4/13/2025, 1:51:48 PM
「私、この桜と共に散ります。」
そう言って君は、春風のように吹き抜けた。
僕は、きっと酷い顔をしているから、
ただ静かに、遠のく風声に耳を澄ませる。
微かに、花弁の落ちる音がした。
あれから4年、今年も桜が咲いている。
公園のベンチで本を読みながら、
彼女と、未来の話をした。
栞を挟んで、本を閉じる。
「その栞、もうボロボロじゃない?
でも素敵ね、桜の押し花だなんて。」
これから僕は幸せになる、君の分も、
取り返すように生きていくんだ。
あの時のひとひらを、二度と落とさないように。
4/13/2025, 1:18:42 PM
窓の外は
ゆっくりと着実に変わって行くのに
この部屋は何も変わらない
それを安息の地と思うか
抜け出すべき場所と思うか
移り変わる風景が、私を外へ誘う。
3/31/2025, 11:48:03 AM
またね!
うん、また。
次なんてないこと、わかってた。
それでも言わずにはいられない。
貴方も同じ言葉を返してくれるって
知ってたから。
いつになってもいいよ、またせてもらうからね。
3/30/2025, 10:51:16 AM
まるで、モノクロ映画の中に居るような。
まるで、自分が主人公であるかのような。
雪に閉ざされたこの街に生まれた。
あの朝に、いきなり吹き込んできた春風は
モノクロのフィルムに筆を躍らせる。
もう私は、主人公では無かった。
この街は嫌味な程に、美しいのだ。
3/29/2025, 7:48:32 PM
涙
長年悩まされたドライアイは、君と別れたことで
忘れることが出来た。
ひとつ、悩みが消えた。
それなのに何故か、満足に眠ることが出来ない。濡れた枕のせいだろうか、嫌に懐かしい夢を見てしまうから。