星空を見上げて、遠い昨日を思えば、銀河の渦巻きの中にぜんぶの時間が保管されてて、何ひとつ失われてなんかいなかった、って氣付く。時は一直線に流れず、螺旋状に満ち足りる。私は、銀河の渦巻きを小さくして手のひらに包みこんで、カバンに入れて持ち歩く。何ひとつこぼさない油滴天目の器に、私の時も思いも満たして、カバンに隠して、旅を続ける。………どこまでも。
7/5/2024, 10:32:22 AM