Ton_Ton

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9/16/2024, 1:46:55 PM

完全無欠のスカイマン!
スカイマンは、青空のパワーを使って、悪い怪獣を片っ端から葬っていく正義のヒーローさ!

さあ、今日もスカイマンが怪獣をミンチにするぞ!

ん?
どうしたのスカイマン?

どうして泣いているの?

怪獣を倒したくない?

そっか。じゃあ、しょうがないね。

スカイマンは処分して、新しいヒーローを用意しよう。

その名も、コスモマン!
コスモマンは、宇宙の暗黒エネルギーを使って、怪獣をブラックホールに葬るのさ!

さあ、コスモマン!
最初の仕事だ!
スカイマンを仕留めよう!

11/14/2023, 8:49:22 AM

夜空に浮かぶ月があまりに綺麗だったので、なんとなく手を振ってみたのだが、なんと月が手を振り返してくれた。月の側面にぶっとい腕が生えて、私に向けて、その腕を振ってくる。それからほどなくして、呆気にとられていた私の脳内に、野太い声が響いた。

「やあ、手を振ってくれてありがとう。君の名前を聞かせてくれ」

「え、あ、え、え、えぇ、あ、え」

私はコミュ障だったので、返事ができなかった。

「落ち着いて。いきなり話しかけて、動揺させてしまったね。すまない。今、君の脳内に直接語りかけているんだ。私は月だ」

「あ、え、あ、あああ、え、あ」

「ふふふ、落ち着いて。驚いちゃったね。ごめんね」

「あ、や、え、え、ええ、あ」

「うん、落ち着いてね。大丈夫だから、ね?」

「あ、え、あ、ええ、あ」

「落ち着いて、ほら、落ち着いて。あんまり落ち着いてっ言わない方がいいかな? 余計に落ち着かなくなるよね」

「あ、ああ、え、あ、え」

「ごめんね。そろそろ落ち着いてね。時間制限があるから。話す時間が無くなっちゃう」

「あ、ああ、ご、ごめんなさい」

「うん、大丈夫だよ。それじゃあ名前を教えてね」

「え、ああ、あ、あ、、ご、ごめ、あ、あ」

「うん、時間来ちゃう。せめて名前だけでも教えて」

「あ、ああ、あき、ああ、あ、あき」

「あきちゃん? あきって名前なの?」

「あ、いや、あ、ああ、いや、ごめ」

「ダメだ。時間来ちゃった。じゃあね」

月の声は聞こえなくなった。

それ以降、私は月を見るのが怖くなった。また話しかけられたらどうしよう。コミュ障で、ごめんなさい。

11/13/2023, 8:59:54 AM


ずっと階段を登っていると、ここが何階建てだったか分からなくなったので、ふと、外を眺めたくなった。

随分昇ってきたので相当、高い位置にいるとは思う。ゴールはあと少しだと思う。

外を確認できる窓はないかと探したら、一つ扉を発見した。扉には注意書きで、こう書かれている。

――――この扉を開いてはならない。あなたは登り続けなければならない。

私は、その注意書きに酷く苛立ちを覚えた。ここには理由がないじゃないか。私が登り続けなければならない訳を書かないまま、どうして行動を指示してくるのか。

しかし、どうもその注意書きは黄色い板に太字で書かれており、無下にするには警告色が強すぎるものであった。

どうしたものかと悩んだ末、私は扉をノックしてみた。

「誰か入ってますか?」

返事があった。

「入っているのはお前だぞ」

11/11/2023, 3:02:38 PM

さて、本日の授業ではペンギンについて学びますよォ! 田中くん! ペンギンには、ある大きな特徴があります! それは何でしょう! 

あ、僕知ってますよ。ペンギンは鳥類だから翼があるのに、空を飛ぶことが出来ないってやつですよね。

ブブー! 不正解!

えっ? 違うんですか。

はい。田中くん、私が言おうとした答えを当ててしまったので不正解! くたばれ!

理不尽。

さて、田中くんのせいで今回の授業は、もうお終いです! 皆さん、田中くんに盛大な拍手をお願いします。

――――パチパチパチパチパチパチ

先生、僕、不登校になりますよ?

11/10/2023, 2:27:57 PM

良い風景を見ると鼻がムズムズする。
なんだか落ち着かなくなって、鼻が無性にムズムズする。

古臭い匂いを嗅ぐと、目がしょぼしょぼする。
その場から脱したくなって、目を開けているのが辛くなる。

美味しいものを食べると、眉間にシワがよる。
「なんだコレ、うまっ!」って頭の中で驚嘆して、眉間にシワをよせる。

嫌な気分になると、笑顔になる。
心臓がキュウと締め付けられて、笑顔を繕う。

楽しい時は笑顔になる。
言うまでもなく、笑顔になる。

月の下にいる着物の私は、団子を片手に笑顔。
この笑顔は間違いなく、あっちの笑顔だ。

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