていたはずなのに足を捻って階段から落ちそうになる
ガクッと体を引っ張られる
「だ、大丈夫!?怪我は?!!」
え…あ、大丈夫だ、けど
足を捻ったなんて恥ずくていえなかったが、足をさすっていることに勘づいたのか俺の事を抱え保健室まで運び出した
え、えぇ…!?
恥ずくて死にそうだった
周りの視線は痛いし、あいつの心臓の音が聞こえてきて顔が赤くなる
「保健室の先生は…今日居ないのか」
ベットに運ばれ手当をされる
なんだか複雑で枕を抱えて顔を埋めてしまう
氷を取ってきて俺の足に当てる
「思い出した…?明日も晴れそうの意味」
そう言われやっとおさまった熱がまたフツフツと湧いてく顔が赤くなる
枕を取られ抱き寄せられる
「あれは、俺なりの愛言葉だよ…」
切なそうな声で話しかけてくる

風がなびくカーテンの裏
涙目の俺と耳を赤くさせたアイツが重なった

10/25/2022, 1:07:09 PM

〜友達〜

入学式の日
小学校中学校と続きぼっちだった僕はどうせまたぼっちだろうと思い、1人遠いところを見ていた
校長先生の激励の言葉や代表者の夢を持った言葉、1つ年上の先輩の期待の言葉
どれも頭に入ってこなかった
右から左いや、耳を避けて頭の上を通って行く
何も聞こえない無の境地に達したかのようにただ呆然と話を聞いている振りをする
教室では特にガヤ着くこともなく話せる人は周りの人と話したり、本を読んで待っている人がいたり寝てる人がいたり
先生が教室に来るまではみんな自由奔放にしていた
ガラガラと扉が開き先生が入ってくる
「えー、皆さん入学おめでとうございます」
そこからまた、長々と何故かイケメンの先生の話を頭の上を通しながら聞く(フリをする)
出席番号的に俺は結構早い方だ
6番の俺は1列目の1番後ろ
つまりはぼっち席、一番端の門
しかもロッカーにとてつもなく近い席だ
むっちゃいい席だけど、こういうところでは陽キャが群がる
長いため息を吐く
「という事で皆さんいじめなどをせず仲良く3年間をすごしてくださいね」
先生の話が終わる
本当に何も聞いていない
何言ってたんだろうと頭をポリポリと搔く
まぁ、いっか…

入学式から少したってクラスの雰囲気も【緊張】から【ぎこちない】に変わり【仲良し】になっていく
その代わり俺の周りは【緊張】でも【ぎこちない】でもない
【無視】がいちばん当てはまるだろうというくらい誰も話しかけられないし、同じ陰キャ仲間もグループができて話す人がいない
1人ぽつんと授業の準備をする
「いってぇな、当たってんだよ謝れ」
椅子を下げた時後ろにいたいかにもヤンキーな男子に当たってしまった
サッと血の気が引く感覚がしていわゆるジャパニーズ土下座をする
「は……?」
教室内の空気がカチンと固まりざわつき始める
「うわ…陰キャくんいじめてるよ」
「可哀想w」
「さすがだよなw」
そんなふうな言葉が飛び交う
頭がぐるぐるして目眩が酷くなる
同時に吐き気も襲ってきてしまった
「何してるんですか、全く小さい頃から変わらないですねぇ、土下座させないでください」
「俺がしろとか言ってねぇよ!あとガキ扱いやめろ!」
先生が声をかけてくれたおかげで体調は少し改善されたが、やっぱり周囲の視線が痛い

「大丈夫でしたか?」
暖かいお茶を入れてブランケットを肩にかけてくれた
「なんで俺までよ」
とブツブツ呟いているいかにもヤンキー君
なんだか悪いことをしてしまったなと思いやはりまたジャパニーズ土下座をしなくては行けないのではと身構える
「土下座はしないでいいので安静にしててください」
そう言って僕の肩を押して座らせる
また土下座を披露しようとしていた僕にぽかんと口を開けて呆然とするいかにもヤンキー君
「あはははww」
そう言って声を荒らげて笑い始めてびっくりした
「おまwお前変なやつw」
「最近の学校生活で不便は無いですか?ずっと一人でいるけれど、彼はほっといていいので」
特には…1人は慣れているので
そう返すとなんだか寂しそうな顔でこちらを見てくる
そんな悲しい人に見えるのだろうか
逆になんだか悲しくなってくる
「あ、そうだ、彼と友達になってみたらどうですか?嫌なら先生とお友達になりましょう」
「は?友達?」
ぴくっと肩が飛び跳ねる
なんか声が低い
先生もヤンキー君も声が低く互いを威嚇しあっているかのようだった
「では先生と友達になりましょうか」
「あ""?そいつの友達は俺だわ、ばーか」
「先生にその態度はいい度胸じゃないですか」

