暗い青、冷たい水、押し潰される感覚、無。
私が生きたいのは、そんな世界だ。
「...羨ましい。」
写真を眺めながら、ルナはそう呟いた。海の底、光の届かない暗い場所。
目を閉じて、想像する。
ー独りでそこに浮かんでいる。苦しくはない、もう私には肺呼吸は必要ないから。周りは水の音に満ちている。それ以外聞こえない、静かな世界。誰にも気付かれず、誰にも干渉される事なく、宛もなく水中を漂っている。身体が冷たい温度に包まれて、私は海面を見上げるー
暫く目を閉じた後、ルナは写真を机のカバーに挟んだ。偶に、こういう事をするのだ。写真を取り出して眺めては、その世界に浸る。するとほら、自分がその世界に居るような気持ちになる。この写真を買ってから、これがルナの習慣になっていた。
カバー越しに、惜しむように写真を撫でた。写真に切り取られた、海底の砂、暗い青色、そして所々に朧気に差す光。海底泳ぐ魚達は、その僅かな光を捉えて、姿を見せずにひっそりと暮らしている。それだけで、この写真はルナを惹き付けて離さなかった。心の何処かで、憧れていた世界。望んでいた世界。ーこの写真の、魚達になりたいー
続きは細々書きます
題材【海の底】より
ある日ふと
何か嬉しい事
面白いものを
見つけた時に
何故か猛烈に
その事を君に
伝えたくなった。
ある日ふと
君の香りがして
君の匂いがして
君を思い出した
只そんな事を、
下らないそれを
報告したくなった。
私なんかの言葉で
少しでも温もりを
君に届けられたら。
君を思い出したよ
只それだけの事で
君に笑って欲しいから。
何時も何処か寂しげで
何時も何処か上の空な
君のその灰色の世界に
少しでも光を入れたい。
特別じゃなくても良い
知り合い〇号でも良い
意識してるの?
と言われても
好かれたいの?
と言われようと
献身でないはず
献身でないはずなのだ
君が笑うと
何故かとても暖かくて。
幸せになれば
泣いて喜ぶ自覚がある。
私は多分
何処までも自己中なのだ
君の優しい温もりを
享受したくて。
君に笑って欲しくて
君に会いたくて。
だからこれは、
只の私の自己中だ。
俗に言うネッ友の彼。
会うのは何時も文面で
でも私は直接会おうと
思う事は無いのだろう
それが一番良いのだと
私は、声を大にして言いたい
文章だからこそ伝えられる
口からだと少し軽そうで
口下手な私は、文字でしか
心を表せられないから...
故に私は今日も文字を紡ぐ
君のその心に出会いたくて。
題材【君に会いたくて】より
それを
誰にも見られたくはない
誰にも知られたくはない
あぁ!
直ぐに消してしまいたい
破り捨ててしまいたい!
真っ白な油性のペンで
塗り潰してしまいたい
もしそうしてしまう事が
私に赦されるのだとして
もし、もし。
その代償が死、であれば
どんなに楽であろうか...
そして
遂に、私は赦されない...。
溢れる
味のしない冷たい水が一筋
黒色に
塗り潰されて皺の寄る頁に
落ちて
歪んだ形の染みを作るのを
私は、
ただ見る事しか出来ない。
黒色の下に書かれた物を
何より
そこに書かれた私という
人間を
誰にも見られたくはない
絶対に
誰にも知られたくはない
故に私は只、逃げる様に
それを奥深く隠して行く
必死に隠して生きて行く
白い頁だけを周りに見せ
私は大丈夫だと主張する
例え心の中でどう思って
居たとしても。
それがどんなに、
疲れることか...。
赦される事などない
神様はきっと居ない
題材【閉ざされた日記】より
スペース確保
下記に、前日の題材
題材【木枯らし】より
凪いだ
浅い湖のような
水面鏡に広がる
赤いコントラストが
何故かもの凄く
綺麗だ
澄んだ
朝の湖のような
水の層に広がる
不透明な靄の波紋が
何故だかとても
美しい
朝日が差し込んでいる
水の表面が凪いでいる
足元の鏡に映っている
僕が、映っている
波紋が絵を描いている
赤い、波紋の靄が
その中心に、佇む木を
隆々と伸びている枝を
縁取る瑞々しい木の葉
緑の瑞々しい木の葉が
木漏れ日を抱きながら
視界の端を横切って、
横切って
倒れて行く
倒れてる、揺れている
自分自身が?
赤く染った水を叩いて
濡れていく、
水と同じ色をした口が
半分見えて
浮かべた凄絶な笑みは
消えていく存在からの
虚しい信号であったが
消え行くと同時に彼は
赤色に水色に調和し、
何故だかとても
綺麗だった
前日題材【美しい】より
パッと思い付いたイメージをやたらに詰め込みました
毎日止まない
自問自答
勿論私なんかに
理解出来ない事は
世界に山ほどあって
人に問う
心に問う
神に問う
運命に問う
世界に問う
地球に問う
ある物に疑問を持ち
問いを投げかけて、
自問自答を繰り返す
答えが出ない問いが
一つ一つ降り積もる
毎日降る雪は
山となって
忘れる物は
忘れ
残る物は、
ずっと残る
お母さん
こんな私を
如何して愛してくれるのですか
先生
こんな私に
気をかけるのは仕事故でしょうか
世界
こんな私が
生きている事に価値があるのですか
答えが出る筈もない問い
捻くれた問いばかりが残って
降り積もった雪の山は
今はもう真っ黒です。
前日の題材【どうして】より
ありがとう
ふっと軽くなる感覚
ずっと、思っていた事
今更ながらに気付いた事。
ずっと
心の中にしまっていたのかもしれない
泥水の様に溜めていたのかもしれない
心のタンクに溢れる程に注がれた水が
苦しくて、ただ苦しくて、溺れていた
そんな事実に今更気付かされる。
息をして初めて
息を止めていたことに気付く
心が和らいで初めて
張りつめていたことに気付く
だから今、やっと気付いた。
気付けたよ
タンクから泥水を少し流して
初めて気付けた
だから、ありがとう
貴方があまりにも優しくて
タンクにはまた
水の層ができたけれどね。
オリジナル題材【澄んだ層】より