彗皨

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8/16/2023, 10:51:26 PM

※少しだけセンシティブな表現があります。
苦手な方は今回のお話をお控え頂けると嬉しいです。

「うわ、最悪。爪折れたー。」
「だ、大丈夫?」
「大丈夫じゃないっつーの。」
「あぁ、そうだよねごめん。」

俺の名前は光輝。
高校2年生のごく普通の男子校生。

一部を除けば…ね。

「あてか、今度あみ達とカラオケ行くんだけど、こーきも来るっしょ?」
「えっ、いやいや、俺カラオケとか苦手だし…
遠慮しとくよ。」
「えマジで言ってんの!?うける!カラオケ苦手な人とかいるんだー、!ははっ笑」
「あ、あはは…笑」
(一体なにが面白いんだ、、??)
「えまって?光輝なんか今イケメンだった!」
「え、本当?」
「うんうん!いっつも冴えないからさー、イケメンな瞬間あるとドキッとしちゃうんだよねー笑」
「あっ…そっか、、」
そう、俺は冴えない、冴えなさすぎる男。
親は「光り輝く子に育って欲しい」という意味で名ずけてくれたが、とても光り輝く子とは言えない。
名前をつけてくれた親には、申し訳なく思ってる。


「てか光輝、あたし家に呼ぶって…どしたの?
なんかあった?話くらいなら聞くけど」
「あー、っと…」
言えない、冴えない男とギャルが×××する漫画を見て家に呼んだ だなんて口が裂けても言えない。
「ん?」
「いや、そのー…」
第一、付き合い始めた頃から思っていたがどうしてこんな一軍ギャルが俺みたいな根暗陰キャに告白してくれたんだ?
最初は罰ゲームかと思って付き合ってたけど、もう付き合って半年以上経つぞ、?
おかしい、こんなの二次元にしか有り得な…
「ねえ、さっきから何考えてんの?」
「ひぇっ……」
「うち…今日………期待してる、よ…?」

コ レ は キ タ ! !

ゲームアニメオタクの俺には完全なるフラグ。
ギャルが谷間見せて恥ずかしそうに顔近づけてくるなんてもうそれは!!

「ね、……シよ、?」
誘ってる!!!完っ全にこれは誘ってる。
「シよ?」この時の目がとろっとろだった。
誘っているに違いない…よし、そうとなれば…
って、、あれ?

「ん、、どしたの?」
「あ、いやっ……もしかしてなんだけど…」
「う、うん、、」
「しょ、"処女"?」
「うっ…!な、なんでわかっ…たの、、?」
「え!?本気で、本気で処女なの?ええっ!?」
「あぁもう!恥ずかしいからあんまり処女処女言わないでよね、」
「あ、ごめん。でも、ほんとに処女?」
「そ、そうだよ…なんで分かっちゃったかなあ…
今まで隠してたつもりだったんだけど…」
「あいや、めちゃくちゃ強引に誘ってきた割には汗めっちゃかいてたし、それに…」
「それに?」
「…みゆちゃんが緊張するときにする癖、してたから。」
「っー………!もー!!光輝のいじわる!ばか!」
「笑ごめん、あんまりみゆちゃんって呼ばないもんね。」
「ね、ねえ、?今日は……その…」
「し、シないの?」
「っ…!」
「……っと、」
「きゃっ…!」

ドサッ
「よいしょ、、」
「ま、待って光輝…なんであたし、」
「しばられてんの!?」
「、笑逃げられないように。」
「べ、別に逃げないよっ?」
「だめ。みゆは縛られてる方が大人しいでしょ」
「んっ、、光輝ずるいよ、…」

「ね、ねえ、光輝ってさ…もしかして、めちゃくちゃ経験あるの?」
「笑別にめちゃくちゃではないよ。」
「じゃあ、何人としたことあるの、?」
「まあざっと20人くらいかなあ、」
「に、20人!?光輝が!?」
「失礼だなあ…今どっちが上か分かってる?」
「んっ、、」
「大丈夫、俺好きな子には優しくするから。」
「じゃ、じゃあ…ゆっくり…始めてね、、?」




はあ……なんて、俺は何を考えてるんだろうか。
ゲームアニメオタクの冴えない男ってこと以外は全部俺の妄想だ。
ただ…

「あなたー!ちょっとゆきのお風呂手伝ってー!」
「あー、はいはい、今いくよ」
「今日もみゆは爪長いなー笑」
「それを言うなら可愛いなーでしょ!」
「ん、ごめんごめん。」
「パパとママラブラブじゃーん!うける!」
「ちょっ…ゆき!?そんな言葉どこでって、、」
「な、何にも知らないわよ!!」
「ママの口癖が移ったのか、笑」
「も、もう!早くお風呂入れて頂戴!」
「はいはい、じゃ、ゆき入ろっか」
「はーい」


