薄墨

Open App
11/4/2024, 12:48:55 PM

明るく色づいた茶碗に、ご飯を入れる。
炊き立てのご飯は、ほわほわと湯気を立てている。

ご飯を口に入れる。
噛み締めると、米の甘さだけが口の中へ広がる。
白飯を噛み締め、噛み締めながら、つくづくヒトの神離れを実感する。

私は、この辺りの地域の豊穣の神として、三百年ほどの間、祀られている。
といっても、私が何かするわけではない。
神とは大抵、いるだけで自然が発生する存在であり、それを見たヒトが、その力を勝手にありがたがって祭り上げるものなのだ。
私たちはもともとは自然なのだから。

私は主にイネ科の植物に好かれていた。
おそらく、もともとイネ科の植物という自然の一部だったのだろう、私は。
だからお米だけには困らない。

しかし、ヒトに祭られて以来、すっぽり飯というのはついぞ食べていなかった。
ヒトが勝手に私に感謝して、私を祀ったのだという社にお供物をしてくれていたからだ。

ヒトは、栄えている時には肉や魚や酒を。
貧しい時は芋や瓜や根菜を。
そしてよく、味噌や醤油や塩を供えてくれた。
それらは米によくあった。
私は彼らの供物をありがたく頂いて、白ご飯のおかずにしたのだ。

あまりに人の貧しい時には、ちょっとお礼めいたこともした。
米を竹や柿の葉に包んで、社に置いてみたりなどした。ヒトと私は、そんな不確かで、和やかな、頂き物で繋がった関係であった。

しかし、最近、ヒトは私の社に訪れなくなった。
村が合併だとかなんとかでどこかへ移動し、ぽつんと私の社だけが残った。
人里離れたくたびれた社には、来るヒトも少なく、手入れに来る者もいない。
お供物はすっかりなくなった。

ある時、久々に訪れた旅行者らしきヒトが、言っていた。
哀愁を誘うお社だ、荒れ放題ではないか、と。
どうやらそのヒトは、私が寂しく思っているのではないかと思ったらしい。
社の写真を何枚も撮り、明後日の方向へ向かって、私に色々と喋りかけてから、帰っていった。

むしろ、そいつの姿が私の哀愁を誘った。

私は別にヒトが来なくともよかった。
すっぽり飯だって、よく噛めば豊かな米の甘さがあり、シンプルなご馳走だ。
荒れ果てた社は、私の原点の自然という感じで、むしろ郷愁と落ち着きが心地良い。

ヒトはすっぽり飯にも、忘られさられた場所にも哀愁を誘われる生きものらしい。
しょうがない。彼らは、協力と関係で生きてきた種族なのだから。

ヒト同士で。
他の動物と。
自然と。
彼らは常に関係を築き、その力を利用して、生きてきたのだから。

忘れられ、関係に弾き出された孤立したものが、ヒトの哀愁を誘うのは、仕方ないことだ。

しかし、孤立した存在として当たり前な私にとっては、よく分からない感情だった。

米をゆっくり噛み締める。
仄かな甘い、柔らかな甘さが口に広がる。

哀愁を誘うという味は、それはそれで劣らず美味かった。

11/3/2024, 1:40:48 PM

シャワーヘッドを回して、水を掛けた。
白い曇を、透明な水が払っていく。
銀色のシャワーヘッドを写した透明の粒が、透明な水の筋を描きながら落ちていく。

シャワーを止めて、向き直る。
水滴が、ぽたり、ぽたり、と滴り落ちる。

ほっそりと、骨ばんだ身体が写っていた。
曇が晴れた鏡は、水滴を滴らせながら、真実を写し出していた。

鏡の中の自分は、疲れた顔をして立ち尽くしている。
今日も走りすぎたのだろう、足が重たい。

軋む体を引き摺って、シャワーを手に取る。
熱いお湯が、勢いよく流れ出た。
強いお湯を浴びながら、天井を仰ぐ。
白く明るく無機質なタイルが、こちらを見下ろしている。

吐いた分、身体は軽い。
走った分、四肢は重い。

お湯が止めどなく、髪の端から流れ落ちた。
お湯はタイルの間を流れて、排水溝へと落ちていく。
抜けた髪の毛が一本、すうっと水に流されて、見えなくなった。

シャワーを止めて、シャンプーを手に出した。
手のひらを擦り合わせながら泡立てていると、疲れた気持ちがちょっとだけ治るような気がして、鏡をのぞいた。

相変わらず疲れ切った自分が、鏡の中にはいた。
シミと、毛穴が見える頰が微かに上がっている。

私は昔から、食事が苦手だった。
過食で吐き、拒食で吐き。
食べ過ぎては倒れ、食事のしなさすぎで貧血で倒れる。
食事中も、口に入れる物の大きさを誤って、喉に詰めたり、咳き込んだりはしょっちゅうだった。

