拳を握り締める。
手を開くと、血が流れていた。
私の悪い癖が出た。
感情を抑えるために、必死に握り締めた拳。
私は、多くの……数え切れないほどの……人を殺した。
殺人は、罪だ。
例え、それが上からの命令だとしても……。
私は、数々の戦場で……数多の理由から……、
多くの、途方もない数の人を殺してきた。
なのに、どうして、私は………、
一度たりとも……罪を問われることも、罪を裁かれることも、無いのだ。
自己の選択で、多くの人々を殺した。
多くの人々の人生を狂わし、奪ってきた。
なのに、どうしてだろう。
私は、疾うの昔に…人を捨てたからだろうか。
それとも、職務を全うしてきたからだろうか。
私は、何故、罪を裁かれないのだろう。
罪の無き、人々までも……平然と殺してきた。
なのに、どうして、私の罪は裁かれない。
どれだけ、王に懇願しても、叶わない。
本来なら、疾うに処刑にされるべきなのに。
私のような者は、生きるために多くを奪える者は……、生きてはいけない。
私のような者は、いつか…必ず…又…罪を犯す。
なのに、王は……部下たちは……同業者たちは……この国の民たちは……、
皆、そんなことはないと……、あなたは被害者だと……、私を慰める。
その優しさが、どうしようもなく、辛かった。
私の重ねてきた、重罪ともいえる罪は……いつ裁かれるのだろうか。
10/7/2023, 12:39:47 PM