わたしは、夫を見る。
夫との関係は、正直、微妙だ。
家の都合で、結婚した人だということも有るかもしれない。
わたしは、それを望んだから結婚したのだけれど、
夫は、どうやら違ったらしい。
折角のクリスマスでさえ、わたしたちは会わなかった。
しかし、今年は異なる。
何故か、今年は共に過ごす方がいないそうだ。
だから、わたしと過ごすらしい。
当たり障りの無い、会話と食事を済ませる。
もう子供は、いる。
だから、夫に用は無い。
養育費も頂いている、子供にも丁寧に父として接してくれる。
ならば、もうこれ以上は望まない。
何もかも欲する妻では、在りたくない。
「じゃあね、ちゃんとごはん食べるのよ。」
わたしは、夫にそう伝える。
「うん、ちゃんと食べるよ。」
夫は、わたしと目を合わせた。
いつぶりだろうか、夫の目を見たのは。
夫は、わたしの唇に口吻をした。
「またね。」
この口吻は、どんな意味があるのだろうか。
色恋に疎い、わたしには口吻の意味が分からず、
「また、来年。」
と、返した。
12/24/2024, 3:29:52 PM