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3/22/2026, 1:12:16 PM

前略
さて、本日は何故このように貴方へ宛てて筆を執りましたのか、その訳をここにしたためてみようと思います。

私は昔より、自らの想いを言の葉に乗せることを不得手としておりました。
殊に、好意などというものは、どうにも上手く伝えられぬものでございます。語彙の乏しさもさることながら、何より、この想いを受け取った貴方が、どのように感じられるのか。それが恐ろしくてならなかったのです。

けれども、貴方と時を重ねるうち、拙いながらも、この胸の内を言葉にしたいと願うようになりました。
貴方はいつも、丁寧に想いを綴ってくださいますね。
その一つ一つに、私は心を弾ませ、まるで子供のように舞い上がってしまうのです。

それに引き換え、私はと言えば、言葉を紡ぎながらもなかなか差し出すことが出来ず、幾度も貴方をお待たせしてしまいました。申し訳なさと、不甲斐なさとで、胸がいっぱいになることもしばしばでございます。

しかしながら、貴方と一生を共にしたいと決めた身でありながら、想いを伝えられぬなど、何とも馬鹿げた話でございましょう。そう思い至り、せめて少しでも言葉に慣れようと、こうして筆を取った次第にございます。

このように書き連ねるうち、以前よりは幾分か、素直な気持ちをお届け出来ておりますでしょうか。
ほんの僅かでも前へ進めているのなら、これほど嬉しいことはございません。

けれども、近頃ふと気付いてしまったのです。私はどうやら、想いを伝えること以上に、人を励ますことの方が苦手なのではないかと。

これまで私は、人に励まされることこそ多くあれど、誰かを励ます側に立つことは、あまりございませんでした。いざ貴方を元気づけたいと願っても、どのような言葉を選べばよいのか分からず、ただ立ち尽くしてしまうばかり。

情けないことに、そのような自分に落ち込んでしまう始末です。まこと、馬鹿みたいでございますね。貴方を励ましたいはずの私が、先にしょげていては本末転倒だというのに。

無理に言葉を探すのも違うような気がして、けれど何も出来ぬのももどかしくて。結局のところ、貴方の傍らで、同じ時を過ごしながら、少しずつ学んでいくより他に術はないのでしょう。

斯様に長々と書き連ねておりますと、また話が逸れてしまいましたね。これもまた、私の悪い癖にございます。

近頃の貴方は、どこか心沈めておられるようにお見受けいたしました。ささやかでも、お力になれればと願っておりますが、今はただ、静かに寄り添わせていただきたく存じます。

それでは、またお逢い出来る日を心待ちにしております。
草々

3/21/2026, 11:44:37 AM

拝啓
春の気配もいよいよ濃くなり、心浮き立つ折柄、貴方はいかがお過ごしでしょうか。

さて、近頃の私と申しますと、小説を読み漁る日々を送っております。
本日手に取りました一冊の中に、創世記の一節が引かれておりましたの。記されていたのは別の物語にございましたけれど、創世記と申せば、やはりアダムとイヴのことが思い浮かびますよね。

楽園にただ二人きり。
それは、いかなる心持ちでございましょうか。
二人ぼっちが当たり前の世界にあっては、恋慕の情もまた、互いにのみ向けられるほかございません。悋気に胸を焦がすこともなければ、他の誰かへ心移ろうことも叶わぬのでしょう。

それはそれで、どこか味気なく思えてしまうのは、私が浅はかゆえでございましょうか。
何でも恋の話へと結びつけてしまう私を、どうぞおかしな者だとお笑いくださいませ。

けれどもし、貴方と二人ぼっちになってしまったならば…それもまた、ささやかな楽しみを見出せるのかもしれません。

とは言っても、やはり私は、貴方と共に他愛もない語らいに興じ、折々の美しい景色を眺めながら歩むひとときが、何よりも愛おしく感じるのでございます。
人の往き交う中で、離れぬようにと手を引いてくださるあの温もりも、駅の雑踏の中より貴方のお姿を見つける刹那も、その一つ一つが、かけがえのない宝なのでございます。

ゆえに、やはり二人ぼっちというのは、少しばかり寂しく感じますね。
けれども、貴方と共に生きてゆくこと、それ自体は、何よりの望みでございます。

本日はつい取り留めもなく筆を進めてしまいました。
日々のささやかな時を大切に。
その思いを胸に、この便りを結ばせていただきます。
敬具

3/20/2026, 11:56:42 AM

拝啓
桜の蕾もようやくほころび、どこか恥じらうように春を告げております。貴方はお変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。

この頃は、夜の静けさがいっそう深く感じられてなりません。まるでこのひとときが夢の中にあるかのようで、燈火の揺らぎを見つめておりますと、現と夢の境がわからなくなってしまいそうでございます。

今の私は、言いようもなく満ち足りております。あまりの幸せに、これが夢ではないかと疑ってしまうほどでございます。けれどそれゆえに、ふとこれは夢なのではないかと、胸が少しだけ騒いでしまうのです。

