kiliu yoa

Open App
12/28/2024, 12:16:30 PM

It's snow.

Really,snow.

lot of snow.

We really got a lot of snow.

Come on, what shall we do to play?

12/27/2024, 11:48:08 PM

私には、ふたりの母が居る。

ひとりは、産みの母。

もうひとりは、育ての母。

産みの母たる実母は、今思うと、大和撫子のような人だった。

私は、朧げで僅かながら、実母の姿を憶えている。

いつも父の三歩後ろを歩き、上品な着物姿に白い日傘を差しており、

いつも優しく私の手を握り、いつも優しく私を抱きしめてくれる、

その手には白いレースの手ぶくろをしていた。


育ての母たる継母は、朝顔の斎院ような人だった。

私たち前妻の子を実子のように、継母は心から愛し寄り添ってくれた。

とても教養のある聡明な人で、いつも冷静さと敬意と一線を忘れず、

少しの言葉と多くの行いで、私たちを導いてくれた。

実母のように抱きしめてくれることは無かったけれど、

不安な時は、いつも手を握ってくれた。

その手には、いつも実母の遺した、白いレースの手ぶくろをしていた。


実母と継母、ふたりの母から沢山の愛情を与えらて育った。

この白いレースの手ぶくろは、今では黄みがかった白色と変わり、

レースの手ぶくろは、妻が大切に使ってくれている。


改めて、妻と生涯をともに出来て、本当に良かった。

妻が帰ってきたら、そう伝えようと想った。




















12/24/2024, 3:29:52 PM

わたしは、夫を見る。

夫との関係は、正直、微妙だ。

家の都合で、結婚した人だということも有るかもしれない。

わたしは、それを望んだから結婚したのだけれど、

夫は、どうやら違ったらしい。

折角のクリスマスでさえ、わたしたちは会わなかった。

しかし、今年は異なる。

何故か、今年は共に過ごす方がいないそうだ。

だから、わたしと過ごすらしい。

当たり障りの無い、会話と食事を済ませる。

もう子供は、いる。

だから、夫に用は無い。

養育費も頂いている、子供にも丁寧に父として接してくれる。

ならば、もうこれ以上は望まない。

何もかも欲する妻では、在りたくない。

「じゃあね、ちゃんとごはん食べるのよ。」

わたしは、夫にそう伝える。

「うん、ちゃんと食べるよ。」

夫は、わたしと目を合わせた。

いつぶりだろうか、夫の目を見たのは。

夫は、わたしの唇に口吻をした。

「またね。」

この口吻は、どんな意味があるのだろうか。

色恋に疎い、わたしには口吻の意味が分からず、

「また、来年。」

と、返した。




12/22/2024, 2:06:31 PM

「おばあさま、今日は大変芳しい香りがいたしますね。」

ゆっくり、はっきりと話しかける。

「ええ、柚子の香りでしょうね。」

おばあさまも、ゆっくりとお話しを続けました。

「わたくしは、昔、柚子の花と呼ばれたものです。」

懐かしそうに目を細められました。

「ふふ、見た目は控えめでも、柚子の花は芳しい香りを持ちますでしょ。

 柚子のように中身の薫る人と成りなさい。と、母は仰っていました。」

それはそれは嬉しそうに、おばあさまらお話しになられました。



 

12/20/2024, 7:09:36 AM

「父さま、お伝えしたいことがあります。」

「なんだ。」

私は、喉の渇きを少しでも癒すために唾液を飲み込んだ。

「私は家を離れ、婿として他家に嫁ぎたいと考えています。」

指先が震えてきた。

「何故だ、己の立場を理解しているのか。」

父さまの威厳ある声が響く。

「私が家の流れを汲む、嫡男であることは理解しています。

 しかし、この家を継ぐことが出来るほどの器は、私に在りません。

 それ故、他家に嫁ぎたいと存じます。」

父さまの反応を伺う。

「己の器をその年で理解するか。

 己の器を理解出来るほどの頭を有しながら、

 他家に嫁ぐとは、何と惜しいことだろうか。

 これも、きっと天の思し召しか。

 良かろう、ならば他家の婿養子となり、生涯を全うせよ。」

父さまは、冷静に名残惜しいそうに私を見つめた。

「感謝致します。この御恩は、生涯忘れません。」

私は頭を深く下げた。



これが我が家の流れ、女系の始まりでした。


 

 




Next