休めることは、大事だ。
私の故郷は、乾燥した内陸の国で主に貿易で栄えた街だった。
ここの人々、いや、この辺り一体の人々は男も女もよく働く。
時間があれば、仕事を探し、交渉し、働くほどである。
それを見て育った子どもたちも、また、よく働く。
たまに、働き過ぎだと感じるほどである。
彼らは、贅沢を好まない。
これは、旅路の話しである。
私の旅路の移動手段は、荷が多い時はラクダ。普段は馬が多い。
しかし、私の案内人は皆、馬にも、ラクダにも、乗らない。
何故かと問うと、贅沢に慣れると困るからと、口を揃えた。
そして、彼らは僅かな空白の時間を見逃さない。
休む時は短くともしっかり休み、働く時は短くとも真面目に働く。
恐らく、その習慣が彼らを支えいるように感じた。
だから、この街やこの辺り一体は、貧しくとも栄えたのだろう。
と、ふと思った。
10/8/2023, 11:23:04 AM