食事ができないわけではない。
食事が嫌いなわけではない。
ただ、物を口に詰め込むという行為が上手くできないのだ。
口から食べ物を補給して、消化するということが、私は生まれつき、苦手だ。今も。

だから、鏡の中の自分は、いつも痩せていて、不健康で、見窄らしく見えた。
水やお湯を浴びれば、雨の日の溝川の濡れ鼠のようで、肌が乾いていれば、水一つない砂漠に放られたカラカラの骨のように見えた。

頼りなくて、何をしてもグズで、ガリガリな自分がいつもそこにいた。

…蛇口を捻って、シャワーの勢いを強めた。
お湯の蛇口を目一杯に捻って、お湯をますます熱くする。
白い湯気を上げながら、熱いお湯がタイルに叩きつけられた。

私は、鏡の中の自分が嫌いだった。
見ていられなかった。見たくなかった。
だから、だから…

いつもお風呂の時は、熱々のお湯で、一心に体を洗う。

鏡が曇るように。
白い湯気と透明のお湯の熱気が、鏡の中の自分を消してしまいますように、と願いながら。

今日も私は蛇口を捻る。

風呂場は静かだった。シャワーのお湯がタイルを叩く音だけが響いた。
私は顔を背けて、シャワーを浴びていた。
肌が熱さでヒリヒリした。

シャワーの音だけが、風呂場の中に反響していた。

11/2/2024, 3:04:14 PM

指がぬらぬらと光っている。
暗闇の中に、鋭く、手についた赤い液体が、てらり、と不気味に網膜に焼き付いた。

鉄のような匂いが辺りに立ち込めていた。
ここはどこか。
どうしても思い出せなかった。

分かったのは、また眠りに落ちてしまったんだということ。
目が覚めたから、この身体はこんな暗闇で、手を血塗らせて立ち尽くしているのだ、ということ。

正面に木の戸が見える。
『おおかみと7ひきのこやぎ』に出て来そうな、小さくて頑丈な木の戸だ。
木の戸には、きちんと前足を覗かせる事が出来そうな、横に細長いのぞき窓がついていた。

酷く喉が渇いていた。
眠った後のはずなのに、眠気がジリジリと脳幹を焦がしていた。

足元に散らばった山羊の毛が、真っ赤にてらてら飛び交っていた。

ため息をひっそりとつく。
こうなってしまったのなら早い事、この町を出なくてはならない。

眠りにつくといつもこうなのだ。
呪いの子、とみんなは呼んだ。

私が初めて“眠りについた”のは、幼稚園に通い出した頃だった。
私はお昼寝中に、睡眠の奥の奥に、眠り込んでしまった。

眠りにつくというのは、とても心地の良いものだ。
記憶の奥深く、自分の脳髄に丸ごと意識の全身を浸す。
ゆっくりと、でもなんの抵抗もなく、輪郭が解けて、深い深い、青黒い闇の中に溶け込んで、広く強く大きくなる。
冷たくて、川に浮いているように万能感に溢れて、とても心地良い。

深い、深い、意識の奥は、何も考えなくていい。
何も感じなくていい。

心に染みる冷たさだけの世界だ。
そこまで潜ることが“眠りにつく”ということだ。

そして、脳髄からゆっくり浮き上がって、輪郭を取り戻した時、周りは大抵、真っ赤な液体に塗りたくられたバイオレンスな風景に変わり果ててしまう。

自分が眠りについた間、何をしているのかは薄々気づいた。
おおかみ、と誰かが呼んでいたことも覚えている。
だから、私は一所にはいられない。
血生臭い眠りに向き合いながら、血生臭い旅を続けている。

素早く辺りを見回す。
外も真っ暗だ。青白い月が高々と空に浮いている。
どうやらまだ、真夜中のようだ。

腕で血を拭って、素早く外に出る。
喉が渇いた。
眠気もすごい。
眠りについた後はいつもそうなのだ。

山の奥に入って、川の水を飲んだ。
血を拭って、洗い流す。
水が美味しい。甘い。
手で救って、何度も飲み干す。

手で口周りの水滴を拭って、立ち上がる。
次に眠りにつく前にできるだけ、ここから離れなくては。

私は眠りにつくあの感覚が好きだ。
何も考えなくて良いし、冷たくて心地良いから。
だから、私は旅を続ける。
次に眠りにつく前に。

拭いそびれた水が、首の皮を伝っていった。
ひんやりと、冷たく、心地よい。
川の淵に足を浸す。
冷たい。心地良い。
眠りにつく時みたいだ。

足を川の方へ進めてみる。
眠りに完全につく前の、あのひんやりと心地良い感覚が足首から、ふくらはぎ、太もも…とだんだん競り上がってくる。

輪郭が解けるように、力が抜ける。
身体が冷たさに溶け込んでいく。

一歩踏み出す。
進んでいけば、進んでいけば、私はきっと眠りにつける。

青い水が気持ち良い。
私はどんどん進んでいった。
深い方へ、深い方へ、深い、深い眠りへ。

水は青く澄んでいた。
空も青く澄んでいた。
秋風が川の水を優しく撫でていた。

木々がふわっとざわめいた。

11/1/2024, 12:47:02 PM

鱗に覆われた白光りする体が、大きく太く横たわっていた。
足を踏み出すと、蛍光色に光る緑の苔が、靴の爪先に纏わりつく。
澱んだ重たさすら感じる、鈍い湿気が満ちている。

