薄墨

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12/31/2025, 9:41:56 AM

星に包まれて

12/30/2025, 8:30:02 AM

静かな終わり

12/29/2025, 8:47:39 AM

心の旅路

12/28/2025, 5:12:27 AM

「なぞなぞだ

不思議な鏡、これなんだ?
普通の鏡、真っ白に
目の前の鏡、真っ直ぐ見ても
斜めに見ても、タネなし真っ白

普通に写って、見えていたのに
その時が来たら、みるみる白く
後ろの椅子も、後ろの壁も、
お風呂のバスタブ、洗面台も
君の顔も、たちまち白く
鏡に写っていたから真っ白
鏡で見ると、すっかり真っ白
まるで、人呼んで、凍てつく鏡

シャワーを浴びてただけなのに
顔を洗っていただけなのに
お湯を出していただけなのに
真冬の寒い日、ご用心!
気がつけばすっかり、凍てつく鏡
真っ白、真っ白、凍てつく鏡!

はてさて、答えはわかったかな?
答えは結論、結論答え

シンキングタイム、お情けあげる!
ゆっくりじっくり考えて
時間は10秒!がんばれがんばれ!



出たかな答え、分かった?分かった?
答えは結露、結露した鏡!
真っ白凍てつく鏡は、結露。

解けたならばさあ、通してあげる!
ここは不思議な、謎の国
どこもかしこも、なぞかけだらけ
気でも狂った、なぞなぞの国!
さあさ、どうぞ楽しんで
逃げ出せるものなら、逃げてみて!」

12/26/2025, 9:01:15 PM

窓から冷気が漂ってくる。
温かい炬燵に足を食われながら、しんしんと舞う雪を眺める。
白い雪は、静かに、容赦なく降り続け、ゆっくりと確実に降り積もっていく。

真っ黒な夜空に、ほのかにくっきりと、白い雪が光って見える。
そうだった。
雪明かりの夜とは、こんな景色だったのだ。
明日は雪かきに出なくてはいけない、そんな憂鬱さを孕みながら、雪明かりの夜は抗い難く幻想的に美しい。

蜜柑の皮に爪を立てる。
三日月状に走った細い傷から、甘やかな瑞々しい香りがふわりと立った。
暖炉の火を閉じ込めたような橙色の皮の中から、真夏の日のような香りがするのには、毎年不思議に思う。

雪明かりは、見かけはほのかに儚いのに、強い冷気を放って、存在感を主張している。
鮮やかな色と香りを、おとなしく手の中で剥かれ、慎ましく口の中へ消えていく蜜柑とは、対照的に逞しい。
そうだ、雪ってやつはそういうものだった。
雪の逞しさ、図々しさを思い出すたびに、私はあの子を思い出す。

南から来た転校生だというのに、雪のように真っ白い色白で、異性から見たら迷わず、守りたいと思わせるような美人だった。
晴れている日が珍しいほどの雪国育ちなのに、いつの間にかすっかり日焼けしている私とは、そういう意味で正反対だった。

けれど、私たちは仲良くなった。
私を揶揄っていた男子に、余所者の分際で、あの子はチャキチャキと言い返したのが、始まりだったと思う。

あんなおとなしそうな顔をしているのに、めちゃくちゃな子だった。
雪が積もれば、犬のようにはしゃぎまわって、滑って転ぶ。
夏になれば、強風が吹いていたとしても荒波の立つ海を見に行き、泳ぎたがる。
私はもっぱら、ストッパー役だった。
あの子のおかげで、毎年、日焼けの黒さも増した。

あの子がここに帰ってこなくなったのは、もう私もあの子もずいぶん大人になって、あの子が離婚してからだった。
あんなに気が強かったのに、あの子は一族の決まりには逆らえなかったらしい。
そして、大事な婚約者にも言い返せなかったらしい。
この雪国のしきたりが、あの子の自由を損ない、傷つけていると発覚した時、私は初めて、あの子のような無茶をした。

奴がいる限り、いや、奴が居なくとも、あの子はもうここへは帰ってこない。
私がそうした。
あの子がここに帰ってくるのは、あの子がしっかり、前のような雪明かりみたいな逞しさを取り戻して、明るいあの子自身を取り戻した時なのだ。

あの子はまだ療養中だ。
ゴタゴタの実家から離れて、南の方にいる。

私は、ここに残って、あの子の一族の結末を見届ける。
それが私とあの子の最後の約束だった。

冷気を撒き散らしながら、雪はずんずん降っている。
夜闇の中に、冴え冴えと、雪明かりが降り積もっていく。
私は蜜柑を一房、口に入れる。
冷たい北の冬の中に、ほんのり、南の夏の香りがする。

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