灰田

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7/9/2024, 10:39:18 AM

「私の当たり前」

今日も当たり前に太陽は沈み、夕焼け焼ける!
…でも、いつか太陽が無くなれば、夕暮れも無くなる。

ご飯はいつもおいしい!!とは限らない。
悲しいことがあれば、味なんてすぐわからなくなる。

いつも氣分良く絶好調、だったらいいな。
だけど、私けっこうそそっかしいから、
いつも絶好調だったら、いろいろ見落としちゃうかもしれない。
走ってる時と歩いてる時とじゃ、景色は違うから。

ご飯がおいしく感じられない日があってはじめて、
人が「食べても味がしない」って言ってたのが、こういうことかってわかった。

「目の前が暗くなる」ってほんとに薄暗くなって、照明暗いの?…って思うんだなって、わかった。

当たり前に思ってたいつもの感覚が、ちょっとのことで当たり前じゃなくなるんだなって思った。

冬に、階段踏み外してコケたとき、すごい厚着だったから怪我は無かったんだけど、もうちょっと違う場所を、もうちょっと強くぶつけてたら、
体の骨バラバラに外れてたかも…って、骨の軋みを感じた。ギシギシした。

当たり前って、絶妙なバランスの上に成り立ってるんだなと思う。
まさに、有り難し。有り難う…上手いこと言うな~日本語。(゜.゜)

地上に水があるバランス。
そもそも地球があるバランス。
なぜ星空を堪能出来るのか、のバランス。

私たちはけっこうすごい花形ピエロで、綱渡りのバランスを無意識に取りながら、
「当たり前よー🎉」って言ってて、

でもたまには謙虚に、「ありがたきしあわせー💖」
ってちょっと思うのも、いいかもしれないなー。





7/8/2024, 10:25:21 AM

街の明かりが灯る頃、目を覚ますのは

風邪をひいて寝ていた子。

こんな時間までぐっすり寝ちゃったよ…

でも、いくらでも眠れて

眠って覚めたらちょっとずつ

頭が痛いのが治ってる。

お母さん、いないな。どこに行ったのかな?

シーン…としたなかで

コンコン! …咳をする

もうちょっと、休もうか…ふとんに潜って

ぎゅっと目をつむり

ふ~っと息をつく。


もう少ししたらきっと、ゼリーやくだものの缶詰買って、お母さんがかえって来る。

街の明かりが灯る頃、
夜がやって来るまえに

玄関開けるカギの音が、ガチャガチャって鳴るよ。

…もうすぐだよ。








7/7/2024, 11:10:26 AM

「七夕」

昔、住んでいた家の近くに笹群があった。
夜にその辺りを歩くと、サラサラサラ…って
風が笹を揺らす音だけが聞こえてくるのが、
なんか怖くて嫌だって、母は言っていた。

私が眠る時もその音は鳴った。
サラサラサラサラ…って音を聞きながら、眠った。

ある日突然、その笹群は無くなった。
切られて地面はコンクリートで固められた。

母は良かったと笑った。
私は、何も思わなかった。

その夜、私は夢を見た。夜の笹群に、

サラサラサラ…と歌う笹に、赤や橙、青や翠、
いろんな色の丸い灯りがふわふわと灯って、
風が強く吹いて、サラサラサラ…
重なって涼やかな鈴の音までが聴こえてきて、シャラシャラシャラ……

「きれいだなぁ、七夕みたいだ」って私が呟いたら、

フッとぜんぶの灯りが夜空ヘ飛びたってゆき…

ふわふわと笹と私から、灯りは離れて、最後の灯りも何処かヘ消えて、真っ暗になって、

…目が覚めた。

7/6/2024, 10:30:16 AM

「友だちの思い出」

「友だち」って決まってるわけじゃない、ただの知ってる人。
「友だち」って言葉に当てはめるのが、あまり好きじゃない。
「友だち」、なんて思う前に好きだなって思ってるのに、どうして二段階認証みたいに「友だち」って確認しなきゃいけないのかな?
そんな手続きが必要なら、友だちなんて面倒なだけ。

要は…気付いたらもう友だちだった、ってのがいいのかな…ってことだけど………
そんな、忍び入る忍者みたいなことばかり期待するのもね…?

夏の光の中で一緒に遊んで、楽しかったのを覚えている。
でも、あの子が友だちだったかなんて、考えるのは嫌だ。

本当に心が触れた友だちはもしかしたら、
あの子じゃなくて、たった1日だけ、
手を取り合った、あの子だけだったのかな。

とか考え出しもするし。…よけいなことだよね。
私はただ、

夏の光の中のあの子と、
たった1日だけのあの子のことを、

出来るだけダイレクトに感じたいだけ。

「友だち」という言葉は邪魔だ。
それが親愛ではなく、「領域」を現すものならば。

一瞬間目の前にいる人を、私の「領域」や「友だち」という認識以前に感じとりたい。
対したい。








7/5/2024, 10:32:22 AM

星空を見上げて、遠い昨日を思えば、

銀河の渦巻きの中にぜんぶの時間が保管されてて、
何ひとつ失われてなんかいなかった、って氣付く。

時は一直線に流れず、螺旋状に満ち足りる。

私は、銀河の渦巻きを小さくして手のひらに包みこんで、
カバンに入れて持ち歩く。

何ひとつこぼさない油滴天目の器に、
私の時も思いも満たして、カバンに隠して、
旅を続ける。

………どこまでも。


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