白い鱗の体に向かって歩く。
泥と湿気に覆われて、青臭く生い茂った苔は、黒々とした泥と一緒に、こびりついてくる。

歩きながら、袂に隠し持った短剣に触れた。
ひんやりとした金属の鋭い冷たさが、心地良い。

私は今から、あの白い大蛇を殺す。
永遠を永遠たらしめる、あの蛇を。ウロボロスを。

足を上げる。
苔の奥の泥が、靴の裏にべっとりと纏わりついている。

私は永遠に生かされている。永遠に生きていなくちゃいけないんだ。

人買いに殺されそうになった私を、庇って助けだしたその青年は、寂しそうにそう言った。

笛を吹く不思議な男の音楽につられて、町を出た私たちに待っていたのは、恐ろしい現実だった。

足が不自由だったあの子は帰された。
子どもには厳しすぎる現実に、放り出された。

町一番の美人のあの子は、大人たちに手を引かれて、艶やかな光が怪しく灯る、細い路地に引き摺り込まれて行った。

一番力のあったあの子は、ふっくらとした身なりの綺麗な大人に呼ばれて、その何倍も屈強そうな大人たちに囲まれて、どこかへ消えてった。

一番素直で可愛らしかったあの子は、暗い眼差しをして、ポカリと開けた口から涎を垂らした、危ない大人に手を引かれて、それから二度と会うことはなかった。

あの男が人買いだと気づいたのは、一番賢いあの子だった。
あの子は逃げ出そう、と言い出して、私たちは逃げようとして…

あの男が、魔術師仲間で友人だという青年と話しているうちに。
私たちは逃げ出そうとした。

一番幼かったあの子が物音を立てて、見つかった。
あの笛の曲が響いた。
私は咄嗟に耳を塞いだ。
音楽を聴いてしまって、否応なく引き摺り出された子どもたちは、見せしめのためか、声を荒げた男に殺された。
男が笛を吹き、短剣を振るう。

短剣はみんなを屠っていった。
血と汗と、涙の匂いがした。

シューーーーー
這うような蛇の声のような音が、絶えず聞こえていた。

気づくと、周りには死体が散らばっていた。
みんなの死体と、男の死体。
真っ二つに割れた笛が、男の手のそばに転がっていた。

そして、その真ん中にあの人がいた。
青年の顔をした、あの人が。
シューーーー
蛇の声は、その人からしていた。

助けてもらった礼を言った後、蛇の声の話をすると、青年のようなあの人は、目を見開いて驚いた。
それから話してくれた。

私はある沼地でまだ幼かったウロボロスにつまづいてしまった。
そして、ウロボロスに呪われてしまったんだ。
私は、ウロボロスに永遠と死を与えられたんだ。
私は永遠に死ねないし、永遠に生き続けるんだ。
そして、永遠に誰かの命を終わらせながら、ウロボロスの永遠を特別なものにし続けなくてはいけない。
…もう私の大切な人はみんな死んでしまったよ。

あの人は、青年の顔で、私の、ボケてしまったおばあちゃんみたいな瞳をしてそう言った。

その沼地はこのすぐそこにある。
そこはウロボロスの棲家なんだ。
永遠に生き続けるということは、本当に辛いことだ。あのウロボロスが死ぬまで、…ウロボロスに死なんてないのだろうが…私はずっとこのままだろう。
だから、嬢ちゃん、あの沼地で蛇には関わっちゃいけないよ。
嬢ちゃんが生き残れたのは奇跡だ。命を大切に、生きていくんだよ。

そう言ってあの人は、私の頭をぐしゃり、と優しく掻き撫でると、去っていった。

私はあの人に恩返しがしたかった。
それにあの人のような、あの強大な力を手に入れたかった。
ウロボロスの力が。

だから私は沼地に入った。

白い鱗の巨体が、目の前まで迫ってきた。
私は隠していた短剣…男の死体から密かに盗み取ったあの短剣を抜き払った。
私の父さんは、あの笛吹き男が現れるまでは害獣駆除を請け負っていた。
父さんは、私に仕事を教えてくれた。鼠や鴉や…蛇の殺し方を。

