拝啓
本日もこうして貴方にお手紙を差し上げられること、ささやかながら嬉しく思っております。今日一日は、どのようにお過ごしでいらっしゃいましたか。
遠く離れている間は、時の流れがひどくゆるやかに感じられ、一刻さえも長く思えてしまいます。けれど、ひとたび貴方と同じ時を過ごせば、その時間はまるで溶けるように過ぎてゆき、あっという間に手の届かぬところへ行ってしまいますね。
時というのは、まったく思い通らないものでございますね。幼い頃に聞いた物語の妖精たちが、どこかでこっそり悪戯をしているのではないかと、つい考えてしまいます。もしそうでしたら、少しくらいはこちらの願いも聞き届けてほしいものです。
本当は、ずっと貴方のお傍にいられましたなら、時のことなど気にせず、ただ穏やかに過ごしていられるのにと、そんなことを思ってしまいます。
それでも、別れの折にふと見せてくださる、あの寂しげなお顔は、思い出すたびに、どうにも愛おしく感じられてなりません。
離れる時間はやはり好きにはなれませんが、あのようなお顔は滅多に拝せぬものですから、不思議と嫌いになりきれずにおります。
願わくば、その別れもほんのひととき…お仕事の合間の時間や、数日ほどお会いできぬくらいであればと、つい現実にはならぬ夢を思い描いてしまいます。
こうして毎日お手紙をしたためておりますと、貴方を想う時間ばかりが増えてゆくようで、少し可笑しくもあり、また幸せにも感じております。
どうか本日もお健やかにお過ごしくださいませ。
また明日もこうして筆を取れますことを、心より願っております。
敬具
3/18/2026, 11:06:36 AM