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登場人物: 琅(ろう)と翡翠(ひすい)
      2人は幼なじみです。



「‥‥なぁ。なんで俺には、疑わない?」


琅の投げかけた疑問。
ずっと疑問だったそれ。

琅へは‥疑うことなく、やけにアッサリと騙される翡翠。嘘つきと知っていて尚、やけにアッサリと。

それが‥ずっとずっと、不思議だった。

何故、と。

勿論疑う時はあるにはある。
だがその時も、琅に尋ねて‥その琅の答えを信じる。
琅がたとえ黒を白と言い張っても。その答えを疑うことなくアッサリと信じる。‥それこそが嘘では、と思わずに。

警戒心の欠片も持たぬこいつ。
一度も不信を抱かなかった相手として‥琅は挙げられる。




「うぅん‥わかんないけど、もしかしたら」

翡翠は笑う。

「琅の嘘になら、騙されてもいいって思ってるのかもしれないね」

琅は瞠目し‥‥呻く。

「ずるいだろ、‥‥おまえ‥‥」

「え‥?」

そりゃずるいだろ、と思う。

「いや‥‥勘だよ?何となくの。
琅の嘘になら‥‥琅が選んだ嘘なら、おれにとっ       て正しいって思っちゃうのかな?わかんないや」

笑う翡翠。

「‥‥‥ったく」


「‥‥ふふ。わかった?おれは‥どこまでもきみを、信じてる」

「‥‥‥」

「きみの嘘に騙されていながら‥きみをどこまでも信じていることに、変わりないよ。琅‥」

「‥‥‥‥もう、いい。喋るな」

ふふ、と笑う翡翠。絶対に、わかってやってる。


「きみを信じて、騙される。
本当に騙されたと‥言えるのだろうか?」



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琅の嘘なら、いいよ。 

本当は嘘を好まぬきみだから。
『嘘つき』の姿に隠れた、本当のきみの姿。

本当はおれに忠実で、誠実で。

嘘なんか、好まない。

そんなきみのつく嘘は。

きっと何より、極上だろう。

ーおれへの愛が、詰まってる。


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コメント
ただの優しい嘘はきらい。何となく、軽い感じがするから。
でも、動機が、相手のことを想ってつく嘘なら、優しい嘘でも酷い嘘でもどちらでも、好きかも。

1/24/2025, 10:38:11 AM