もしも過去へと行けるのなら
君にもう一度会いたいね。
それでまた告白をして付き合って貰いたい。
そんな願いも叶うはずもなく、君のお墓へ手を合わせる
テーマ もしも過去へと行けるのなら
真昼の夢
少し気が抜けていたんだ。
今にも綱から落ちそうで、それを安定させようと
体が必死に冷静を装う。
いつも気が張っていて、綱渡りをしているような日々。
気を抜いたら綱から落ちてしまいそうでいつも冷静に、
気を常に張って生きてきた。
昼間に少しだけ寝ようと思って、リビングのソファで
ゆったりしながら眠りについた。
夢を見たんだ。綱の上で、今にも落ちそうにグラグラ揺れている。 夢なのにリアルで冷や汗までかいている。
でも前とは違って、心が暖かいのだ。
新しい出会いもあって、その人がリラックスさせてくれる。謎の緊張感から抜け出せてくれる。
だから綱渡りが少し怖くなくなった。
リラックスし過ぎたのだろうか、綱から落ちてしまった。
でもそこの下は自分が想像していたものより、はるかに綺麗で天国みたいで素敵だった。
ずっとここに居たいと思えたのだ。
そしてそこで彼が手を差し出してくれて気持ちが晴れた気がした。
自分はここに、この人とずっと居たいと思えたのだ。
そこで目を覚ました。
もう日が沈んで来ている。
悪夢を見たような重たい体ではなく、凄く軽くなった体だった。
いい出会いができた。
そこでニコニコしている彼に出会えたよかったと思う。
2人だけの
2人だけの時間も魔法が溶けたら無くなっちゃうね。
君は行かないとだね。グッバイ愛しい日々
僕の中でおやすみ
「幸せに」他人事みたいに言うんだ。
グッバイ愛しい君。また何処かで
僕と君の魔法が解けたね。またどこかでね。
′′ゴーンゴーン′′
魔法が解ける合図の12時で君と僕は会えなくなったね。
Saucy Dog の魔法が解けたらを少し参考にさせて頂きました。
夏
今年の夏は溶けそうなくらい暑かった。
地球温暖化で日本、いや世界中が暑さにやられていた。
小柄で顔が整った女性がいた。大きなビルの中の角で彼女は美容師として働いていた。そこそこの人気があり、女性も、高齢者も誰一人例外なくお店に来店していた。
そこの店員の1人が小柄で整った顔の女性なのだ。
名前は 天内 柚葉 美容院で働く22歳
楽しく働いていくごく普通の女性、だと思われている。
だが彼女には誰にも言えない秘密がある。
それは、万引き。
誰もが知ってる万引きだ。
コンビニで食べ物を大量に盗み、それを食べて、食べて、食べ続けて、胃が苦しくなるまで食べ続けて、苦しくなって、もう胃に入らない所まできたら吐く。
これを5ヶ月柚葉は続けていた。
5ヶ月たった頃には顔がぐったりしており、何度も何度も吐き続ける事で、胃酸で歯が溶け始めた。
その状態でも美容院にはしっかり出勤し、仕事をした。
でも周りからは心配の声と彼女への恐怖が混ざりあっていた。彼女の見た目はボロボロのホームレスのようで、生きているのか判断がつかないほどだった。
その状態だとお客さんも怖がり予約がどんどん減っていっていた。この状況はいけないと思った店長は彼女に休みを取らせた。
休みを取らされた柚葉は何もする事がなく、ただただ万引きを繰り返していた。そして吐く行為を繰り返し、歯はボロボロ、遂に栄養失調で倒れてしまった。柚葉は一人暮らしなので誰も助けてくれる人は居ない。
そんな中で柚葉はボロボロの歯を剥き出しにして、ぐったりした顔を無理矢理上げて、笑みを作った。
そのまま彼女はボロボロの状態で死を迎えた。
その彼女を見つけたのは死亡してから約2週間後で、暑い中、2週間も放置してあった死体からは生魚が腐ったような臭いが彼女からしており、目は充血し、歯は何個か抜け落ち、髪もボサボサな状態だった。
そんな彼女に警察も躊躇し、親も居ない柚葉は葬式もして貰えず、ひとり、孤独に亡くなってしまったのだった。
あの日の景色
大きな音と大勢の人の声が私の耳に入ってくる。
自分で選んだ浴衣とお友達に可愛くしてもらった髪型。
彼は私のペースに合わせて歩いてくれている。
屋台が並んでいて、奥に行くにつれて
多くの屋台が目に入る。
「りんご飴美味しいっすね」
女の子と初めて来たみたいでソワソワしている彼
わんちゃんみたいで凄く可愛い。
ぶっきらぼうだけどちゃんと私のことを気にかけてくれていく所が好き。
「ねぇね、そろそろ花火始まっちゃうね」
「今年は一緒に見れるね」
顔を赤く染めて首を縦に振る彼
思わずふっと笑ってしまった。
奥に歩いていって、少し曲がると、花火が綺麗に見れる、穴場スポットがあるのだ。
ここは彼が見つけてくれた。2年前もここで見て、凄く綺麗に見れていたことを思い出しながら、思い出に浸っていると、バンッ と大きな音がして花火が始まる。
ゆっくり綺麗な花火が舞っている。
彼と手を繋いで花火を見た時の景色は忘れない。
また来年もこの不器用だけどかっこいい彼と来れるよう願っている。