貴方とお会いしている折には、どうしてこんなにも心がやわらぐのでしょう。何でもないお話さえ楽しくて、つい時の経つのを忘れてしまいます。
だって、貴方と共にあるひとときは、少しも退屈などしませんもの。

この時が永久に続けばいいのにという想いを抱くのは、少しばかり幼いことでしょうか。それでも、貴方の隣にいられることが、何より嬉しいのでございます。

けれども時折、この幸せがふと消えてしまうのではないかと、怖くなることがございます。
貴方と過ごした日々も、交わしたお言葉も、春の花びらのように、はらはらと散ってしまうのではないかと。
ほんの少しだけ、心細くなるのでございます。

されど、夢であろうと現であろうと、貴方をお慕いするこの気持ちだけは、偽りのないものと信じております。

もしもこの現世が夢であるのならば、どうか醒めるその時まで、貴方のお傍にいさせてくださいませ。
叶うことなら、あとほんの少しだけ。
貴方の隣で、同じ時を重ねてゆけましたなら、これ以上の幸せはございません。

やがて朝が訪れ、この夜が終わりを告げるとしても、その時まで、どうか私の手を離さずにいてくださいませ。

そしてもし、夢から醒めたその後も、貴方が隣にいてくださるなら、これ以上の幸せはありません。

どうかこの夢が、やがて現となりますように。
敬具
追伸
日々懸命に歩まれている貴方に、「頑張ってくださいね」と申し上げるのは、いささか差し出がましいようにも思われます。
けれど、貴方様のご努力は、いつもこの胸に確かに映っております。
どうかご無理なさらず、それでもなお、貴方様らしく歩んでいかれますよう、心よりお祈り申し上げております。

3/19/2026, 11:46:35 AM

拝啓
春風もやわらぎ、心なしか日差しの温もりに胸ほどける頃となりました。貴方はいかがお過ごしでいらっしゃいますか。

連絡の知らせが届くたび、もしや貴方ではないかとつい急いで確かめてしまうのでございます。違っていた時は少しだけしょんぼりしてしまうのに、貴方のお名前を見つけた途端、すぐに頬が緩んでしまうのですから、われながら単純でございますね。

このようにすぐ言葉を交わせる時代におりますことを、ありがたく思います。もし時代が違っておりましたなら、歌などを詠み交わしておりましたのでしょうか。
けれども私にはそのような才もなく、すぐに貴方に呆れられてしまいそうでございますね。

貴方は言葉を選ばれるのがお上手でいらっしゃいますから、さぞや他の方々からも慕われておいででしょう。
そう思うと、ほんの少しだけ面白くない気持ちになってしまうのです。子供のようでお恥ずかしいのですけれど…どうか今しばらくは、私だけを見つめていてくださいね。

たったひとつの通知でさえ、このように胸が高鳴ってしまうのですもの。われながら、なんとも可愛らしいことでございますね。けれど、この鼓動は未だに静まることを知らず、貴方を思うたびに早まるばかりでございます。

本当は、私からも折々に文を差し上げたいと思っておりますのに、言の葉の綴り方が分からず、つい筆をためらってしまいます。もししばらく便りが届かぬ折には、どうかほんの少しだけお目こぼしくださいませ。

このように胸を騒がせておりますのに、いざお目にかかる折には、どれほど心が乱れてしまうのでしょう。
考えるだけでも可笑しな心地が致します。

またお逢いできる日を、指折り数えてお待ち申し上げております。
敬具

3/18/2026, 11:06:36 AM

拝啓
本日もこうして貴方にお手紙を差し上げられること、ささやかながら嬉しく思っております。今日一日は、どのようにお過ごしでいらっしゃいましたか。

遠く離れている間は、時の流れがひどくゆるやかに感じられ、一刻さえも長く思えてしまいます。けれど、ひとたび貴方と同じ時を過ごせば、その時間はまるで溶けるように過ぎてゆき、あっという間に手の届かぬところへ行ってしまいますね。

時というのは、まったく思い通らないものでございますね。幼い頃に聞いた物語の妖精たちが、どこかでこっそり悪戯をしているのではないかと、つい考えてしまいます。もしそうでしたら、少しくらいはこちらの願いも聞き届けてほしいものです。

本当は、ずっと貴方のお傍にいられましたなら、時のことなど気にせず、ただ穏やかに過ごしていられるのにと、そんなことを思ってしまいます。

それでも、別れの折にふと見せてくださる、あの寂しげなお顔は、思い出すたびに、どうにも愛おしく感じられてなりません。
離れる時間はやはり好きにはなれませんが、あのようなお顔は滅多に拝せぬものですから、不思議と嫌いになりきれずにおります。

願わくば、その別れもほんのひととき…お仕事の合間の時間や、数日ほどお会いできぬくらいであればと、つい現実にはならぬ夢を思い描いてしまいます。

こうして毎日お手紙をしたためておりますと、貴方を想う時間ばかりが増えてゆくようで、少し可笑しくもあり、また幸せにも感じております。

どうか本日もお健やかにお過ごしくださいませ。
また明日もこうして筆を取れますことを、心より願っております。
敬具

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