kiliu yoa

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10/12/2023, 11:50:48 AM

 帰り道は、何気に好きだ。

 当たり前の風景は夕日で朱や紫に染まり、

 昼に見る風景とは、又異なる風景に変わる姿が好きだった。

 家々には、明かりが灯り始める。

 日が暮れ出すと、「家に帰りたくない。」と親に訴える、子どもたち。

 走って、帰える子どもたち。

 ふと、家庭環境によって、そのあたりは変わることに気づく。

 今の子どもは、働くことが出来ないことの方が多い。

 子どもたちがたくさん遊べたり、勉強や部活に集中できる良い面も有る。

 しかし、子どもが親から逃げられないという、悪い面も有るように思った。

 私の偏見だが、そういう親の子どもほど、頼れる人が居ない気がした。

 いつか、私が大人に成れたのなら、

 そういう子どもたちの第三の居場所を作りたいと思った。

 家や学校、職場の次に永く居れる場所。

 もしくは、家や学校、職場より永く居て良い場所を作れたらな。

 空間は難しいとも、そういう逃げれる場所を提供したいと思った。
 

 

10/8/2023, 11:23:04 AM

 休めることは、大事だ。

 私の故郷は、乾燥した内陸の国で主に貿易で栄えた街だった。

 ここの人々、いや、この辺り一体の人々は男も女もよく働く。

 時間があれば、仕事を探し、交渉し、働くほどである。

 それを見て育った子どもたちも、また、よく働く。

 たまに、働き過ぎだと感じるほどである。

 彼らは、贅沢を好まない。

 これは、旅路の話しである。

 私の旅路の移動手段は、荷が多い時はラクダ。普段は馬が多い。

 しかし、私の案内人は皆、馬にも、ラクダにも、乗らない。

 何故かと問うと、贅沢に慣れると困るからと、口を揃えた。

 そして、彼らは僅かな空白の時間を見逃さない。

 休む時は短くともしっかり休み、働く時は短くとも真面目に働く。

 恐らく、その習慣が彼らを支えいるように感じた。

 だから、この街やこの辺り一体は、貧しくとも栄えたのだろう。

 と、ふと思った。

 

 

 


 
 

10/7/2023, 12:39:47 PM

 拳を握り締める。

 手を開くと、血が流れていた。

 私の悪い癖が出た。

 感情を抑えるために、必死に握り締めた拳。

 私は、多くの……数え切れないほどの……人を殺した。

 殺人は、罪だ。

 例え、それが上からの命令だとしても……。

 私は、数々の戦場で……数多の理由から……、

 多くの、途方もない数の人を殺してきた。

 なのに、どうして、私は………、

 一度たりとも……罪を問われることも、罪を裁かれることも、無いのだ。

 自己の選択で、多くの人々を殺した。

 多くの人々の人生を狂わし、奪ってきた。

 なのに、どうしてだろう。 

 私は、疾うの昔に…人を捨てたからだろうか。

 それとも、職務を全うしてきたからだろうか。

 私は、何故、罪を裁かれないのだろう。

 罪の無き、人々までも……平然と殺してきた。

 なのに、どうして、私の罪は裁かれない。

 どれだけ、王に懇願しても、叶わない。

 本来なら、疾うに処刑にされるべきなのに。

 私のような者は、生きるために多くを奪える者は……、生きてはいけない。

 私のような者は、いつか…必ず…又…罪を犯す。

 なのに、王は……部下たちは……同業者たちは……この国の民たちは……、

 皆、そんなことはないと……、あなたは被害者だと……、私を慰める。

 その優しさが、どうしようもなく、辛かった。

 私の重ねてきた、重罪ともいえる罪は……いつ裁かれるのだろうか。
 




 

 

10/4/2023, 11:26:17 AM

 美しく舞う。

 その人は、凛としていて……誰よりも、泰然自若な人だった。
 
 たとえ、なにをいわれようとも、いつも、己の正しさを貫く人だった。

 舞いは、その人の全てを映すと思う。

 舞いをどれだけ努めたか、どれだけ表現したいか、どれだけ想っているか。

 だから、舞いには……その人の思いが籠もる。

 その人の舞いは 力強く、かろやかで、やわらかい。

 そして、指先から爪先の細部まで、美しい。

 決して、観客を退屈させない……それどころか、魅せられる。

 その人の舞いには、人を惹き込ませる力が在った。

 恐らく、それほどまで、その人は……舞いに命を賭けているのだろう。

 たった一つ、その振り付けに 鮮烈な思いを籠める。

 いつか、必ず…わたしは、貴方とともに舞う。

 それが、わたしの夢だった。


10/2/2023, 10:32:04 AM

 運が良い。それは、生まれながらに在ると思う。裕福な家に生まれたり、

 良い親の元に生まれたり、『運が良い』の基準は人により…様々だろう。

 どうしようも成らないことは、この世に沢山在る。

 恐らく、どんなに時代を経ても、種類は変われど、ずっと残り続ける。

 でも、困難を乗り越えた先に学べることは多い。

 だから、苦労して、努力して、成功した人は、口々に『私は、運が良い』と

 言うのだろう。

 私は、まだ、『運が良い。』とは、到底、言えそうに無い。

 私は、まだ、私より苦しみ…乗り越えた人を、この目を通して

 見たことは無い。

 私は、まだ、私より苦しんだ人を聞いたことは…無い。

 内心、分かってる。

 見聞きしたことが無いからと言って、存在しないことには…ならない。

 私が見聞きした事が、全てでは……無い。

 でも、どうしても、まだ、飲み込めないのだ。

 頭では分かっていても、感情が追いつかないのだ。

 きっと、私は……まだ、無知なのだ。

 だから、まだ認められないのだ。

 私より、苦労してきた人々のことを……。

 私は、世間知らずの只の子どもだということが、まだ認められないのだ。

 

 
 

 

 

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