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4/26/2025, 10:41:02 PM

ずっと、ずっと。
逢いたかった。
待っていた。焦がれながら。
距離を取って恥ずかしさに悶えるよりも。
大切な、1秒でも惜しいこの時間。
したいことがある。
…多忙でも、よかったのかもしれない。なかなか会えない時間は、私を、素直にしてくれて。欲張りにしてくれて。この時間を、一層大切に思わせてくれて。かけがえのない時間を、大切にできる。
それでも、より一層募る焦がれと欲を、持て余す。

今度は、あふれる気持ちをぶつけるのでなく。
あふれる気持ちで、包み込む。
欲でなく、
愛を。
労りを。
感謝を。
優しさを。

求めるのでなく。
その逆を。

求めるだけでなく、蒼にも、与えたかった。求める気持ちがあふれ波打つ狭間でも、消されない、たしかにそこに、その気持ちはあった。
3週間、激務に追われ、疲れている蒼に。
3週間、どんなことがあったのだろう。悩みや、トラブルや、苦しさ、あっただろうか。
どれくらい、疲れている。
そばにいてあげられなくて、ごめんね。労ってあげられなくて、ごめんね。
でも、蒼がこの3週間抱えていた想いは。蒼のなかを占めていた想いは、それだけじゃ、ない。

蒼だって、寂しかったはず。
ううん。
寂しかったと、思う。
蒼をちゃんとみると、決めて。
自分を過小評価をしないように、心がけて。
蒼からたくさん想いを受け取り、わかるのだ。言われなくても、わかるのだ。
蒼にとっても、私は。
愛する、ひと。
一度も言われたことのない言葉。
一度も言われたことのないのに、
疑わずにすむ言葉。
知っている。聞いたこともなく。
聞く必要もなく。
あえて尋ねる必要が、ないのだ。
だって、自分は、知っている。
確信とも違う、信頼とも期待とも違う、蒼だから、も、関係ない。
ただ、知っている。
事実として。
蒼が、そう、伝えてくれたのだ。
言葉でなく。全身で。
たとえ何があっても。自分は、知っている。
この先もずっと。蒼のことを信じさせてくれるのは、蒼だ。
不安にゆらぎ愛を信じようとするのでなく、
ただ、知っているから。伝えてくれたから。蒼のことを信じさせてくれる。
蒼は、私を、不安からも、守ってくれる。

信じたいのでなく、信じているのでなく、思うのでもなく。
感じるのだ。
感じて、認識する、が、正しいのかもしれない。
蒼から、伝わってくる想いを感じて。自分の脳が、知る。
愛。
愛だと。
そして、認識し、思う。
愛されていると。
蒼にとって、私は、愛する人。
どんなに、幸せだろうか。
言葉で言われるよりもきっと、もっと。
私は、言葉もなく、知ることができた。手段なく、蒼の身体からそのまま、受け取った。
積み重ねてきた想い出も、蒼からの言葉もあるけれど。それじゃなく。
ただ、私をみつめる蒼の全身から。
愛していると。絶え間なく、伝えてくれる。

だから、私は思う。
蒼も、きっと、愛する私に会えなくて、寂しい想いをしたでしょうと。
それは、以前の私だったら、思い上がりだと恥ずかしがっただろう。
今は、違う。
今の私にとって、それは。
蒼への、思いやりだ。
蒼のおかげで。蒼のことを知れた私は、もっと、蒼の心を、思いやり、配慮し、以前よりももっと、理解してあげられるようになったのかもしれない。
以前の私は、蒼の寂しさに気づかなかった。私だけだと自分にばかり目を向け、蒼はそんなはずがないと決めつけ。私はなんと、傲慢で。蒼に対し、冷たく振る舞っていたのだろう。
蒼が私の心を、理解でき、真っ直ぐに心を向けてくれるように。
私も、蒼のそのままの心を、みつめられ、思いやれるようになったかな。
世間では、愛が深まった、仲が深まったとひとことで表現できるかもしれない、私の変化。
やっぱり、ひとことではおさまりきれないと、自分の心を見てそう思うのだ。


蒼と出逢えて、接して。私は、きっと、本来の私より、優しくなった。蒼から貰う優しさに。愛情に。心が満たされ、あふれ。
蒼が、私を、変えてくれたのだろう。蒼に貰った優しさを、愛情を。私も少しでも、大切なひとに、向けられる自分に、なっただろうか。
蒼が、私を変えた。
蒼をみて。蒼に憧れ、影響されて。
蒼が私に優しくし、蒼が私を優しくさせている。


