11/14/2024, 2:04:02 PM
青々と茂る葉桜の下で、いじらしく咲く君を見た。
僕の春は、青嵐に乗ってやってきた。
桜の葉が落ちはじめ、風が色をさらう。
褪せた花びらを押し潰して、栞を作った。
二度と読まない本に挟んで。
あの桜の下で、花が咲くのを待つことにした。
春、桜が狂い咲く。美しく、疑わしい。
(梶井基次郎さんの「桜の樹の下には」より''桜の下には死体が埋まっている''に影響を受けています。)
秋風のことを''色なき風''って言うんだってさ。
11/14/2024, 7:50:22 AM
小さくて、大きな一歩
2人だからこわくなかった
なびくスカート、近づく海面
うっすらと口を開ける君
「また会いましょう」
溢れた涙と共に、空へ昇っていく
10/6/2024, 5:17:27 PM
[過ぎた日を想う]
告白は、シンプルだったね。
手を繋いだのは私からで、初めてのキスは小鳥みたいな軽いキス。最初はぎこちなかったハグも、今じゃすっかり馴染んだね。
愛おしい君との記憶だけど、戻りたいとは思わない。
今もきっと、時間が経てば宝物だから。
9/6/2024, 8:48:41 PM
塩素の匂いが鼻を突く。
泳ぐには少し、肌寒い。
嫌だ、まだ終わって欲しくない。
そう願っても。
目の前を飛ぶ赤とんぼが、
時を告げる。
8/5/2024, 12:54:46 PM
17時の鐘の音を聞いて、家に帰る。
まだ遊びたいのにとか、カラスがうるさいなとか、些細なことだけど、僕はこの鐘が嫌いだった。
大人になって、夕方になんて帰れなくて。
今はカラスの代わりに、酔っ払いがうるさくて、最終便にギリギリ間に合わせながら帰る日々。
今日久々に17時の鐘の音を聞いた。
地元とは全然違う音楽、なのに何故だか
家に帰りたい、