初めてできた友達
それは先生とクラス1番のヤンキー君だった
その2人とは学校を卒業した今でも仲良しで良く家に招かれて泊まったりゲームをしたりするようになった


《一言》
主のClockです
今作は語彙力完全に消えました
すいません
多分分かりずらいし何言ってんだ状態なると思います、すいません💦

Clock

10/25/2022, 9:43:54 AM

〜行かないで〜

この病院に来て15年
1人病室のベットに座り外を眺める
青空と白い雲
季節は夏
入道雲がモクモクと漂ってじんわりと汗をかく
自分は重い心臓病と白血病をもっている
どちらかで手術が成功しても片方が間に合わなければ死んでしまう可能性もあると言う
学校はリモートで参加し少しだけ病院の中に設置されている庭を歩く
軽い運動を経て病室に戻ってきたところだった
昼食は喉を通らない
薬を飲むためにゼリーは流し込む
そして薬を水で流し込んで飲み込む
ゴポッ…
と喉がなり急激な吐き気に見回れる
ゔぐ…ぅ、げぇ…
床にびちゃびちゃといまさっき流し込んだゼリーや小さい薬が落ちる
またやってしまった……吐きそうになったら袋に吐かないといけないのに…怒られるな、これ
そう思いナースコールをする
予想通りこっぴどく叱られ、外してしまっていた点滴のチューブを付けられる

【汚ねぇな】
そうモヤのかかったような声が窓の外から投げかけられた
なんの姿かは分からないが侮辱された
誰…だよ、あんたは…
【俺か?ここの病室に住み着いてる幽霊だ、驚いただろ〜泣き叫べぇ!!】
アホくさい
なんだかとってもアホくさい
幽霊なんてこの世に存在するわけない
理由は?根拠は?姿見せてくださいよ…!!
問い詰めると【ゔっ…】と息を詰めるような音をさせて答える
【お前のすぐ横に俺いるんだぞ、見えないなら姿見せろとか無理だろ】
そ、それは確かに……
へっと鼻で笑われよりいっそうカチンとくる
15年間この病院にいるがこんな子見た事もない
だからといってイタズラにしては度が過ぎている気がする
ここは10階で木の先があるだけ
そこも乗ろうとすればボキッと折れてしまうはずだ
そんなことを考えると背筋が凍る
やめやめ…考えたら、まけだ…

不思議な少年と出会って少し経ったがなかなか話せるようになった
あの疑問はもう頭に浮かび上がってくることは無かった
【なぁなぁ~お前好きな人でもいるの?毎回毎回勉強も頑張るし、病気治すのに必死だし】
す、きなひと?…居ないよ、学校行ったことないから…今行ってもきっとハブかれる…
1度も言ったことがないと伝えると申し訳なさそうな声色で【ごめん、聞かなけりゃ良かったな】と言い返してくる
別に嫌な話じゃない
元々人付き合いが苦手で学校に行くことを酷く恐れていたから今のこの生活は楽といえば楽だ
薬を飲んで毎回戻すのは辛いけれどそれを抜けばオールOKだ
「最近1人でブツブツ何言ってるの?窓の外に向かってさ」
え…?
聞くと何も聞こえないし、1人でブツブツ言ってるだけらしい
「あぁ、もしかしたら幽霊かねぇ~w昔ねここに入院してた男の子がいたんだけどね、その子があと少しで手術の日になるって時に飛び降りしちゃったのよ」
「あったな、頭から落ちたから原型も分からない状態で、可哀想だったよ、きっと手術が怖かったんだろうな」
そ、うなんだ……

