雛朶

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あの日の景色

大きな音と大勢の人の声が私の耳に入ってくる。
自分で選んだ浴衣とお友達に可愛くしてもらった髪型。
彼は私のペースに合わせて歩いてくれている。
屋台が並んでいて、奥に行くにつれて
多くの屋台が目に入る。
「りんご飴美味しいっすね」
女の子と初めて来たみたいでソワソワしている彼
わんちゃんみたいで凄く可愛い。
ぶっきらぼうだけどちゃんと私のことを気にかけてくれていく所が好き。
「ねぇね、そろそろ花火始まっちゃうね」
「今年は一緒に見れるね」
顔を赤く染めて首を縦に振る彼
思わずふっと笑ってしまった。
奥に歩いていって、少し曲がると、花火が綺麗に見れる、穴場スポットがあるのだ。
ここは彼が見つけてくれた。2年前もここで見て、凄く綺麗に見れていたことを思い出しながら、思い出に浸っていると、バンッ と大きな音がして花火が始まる。
ゆっくり綺麗な花火が舞っている。
彼と手を繋いで花火を見た時の景色は忘れない。
また来年もこの不器用だけどかっこいい彼と来れるよう願っている。

7/8/2025, 3:58:39 PM