雛朶

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あるところに少し小柄なお姫様がいました。
明るくて、元気のある少女でした。
ところがある日お母様に「もう少ししたら赤い羽織りを着たおばあさんが来るわ。そうしたらドアを開けてちょうだい。りんごをくれるわ。」
伝言を少女に伝えるとお母様はふわりとしたドレスを来て、薄く切った木を丸くして鞄の形にした物を手に取り、上機嫌に出ていった。
少女は赤い羽織りを着たおばあさんがくるまで庭で本を読んでいようと庭に出て大きな木の下で本を読んでいた。
すると、何処からか、「おーーい、りんごを届けに来たよ〜開けておくれ」と言う少し低めの声が聞こえた。
少女はおばあさんが来たのだと思い、「はーーい今行きます!!」と元気に答えた。
ドアを開けると黒い羽織りを着たおばあさんがりんごを持って待っていた。
少女は赤い羽織りでは無かったがりんごを持っていたのでこのおばあさんで間違いないと思いました。
おばあさんは少女に「このりんごは真っ赤だろ?だから美味しいんだ。すぐに食べないと美味しさが薄れてしまう。薄れる前にお食べ。」真っ赤なりんごを少女に見せ、少女にひとつ手渡して少女に今食べるよう、促した。少女は一口かじると口の中に甘い味が広がり、あまりの美味しさに少女はもう一口かじってしまった。
その時おばあさんはニマニマとなにか企んでるかのような表情をしながらりんごを少女に全て手渡した。
「お母さんと一緒に食べるんだよ、」「うんわかったよ!!」ニマニマとしながらおばあさんは少女に背を向けてゆっくり歩き出した。「おばあさんありがとう!!またどこかで会おうね!!」おばあさんは気づかない振りをして、ゆっくり帰っていった。
少女はりんごて作れるスイーツを考えながらりんごを頬張った。すると、鼻からりんごの様に真っ赤な液体が垂れてきた。血だ。どんどんどんどん血が出てきて、咳き込むと同じ真っ赤な血が出てきた。少女の意識はどんどん離れていき、最後には倒れてしまった。
倒れたまま少女は息を引き取った。
そう、りんごには毒が仕込まれていたのだ。
その後赤い羽織りを着たおばあさんが来て、丁度お母様も帰ってきた。お母様は少女の死に凄く悲しんでいた。

少女のまたは来ることが二度と無かった。

8/6/2025, 6:49:47 PM