木綿

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11/5/2023, 9:44:47 AM

この朱、紅生姜天みたいやない?
真っ赤な鳥居の下、舞い散る紅葉に君がわらう。
けらけらと、からからと。
どこか遠いところをすでに見つめる君はきっと。
自分の先を、知るのだろう。
明日からの未来を知るのだろう。
ああ、どうか愛しいきみと。

ふたたび、ここに来る未来を。

哀愁をそそる

10/6/2023, 11:06:10 AM

よく泣いて、よく笑って。
晴れの日も、雨の日も、いつも。気付けばそばにきみがいた。
そして気付けば彼もまた。


今日のきみは、人生でいちばん美しいよ。
せかいでいちばんの、せかいでゆいいつの。
ぼくの愛おしいひと。

この笑顔がいつまでも、そこにありますように。

「過ぎた日を想う」

10/3/2023, 6:48:20 AM

幼き日の思ひ出、畳の匂い、揺れる稲穂。
つないで、つないで、つむいで、つむいで。

遺伝子とかDNAとか、そんなもの理解していないような時代から。続いてきたんだろう。

でも式に表せないんだよ、記号にならないんだよ。

長い休みに訪れる非日常。
きれいな、見慣れない景色。
親と重ねる、愛おしいものを見つめる瞳と頭を撫でる手の重み。
愛されて、いたんだね。愛されて、いるんだね。

だからお願い。今度は昔話じゃなくて、ぼくが話すよ。
手を繋いで、散歩にいこう。
ぼくの大切な人をそだてた、かけがえのない人よ。

その瞼をあげて、もういちど光を。


「奇跡をもう一度」

10/1/2023, 12:53:17 PM

夕焼け小焼けで日が暮れて。
田舎町は定刻になるとサイレンが響いた。
昼は昼の、夕暮時には夕暮の。

ブランコに座って、伸びた自分の影を見つめた。

帰っていく子供達の声。家路を急ぐ足音。自転車の車輪。
どんどん遠くなって、太陽は空へ溶けて星を迎えに行く。
何となく漕いだ勢いでふわりと着地した僕は、ぼんやりゆっくり帰路に着いた。

昔迎えに来てくれた手のぬくもりを思い出しながら。


「たそがれ」

9/29/2023, 5:08:05 AM

2人きりの帰り道。
もう夕暮れが綺麗に全てを紅く染めて。
何となく話しながら、ゆっくり歩いて、とりとめなく話した。
まだもう少し。
そう思っても足と共に道も進む。

あ、ちょっと。

そう言って足を止めたきみは、ぼくの耳元に。
寄せたくちびるを頬に軽く当てた。

またあした

逆行に隠したきみの顔と、陽に照らされた僕の頬は。
あつく、あかく。
柔らかなしあわせを映していた。


「別れ際に」

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