優しさと、愛情と、労りを。
睡眠が1番かもしれない。でも。
ワガママに、私の手で。
何か、与えたかった。
与えられるものがあったなら。


たったひとこと。
いっぱい、自分のなかを探して。
自分の気持ちを表現できるひとことが、また、みつからない。

ぜんぶあてはまり、ぜんぶ遠いなか、そのなかで。ちょっとだけ。ぜんぶを包み込めるのに、近い、言葉。

「よく、がんばったね」

たったひとこと。
精一杯に、懸命に。
言葉だけでは伝えきれないなにかを伝えようと。心ぜんぶを、そのひとことに、のせられるように。
あふれる想いを、1語1語にこめて。想いの重さに、震える声で。
きっと、声が震えるのは。のせた想いを支えきれないから。重さに耐えきれず、想いに身が染みて耐えきれず、震えて。震える言葉から、重量オーバーで積み重なった想いの、ひとかけらひとかけらが、振動に振り落とされ落ちていく。あれだけ言葉が震えたら、絶対に想いもこらえきれずいくつかは落ちただろう。

それでも。伝えきれないと、
言い終えた瞬間に、わかる。
もどかしい、な。
上手く伝えられない自分でも。
汲み取ってくれたのか。


ふはと、笑う声。
「ー…ありがとう」
照れる。と。

1/24/2025, 10:38:11 AM

登場人物: 琅(ろう)と翡翠(ひすい)
      2人は幼なじみです。



「‥‥なぁ。なんで俺には、疑わない?」


琅の投げかけた疑問。
ずっと疑問だったそれ。

琅へは‥疑うことなく、やけにアッサリと騙される翡翠。嘘つきと知っていて尚、やけにアッサリと。

それが‥ずっとずっと、不思議だった。

何故、と。

勿論疑う時はあるにはある。
だがその時も、琅に尋ねて‥その琅の答えを信じる。
琅がたとえ黒を白と言い張っても。その答えを疑うことなくアッサリと信じる。‥それこそが嘘では、と思わずに。

警戒心の欠片も持たぬこいつ。
一度も不信を抱かなかった相手として‥琅は挙げられる。




「うぅん‥わかんないけど、もしかしたら」

翡翠は笑う。

「琅の嘘になら、騙されてもいいって思ってるのかもしれないね」

琅は瞠目し‥‥呻く。

「ずるいだろ、‥‥おまえ‥‥」

「え‥?」

そりゃずるいだろ、と思う。

「いや‥‥勘だよ?何となくの。
琅の嘘になら‥‥琅が選んだ嘘なら、おれにとっ       て正しいって思っちゃうのかな?わかんないや」

笑う翡翠。

「‥‥‥ったく」


「‥‥ふふ。わかった?おれは‥どこまでもきみを、信じてる」

「‥‥‥」

「きみの嘘に騙されていながら‥きみをどこまでも信じていることに、変わりないよ。琅‥」

「‥‥‥‥もう、いい。喋るな」

ふふ、と笑う翡翠。絶対に、わかってやってる。


「きみを信じて、騙される。
本当に騙されたと‥言えるのだろうか?」



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琅の嘘なら、いいよ。 

本当は嘘を好まぬきみだから。
『嘘つき』の姿に隠れた、本当のきみの姿。

本当はおれに忠実で、誠実で。

嘘なんか、好まない。

そんなきみのつく嘘は。

きっと何より、極上だろう。

ーおれへの愛が、詰まってる。


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コメント
ただの優しい嘘はきらい。何となく、軽い感じがするから。
でも、動機が、相手のことを想ってつく嘘なら、優しい嘘でも酷い嘘でもどちらでも、好きかも。