私は鱗を瞬時に観察して辺りをつけると、短剣を振り上げて、思い切り、白い巨体の鱗の間に差し込んだ。

凄まじい蛇の断末魔が轟いた。
白い巨体の、鱗の間の柔らかな肉が深く裂け、赤い液体を吹き出しながら、のたうった。

巨体が震えた。
断末魔が、細く、細くなって消えた。

終わった。

私は足を踏み出した。

鱗に覆われた白光りする体が、大きく太く横たわっていた。
足を踏み出すと、蛍光色に光る緑の苔が、靴の爪先に纏わりつく。
澱んだ重たさすら感じる、鈍い湿気が満ちている。

白い鱗の体に向かって歩く。
泥と湿気に覆われて、青臭く生い茂った苔は、黒々とした泥と一緒に、こびりついてくる……

10/31/2024, 2:48:48 PM

桃の甘い香りを鼻いっぱいに吸い込む。
クリーム色の霞が、空気の中を泳いでいる。
空気は暖かく和やかで、空は手が触れるほどのところに、青々と高く広がっている。

険しい山々が辺りを取り囲んでいる。
鋭く厳しく生えた山々の中にぽっかりと空いたこの桃源郷は、辺りの厳しさに引き立てられて、返ってその理想的な美しさと和やかさを瑞々と繰り広げている。

甘い花と桃の香りが、霞に乗って立ち込めている。
香を抱きしめたような良い香りが、クリーム色の靄となって、この山の凹んだ頂上に、冴え冴えとこの一面にだけ、広がっている。

ここだけが、別世界のようだ。

呆気に取られて、その景色を眺めた。
傍にいる養い子が、衣の袖を強く掴むのを感じた。
その子の細い肩をそっと抱いてやる。

異世界のような不思議な空間だったが、怖さや不気味さは少しも感じなかった。
むしろとても魅力的だった。
ずっとここにいたくなるような、帰りたくないような、そんな甘い誘惑が、この地には立ち込めていた。
まるで理想郷だ。

私たちは、この険しい山脈を越えるために、商隊と列を組んで山越えに来ていた。
山犬に追われ、商隊と逸れて辿り着いたのが、他でもないこの理想郷だった。

私たちは、根のない旅ガラスだった。
権力争いの一端に巻き込まれ、流された噂によって国を追われた私は、旅の途中に出会った行商人の親を狼と盗賊によって失い、孤児となった養い子を連れて、アテのない旅をしていた。

旅には慣れていたが、時折、落ち着いた家が無性に恋しくなる夜がある。
昨夜はそんな夜だった。

甘い香りが、鼻いっぱいに広がり、胸いっぱいに入ってくる。
温かい空気感は心地よい。
辺りの霞を吸い込むと、空いていたはずの腹はくちく、山犬と商隊の人間関係に擦り減らしていたはずのピリピリとした心が、和やかに丸く満たされている。

いっそ、ここに住めたら。
ここはきっと、私のような者のための理想郷だ。
ここに定住できたら良いのに。いや、ここに住もう。

霞と咲き乱れる花畑の向こうに、川がキラキラと流れていた。
向こうのほうはさらに霞が濃く立ち込めて、なんとも言えない美しくて爽やかな深い香りがしているようだった。

ああ、あの向こうに行かなくては。
ここは私の理想郷なのだから。

フラフラと足を踏み出す。
かくん、と、身体がつんのめった。

振り返ってみると、私の養い子が、必死で私の足にしがみついていた。
普段物分かりのいい、無口で動じないあの子の顔は、はっきりと青ざめ、恐怖に染まっていた。

あの子は必死の形相で、私にしがみつき、髪を頬にひたひたとぶつかるのをそのままに、激しく首を横に振った。

冷や水をかけられたように目が覚めた。

向こうを見返す。
キラキラと流れる川が、やけに冴え冴えと、不気味なくらいに異様に見えた。

「…そうだね。あんたの言う通りだ。戻ろうか」
背を伝う冷や汗に、舌を絡ませながらなんとかそういった。
あの子は少し顔を緩めて、しかし私からは絶対に手を離さなかった。

「大丈夫。戻ろう」
思い切って踵を返す。
甘い香りが誘うように強くなった。
あの子が大きく首を振って、不安そうに私の手を引いた。

「分かってる。大丈夫」
そう繰り返しながら私たちは山を降り始める。
理想郷に見えるナニカに背を向けて。

下山の道を辿るたび、クリーム色の靄がふわりふわりと減っていく。

その度に私の頭はだんだんとはっきりして来た。
稲妻のように考えが閃き、脳裏に決意として焼きついていく。
自分の理想郷は自分で作るのだ。そのために私たちは血生臭く、険しいあの山々に戻らなくてはいけないのだ。
他でもない、あの子がそれを選んだのだから。

あの子に強く手を引かれる。
私たちは転がるように山を降りて行った。

Next