木綿

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夕焼け小焼けで日が暮れて。
田舎町は定刻になるとサイレンが響いた。
昼は昼の、夕暮時には夕暮の。

ブランコに座って、伸びた自分の影を見つめた。

帰っていく子供達の声。家路を急ぐ足音。自転車の車輪。
どんどん遠くなって、太陽は空へ溶けて星を迎えに行く。
何となく漕いだ勢いでふわりと着地した僕は、ぼんやりゆっくり帰路に着いた。

昔迎えに来てくれた手のぬくもりを思い出しながら。


「たそがれ」

10/1/2023, 12:53:17 PM