少しだけ、ギャルとの出会いに誇りを持っている笑

8/15/2023, 11:31:38 PM


キラキラと星が輝く空の下には
ゆっくりと波寄せている海が、私を魅了する。
「、…」
触れてみたい気持ちと、少しの恐怖心が私の心を煽る。

「入っても…いいよね、」
水沫が私の周りに飛び交う。
奥深い海の底に、段々と沈んでゆく私の体。
「…綺麗……」
海の中の景色は、言葉という既存のものでは表せないほどに美しかった。
海の景色に心を奪われていた私には、外の世界の音なんて全く気づく事ができなかった。

「ずっと、このままだったら……」
私が生きてきた人生で最も価値を感じた時間だった。


いや、もう既に時間は存在していなかったのかもしれない。

『速報です。
××県××市の海で大津波警報が発生しました。
市民の方は決して海辺付近には近づかず、直ちに避難してください。
繰り返します、××県××市の海で大津波警報が発生しました。市民の方は海辺付近には近づかず直ちに避難してください。』

「津波よ!!!皆逃げてー!!!!」
「あなた!!子供達を抱っこして逃げて!」
「みんなー!!大津波警報だー!!!直ちに避難しろー!!!」
市民の足音が市民の胸を圧迫する。

私の気は、もうそのときは確かではなかったかもしれない。だけど、その時、その瞬間に

怒濤の波が私を覆ったのだけはしっかりと記憶している。

8/11/2023, 8:10:40 AM

『次は終点──終点───』
聞き慣れたアナウンスが静かな電車に響き渡る。
少し前まで急いで荷物を準備をしていた人も、肩を揺らしながら目を瞑っている。

「…」
よれたネクタイをつけている疲れきった顔をしたサラリーマンも
子供を連れた大荷物の妊婦さんも
スマホを眺めている学生も

『ご乗車ありがとうございました。
お忘れ物ないようご注意下さい。』

『この先もお気をつけて行ってらっしゃいませ。』

「っ、?こんなアナウンス、聞いたことないな。」
私がそう思った拍子に乗客が立ち上がる。
「ほら、行くよ。」
「はあ、、やっと家に帰れる…」
「あママ?もう心配しなくていいってー笑」

誰一人、アナウンスに対する違和感を感じずにいた。
「私も降りよっ…」

電車から黄色い点字ブロックに足を踏み入れたとき、
「へっ…何処、ここ………」

そこは、さっきまで同じ電車に乗っていた乗客と 私の知らない世界が広がっていた。

『この先も、どうぞお気をつけて。』


"終点"

8/4/2023, 6:24:14 AM

沈んでゆく。
深く青い海に。私の白い肌が溶けていく。

死にたいと思って入った海。
最初は海の浅いところから体をつけていった。
段々水が暖かくなっていく。
足、腰、そして頭に水が浸かる。
砂に足は届かない。

青い空を深い海に溺れて見上げることしか出来ない。
長く黒い髪が私の視界を邪魔する。
「あぁ…このまま、沈んだら……」
ずっと望んでいた死を遂げることが出来る。

私は、あえて下を見なかった。
見てしまったら多分、少しだけ戸惑うと思ったから。

身体中の汗までもが浄化されていく真っ青な水。
段々と空が遠くなってゆく。
空に手を被せる。
手を上にあげても尚 私の思いを遮る水に少し吃驚する。
「笑……凄いや、」
見たことない景色に感じたことのない感情が私の胸を揺さぶる。

このまま目が覚めるまでに私が消えてしまえば楽なのに。



なんて。また夢を見た。
「また夢…」
今日もまた、「目が覚めるまでに消えれなかった。」

8/2/2023, 9:26:44 PM

今日は少しお話があります。
今私はハワイにいて、日本より一日遅れています。
日本とハワイでは19時間差なのでお題が皆さんより一つ前のものが表示されます。

前の投稿も、昨日皆さんは「明日、もし晴れたら」というお題が表示されていたと思いますが昨日私は「だから、一人でいたい」というお題が表示されていました。
なので今日も皆さんより一つ遅れたお題を書くと思いますがご理解お願いします。



それにしても今日は良い天気ですね。
明日も晴れたら嬉しいです。
明日もし晴れたら私はまた朝が来たことをきっと憎むでしょう。

"明日、もし晴れたら"

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