①
これを見ていない貴方へ
傍に居るだけで心が暖かくなる
大変でも貴方と二人話すだけで
私はとても救われるというのに。
なのに
どうして。
今日前の席に座る貴方は
厚いもやを背負っている
見飽きて来たその背中に。
前は振り向いてくれた優しい貴方が
今は違う人と喋っている楽しそうに
おめでとう貴方は違う世界の住人だ。
少し無理をして
小さくそう言ってみた。
他の人と話さないでよ、と
思うのは、おかしいのかな
言わないほうが良いのかな。
普通じゃ、無いのかな
なんて。
題材【特別な人】より
卒業式でした。
②
題材【ところにより雨】より
「今日の〇〇町の天気をお伝えします。午前はところにより雨。午後は雷でしょう。」
鉛のように光を反射しながら車が走っている。何時も混んでいて煩いこの場所が、今日はやけに広くて静かだった。
雨の匂いがする。悲しきパレードの音楽。風もなく、雨粒は湿った匂いをさせながら、垂直に白い軌跡を描く。
その中で女は、糸が切れた絡繰人形のように佇んでいた。曇った空を見上げる女の口には霧雨が降りしきり、吸う息は濡れ、内側と外側から女を水浸しにして行く...。
「...ぁ。」
吐き出した白い息は、雨に撃ち落とされる。
「...あぁ。」
世界は雨の音に満たされている。世界は白色に満たされている。女の周りの世界は。
人のいない交差点で、女はしゃがみ込む。泥の跳ねた水色のワンピースが、水溜まりに浸る。冷えきった肌に触れる水が心地良かった。
題材【ところにより雨】より
濡れても良いなら雨が好きだったのに。
でももう誰にも分からないから。
自分の行動の理由だなんて
常に意識して考えていたら
疲れてしまうだろうから。
説明出来ない感情ってあるよね。
頭は冷静に体を見下ろすが
無関係に身体は動き始める
常に何処か浮いて見えた。
見つめるのは身体のみ
頭の中など見えはしない。
伝えるのはやる事のみ
頭ではどう考えようとも。
さようならさようなら
無能な私の考えよ頭よ
身体は感情に流されて動く
流れるその血の動くまま。
題材【バカみたい】より
頭は間違っても、血は間違わない。でしたっけ。書いてる途中に急に思い出しました。明日は『卒業式』です。
何処か違和感を抱く
まるで僕達が腫瘍の様な
あるいは透明人間の様な
僕達は浮かんでいる
しかいの水に浮いている
周りには溶け込めぬのだ
少しずつ狂って行く
貴方は澄んだ川を泳ぐ魚
そして海に住んだ淡水魚
貴方はしおれて行く
周囲を包んだ塩に焼かれ
深い海では光も届かない
私もまた狂って行く
貴方を掬う事が出来ない
そして私もまた蝕まれて
水圧には口を塞がれ
まともに酸素も得られず
力ばかりが奪われて行く
周囲は変えられない
多少の水では変わらない
流木一つ無い広大な海で
緑色の私達は揺られ
深い青と潮流に包まれて
貴方は塩と波に嘔吐する
題材【二人ぼっち】より
行き先は見えない
周りは砂嵐である
広い砂漠の中に我独り
車を走らせた道は
風で直ぐに消える
四つあるタイヤで
描けた模様はなく
茶色い砂に埋もれ
何も残す事もない
ーーー
自分の命を一つ賭けて
砂漠のなかで叫ぼうか
どう走っても響かない
茶色い砂粒にまみれて
車に積めるものはない
運ぶ先さえ何処もない
歩み
軌跡
廃退
消失
無駄なガソリンを積み
走る車はあとを濁さず
ただ意味も無いままに
燃料のみが燃えて行く
足掻き
空回り
気付く
虚無感
ーーー
今日の朝日を我は見た
今日の夜空を我は見た
走る車の遠いすぐ横で
気付けば夕日が沈んだ
そろそろ燃料も尽きる
広い砂漠の星は綺麗だ
明日の朝は何が見えるだろうか
何もないこの茶色い更地の上で
明日の夜は何が見えるだろうか
廃車と我が埋もれた砂地の上で
題材【不条理】より
『あと』。曲調。
良い詩が書けるようになりたいです。人の心に残るような詩を。私の詩はその場の勢いなので高低差が...。
スペース確保
題材【泣かないよ】より