雛朶

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8/16/2025, 5:02:38 PM

遠くの空へ

「元気にお過ごしでしょうか 私は今から旅立ちます。私はお国のために戦えて誇りに思います。どうか私を見守っていて下さい。」

空を高く舞う大きな大きな飛行物体から光を放つものが投下された。投下された後、その光が街全体に広がり街は原型を留めなかった。

井戸から水をくんで、残り少ない野菜とお米で皆が食べるご飯を作る。少ない少ない、ご飯でももうすぐ飛び立って行く人達はみな、美味しい、美味しい と言って満足そうに食べる。私はそれが不満で仕方がない。
これからこの人達は私たちの為に飛び立つ。でも命を削ってまで戦いに行く方々に少ない食料しか出せないのが私の人生で一番の後悔です。
彼らが飛び立つ少し前、飛行物体から大量の光が空から落ちてきた。あたりは光で大きく燃え、数少ない食料も全て燃え尽きてしまった。あたり数カ所が原型を留めていなく、草も焼けてなくなっていた。
その数日後彼は飛び立って行った。
飛び立つ兵士の家族の元にはもう戻って来ない彼からの手紙が届けられていた。まだ幼い彼が一所懸命書いた字は彼の成長が見られた。
よく考えればわかる事だ。大きな魚に小さな魚が近ずいて食われてしまうようなもんだ。勝てるわけがない。
でも彼らは′′お国のために′′命をかけて飛び立つ

戦争はあってはならない。家族、友人、恋人の為にも戦争は起こってはならないのだ。戦争があったことを、大勢の人が亡くなったことがあったことを語り継がなければならない。絶対に戦争を起こさない為に。

8/11/2025, 3:56:04 PM

こぼれたアイスクリーム

いつも通り朝起きて、リビングに向かおうとすると何時もならすぐ立って歩けるのに足に力がないように歩けなくて、動けなかった。
そこからお母さん、お父さん、お姉ちゃんの柚ちゃんが来て、立てない私をお父さんがおんぶをしてくれてそのまま大きい総合病院に連れていかれた。
病院で検査を受けたところ 脳血管障害 と診断された。

脳血管障害(脳卒中) とは

脳梗塞や脳出血などにより、急に手足が動かなくなることがあります。呂律が回らない、意識障害などの症状を伴うこともある病気

脳血管障害になり、私は2年間入院生活となった。
2年の間で私は全て失った気がした。
まず脳血管障害で急死する恐れがある事。
そして2年間で記憶が曖昧だったり、意識が朦朧として、まともし話せることができなくなったこと。
まともに話せないことがすごく大きかった。
高校2年生だったこともありまだ遊び盛り。
その遊び盛りの時期を入院生活で終わってしまった。

2年間の入院生活が終わりを迎え、私は家に帰ってきた。
「おぉ久しぶりの我が家」ふふっと嬉しさのあまり笑うと柚ちゃんが「笑ってないで早く入りな」と私を急かしてくる。まぁそんな所も柚ちゃんらしい笑
「ユズリハ」と書かれた部屋に入ると入院前よりは部屋がスッキリしていた。「おぉ片ずいてる。」感動して部屋を漁っていると私の入院中のノートが出てきた。
ノートには脳血管障害のことがびっしり書かれていた。
急に手足が動かなくなること。 急死する可能性がある事。そんなことがびっしり書かれていた。懐かしいなぁなんて思いながら、部屋を漁っていると友達との写真が出てきた。海に行ったり、遊園地行ったり、水族館でアイスクリーム食べたら私が落として食べられなかったなぁとか思い出を遡ると写真の上に雨がポツポツ私の目から降っていた。もっと青春したかったなぁとか色々考えて、私が病気じゃなかったらとか考えたり、沢山悩んだのを覚えてる。その日はお母さんの豪華なご飯を食べて久しぶりの部屋でぐっすり寝た。

友達が私が退院したことを知って、水族館に誘ってくれた。私を入れて3人。2年ぶりの水族館で私はテンションMAX 友達もテンションMAXでみんなでウキウキしながら魚達を見ている。イルカショーも見たし、くらげも、大きなタコだってみた。みんな最後はアイスクリーム食べようよなんて行って食べ物コーナーへ歩いていく。
うずまき型のアイスクリームを買って食べる時、私の手からアイスクリームが落ちた。友達は「えっ大丈夫!?」とか「どうしたの」とかすっごい驚いてた。
手がしびれてまともにアイスクリームなんて持てなくて、痺れが収まって来ると同時に、意識が遠のいて、倒れて行くのがわかった。周りの人が何か話しているが聞こえない。声を出したくても出せない。
「あぁこのまま死ぬのかな」って覚悟して、でも覚悟しきれなくて、そのまま意識を手放した。
次起きたのは病院のベットで友達2人ともお母さん達に囲まれて、お母さん達悲しそうな顔してて「そんな悲しい顔しないで」って言いたいけど声が出なくて、体も起こせない。あぁアイスクリーム食べたかったなぁ、前も落としちゃったから食べたかったんだけど無理だったなぁ、悔しい。お母さんに水族館の話したかったなぁみんなでイルカショー見たんだよとか言いたい。もっとみんなの隣にいたい。死にたくない。
そのまま意識がなくなって、同時に機会の音が聞こえた。あぁ死ぬんだなって思って怖さと悲しさが込み上げてきて、最後にお母さん達が手を握ってくれて温かさが感じられてもう悔いはアイスクリームぐらいかななんて思いながら私は長い眠りについた。

𝐹𝑖𝑛.