【……聞いたんか?どうやった…無様やろ】
手術ごときで怖がって死んだなんてカッコつけらんないし家族に合わせる顔もないわ、物理的にもなと悲しそうに言う
あぁ、1度だけでいいから姿を見てみたい
もっと近くで関わりたいと初めて思った気がする
色んな人と距離を取ってきてこんな感情は初めてだ
【もう、ここにいる意味ないんよね、お前と話せて楽しかったし、そろそろ行こうかな】
え……待って、行かないで…
【ありがとうな、お前は頑張るんやで俺はほかのとこから見てるから、まだこっち来んなよ】
ふわっとカーテンが舞う
青い空を彼は満面の笑みで昇っていく
蛍のような暖かい光をひとつ両手に包み込みそれを天に送り出す


それが初恋でありひと夏の思い出だ

10/23/2022, 2:59:08 PM

〜どこまでも続く青い空〜

僕は鳥籠の中の鳥
文鳥だ
飼い主はここで僕のことをじっと見ているあの人間だ
「今日も愛らしいねぇ…」
そう言って手を差し出してくる人間はなんだか図々しいから僕はいつもいつもつついたり噛んだりしている
「いでっ…!!」

僕は街角のペットショップで売られていて子供や他の動物の観察をするのが大好きだった
でも、その日は続くことはなくてこの人間に飼われた
他の動物が何をしていてどんな風に人間に媚び売ってるのか見ていて楽しかったのに
それに、隣の籠の中には僕の好きだった文鳥の子がいたのだ
それなのに、それなのにこの人間わ……
「ご飯だよ~」
のんびりとした声色でそう言って小さめのおにぎりを僕にくれる
とりあえずご飯やまわりのことはしてくれているのでそこまで不快では無いが不意に触ってこようとするのが嫌なところだ
「今日は飛ぶ練習しようか」
籠の中に手を入れて僕のことを呼ぶ
「白伽?早く出ておいで」
僕はまだ飛べない
だからこの人間は僕が大空を飛べるようにとずっと練習させる
でも、少しでも長く滑空できると人間はご褒美のおやつをくれるからそこだけは好きだ
「少しだけ距離を伸ばそう、1回だけ羽ばたく必要があるから少しだけ難しくなるよ」
そういった人間はいつもよりも長く距離を取り手を広げて【こっちおいで】と言っているような顔で見てくる
羽を広げて滑空する
少しずつ下がっていくからだをあげるためにバサッと羽を動かす
羽を動かすとズキっと痛むから動かしたくないのだがおやつのためにと頑張って飛ぶ
「おぉ!凄い凄い!いい感じじゃん!」
ふふんと胸を張りドやってみる
手のひらには僕の大好きなフルーツ
パクパクと必死にがっつく僕を見て安心しきった顔をした人間は横目に口を動かす
「もっと飛べるようになったら大空に解き放ってあげるよ、また広い世界をみておいでね」
そう言って僕のことを鳥籠の中に戻して部屋を出た
1ヶ月後僕は大空へと飛ばされた

「え……?な、なんで戻ってきたんだ?なんで……」

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白伽は人と鳥のハイブリッドで背中に翼がはえている
あの子は元々大空を自由に飛ぶ鳥のようだったが人間に捕まりペットショップへと売られた
俺の住む町のペットショップでは人とのハイブリッドがよく売っていた
白伽と横の鳥も同じで人とのハイブリッドだった
彼は他の動物たちの様子を観察するのを好んでいた
だから俺の家に連れてきても良かったのかと何度も考えていた
よく噛み、よく食べ、必ず飛ぶ練習に付き合ってくれた
やっと宙に留まれるくらいに飛べるようになった
だから、かれをしぜんにかえすときがそろそろやってくる
悲しかった
でも彼にとってはそこが本来の居場所なのだ
ここにとどまらせることは出来ない
だから……
「さぁ、行っておいで、今から君はどこまでも続く青い空を飛ぶ自由な小鳥だ」
そう言って彼を空へと飛ばす
少し悲しそうな顔をして飛び去って行く彼
残るのは白く綺麗な羽が数枚だけだった


バサバサと羽の音が聞こえた
窓の外彼が戻ってきた
ただいま…
そう細く寂しそうな声で僕の名前を呼びただいまと言う
「え……?な、なんで戻ってきたんだ…?」
恋しかった……
そう言って彼は部屋の中へと入ってきて俺に抱きついてくる
大空の匂いをまとったまま

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