12/19/2024, 11:54:46 AM

寂しさ


最近は、以前に比べて、寂しさを感じることが減った

その理由は、人付き合いに、憧れや羨ましさが、なくなりつつあるから

感じるのは
「寂しさ」より、むしろ「うんざり」で


ここのところずっと、目にする人間関係は
他人を使って、自分の価値を証明し合う闘いだ


「他人に優しくされたら自分には価値がある」

その価値観が、性別年齢問わず、場のすみずみまで行き渡っているのを感じる


皆、他者の反応で、己の価値を決めるのだ

他者を使っての、マウントの取り合い

誰かに冷たくされる他者をみて、ばかにする空気は、心底嫌なもの


ほんともう、職場で何やってんの


お喋り大好きな女性たちが、男性陣と仲良くお喋りできて喜ぶのはわかる

でも
冷たくされたからって、落ち込む必要はないのにな


自分の価値は自分で決めること
冷たくされたら傷つくのは当たり前だけど
そこで追いすがることはせず、こちらから距離を置いたらいい


自分をぞんざいに扱う男性相手に
下手に出て、好かれようと振る舞う行為は
私からみて、女性そのものの価値を下げること


ねぇ
そんなことをしなくとも、あなたには価値がある

皆が皆、そう思えたらいい


女性の価値は、男性に好かれるかどうかではないし
そのように振る舞うことで、かえって女性たちは自信をなくしているようにみえる


他人を使っても、結局、自分の価値を証明することなんか、できないのだ


自分の価値を証明するのは、自分だけ
私にとっては、自分の正しいと思う行為を、堂々と行うことこそが、自分を証明することだ

他人に自分の価値の判断を任せると
他人に振り回されることになる


私はまだ、「唯一無二」の意味を実感したことはなく
己を唯一無二と感じられたことは、ないけれど


己が己に向ける想いなら、もしかしたら唯一無二かもしれない

他者には自分の行動の意味が伝わらず
誤解されることが多々ある日常で


自分の想いをわかっているのは自分だけ
そして、自分が自分だけに向ける想いは、自分だけがわかる唯一無二のものだろう


それを己の価値と定めるならば

まさしく己の価値こそは、唯一無二かもしれない


自分が自分だけに向ける、自分への想い
私が定めた、私の価値


「私はこうこうこうだけど、こんな風に思っていて、私はそんな私が好きだ」


私情が多分に含まれた、それこそは
私だけが知る、「唯一無二」の私だ



最近、むしろひとりでいいや、と感じる毎日で
他者とはむしろ距離をとりたい


そのせいか寂しさも感じない日々だけど

私にとっては、良いこともたくさんあった


他者に影響されやすい私は
他者と距離を置くことで、かえって自分がみえてくる


人との交流も、温かいものなら欲しいかもだけど

もう少しの間、寂しさを感じない私でも、いいかもな




12/16/2024, 11:24:49 AM

風邪


「こどもが風邪をひいて熱を出したみたいで‥早退します」

申し訳なさそうに帰っていく同僚さん。
同僚さんを責める声はひとつもない。

当然だ。

人材育成を大切にする組織なら。
子育ての大切さは、わかるはず。

「小さな子」を育てることは、小さなことと思われがちだけど。
実際は、ひとりの人間を、育てること。

その責任と重圧は、どんなタスクよりも勝るかも。



「大丈夫ですよ。この仕事はやっておきます」


お大事に、と見送る皆。

この仕事は、私にもできること。

だから真実、大事ない。



◎じゃあ、その仕事がその人にしかできない場合は?

それはもう、その人がどちらを選ぶかが問題なのではなく。
システムが問題。

その仕事はその人にしかできない、その状況がまずいのだ。
組織はどんな状況でも、いつどの人が抜けても、個人に責任を背負わせてはならない。
常に数人備えておく、それが真実「出来る」組織でしょう?

「人手不足」これを恥じることなく口にする組織は、信用してはならない。
十分な人手を調達することは、組織の仕事。
足りていないと堂々と口にすることは、
「自分は仕事ができてません」と、言っているようなものでしょう?
「人手不足だから働け」これこそナンセンス。
自分の仕事不足を棚に上げ、体調不良等の正式な理由の退出を認めない。
つまり、組織が道理の通らぬ自分の尻拭いをさせているようなものです。


◎キャリアと子育て、どちらを選ぶ?
子育てもその人自身のキャリアである。
その問い自体が、ナンセンス。
真のキャリアウーマンorマンなら、両立こそを目指しなさい。両立を認めない会社ならこちらから切り捨てなさい。
仕事と子育てを両立できる、優秀なあなたなら、引く手あまたです。
そしてそれを選ぶ気概を、潰されない早いうちに、よその寛容な組織に移ってください。
組織の改革もいいけれど、時間をかければかけるほど、何よりあなたの気概が薄くなっていきます。
あなたに選択を迫り、どちらかの犠牲を強いる会社は、その選択肢しかない程度の器です。




仕事は大事、当たり前。
責任ある以上、自分の仕事を大事にしない人間は、みたことない。
同僚さんだって、申し訳なさそうに帰っていくからこそ、日頃の仕事ぶりが優秀だからこそ。
好感をもて、皆、快く、送り出すのだ。


仕事が大事なのは当たり前。
それでも、それよりも大事が目の前にあるから。
「大事ない」と言えるのだ。


それは大変だね。
こっちは大したことないよ。


皆、いつものように、物事の優先順位をみて、
大事を決める。


「子育て」自体の重要さ云々でなく。
状況や環境、そして皆のなかの「子育て」の重要さの認識で。
お母さんが責められるかどうかが決まる。



将来、未熟な社会人を世に出すなと責めるなら。


健全な環境で育つように、
早いうちからの協力必須です、社会の皆さん。


12/15/2024, 1:38:43 PM

雪を待ち、雪解けを待つ

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