長い作品でしたが最後まで読んでいただきありがとうございます。このお話はフィクションです。実際脳血管障害で亡くなられている方がいらっしゃるかも知れませんがこのお話はフィクションであります。
この作品は私の一番感情を出して作った作品なので最後まで読んでいただけると幸いです。





8/7/2025, 6:02:08 PM

心の羅針盤

親は私よりも仕事を選ぶ。
友達は私よりも可愛くて、愛想がいい子を選ぶ。
でも私は私の心を無視して、周りを気にして、人間関係が崩れないようにバランスをとってきた。
親が仕事の愚痴を言おうが笑って促して全て聞いてきた。友達が私よりも他の子を選んでも見て見ぬふりをした。全てバランスを考えて生きてきた。
自分自身の声なんて無視。自分の意見なんて持ってませんみたいな顔してそこに立っているだけ。
′′心の羅針盤′′
ワクワクする感情を忘れずに自分自身の心を信じ、大切にすること。
私は真逆に感じた。
自分の意見を言わず、感情もあまり出さない。自分を信じれなくて毎日不安で仕方がない。
完全に自分の行く道を見失ってしまったのだ。
これからも自分は人間関係のバランスを考えて、バランスが崩れないように自分を必死に偽る。
心の羅針盤とは真反対なのだ。

8/6/2025, 6:49:47 PM


あるところに少し小柄なお姫様がいました。
明るくて、元気のある少女でした。
ところがある日お母様に「もう少ししたら赤い羽織りを着たおばあさんが来るわ。そうしたらドアを開けてちょうだい。りんごをくれるわ。」
伝言を少女に伝えるとお母様はふわりとしたドレスを来て、薄く切った木を丸くして鞄の形にした物を手に取り、上機嫌に出ていった。
少女は赤い羽織りを着たおばあさんがくるまで庭で本を読んでいようと庭に出て大きな木の下で本を読んでいた。
すると、何処からか、「おーーい、りんごを届けに来たよ〜開けておくれ」と言う少し低めの声が聞こえた。
少女はおばあさんが来たのだと思い、「はーーい今行きます!!」と元気に答えた。
ドアを開けると黒い羽織りを着たおばあさんがりんごを持って待っていた。
少女は赤い羽織りでは無かったがりんごを持っていたのでこのおばあさんで間違いないと思いました。
おばあさんは少女に「このりんごは真っ赤だろ?だから美味しいんだ。すぐに食べないと美味しさが薄れてしまう。薄れる前にお食べ。」真っ赤なりんごを少女に見せ、少女にひとつ手渡して少女に今食べるよう、促した。少女は一口かじると口の中に甘い味が広がり、あまりの美味しさに少女はもう一口かじってしまった。
その時おばあさんはニマニマとなにか企んでるかのような表情をしながらりんごを少女に全て手渡した。
「お母さんと一緒に食べるんだよ、」「うんわかったよ!!」ニマニマとしながらおばあさんは少女に背を向けてゆっくり歩き出した。「おばあさんありがとう!!またどこかで会おうね!!」おばあさんは気づかない振りをして、ゆっくり帰っていった。
少女はりんごて作れるスイーツを考えながらりんごを頬張った。すると、鼻からりんごの様に真っ赤な液体が垂れてきた。血だ。どんどんどんどん血が出てきて、咳き込むと同じ真っ赤な血が出てきた。少女の意識はどんどん離れていき、最後には倒れてしまった。
倒れたまま少女は息を引き取った。
そう、りんごには毒が仕込まれていたのだ。
その後赤い羽織りを着たおばあさんが来て、丁度お母様も帰ってきた。お母様は少女の死に凄く悲しんでいた。

少女のまたは来ることが二度と無かった。

7/28/2025, 5:34:33 PM

虹の始まりを探して

大雨が降り終わった後、
公園にある遊具の滑り台で座りながら虹を二人で
眺めていた。
「虹の始まりってどこ?」「わかんない」
平凡な会話を繰り返し、齋藤菜乃が虹の果まで行ってみようと言い出した。
田舎に住んでいたものですから1時間ぐらい電車に乗って、虹の先端を目指して歩み出した。
1時間が経過して、電車が「虹白駅」に到着した。
少し歩いて行くと、周りは田んぼで少し霧がかってる。
田んぼの横にあるほっそい道を慎重に歩いてゆく。
歩いてゆくと、虹の先端が見えて、霧と虹が混ざりあっていて、天国みたいな雰囲気をかもし出していた。
駅の名前の通りの光景だった。
幸せに囲まれているような感じの虹の始まりだった。

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