美しく舞う。
その人は、凛としていて……誰よりも、泰然自若な人だった。
たとえ、なにをいわれようとも、いつも、己の正しさを貫く人だった。
舞いは、その人の全てを映すと思う。
舞いをどれだけ努めたか、どれだけ表現したいか、どれだけ想っているか。
だから、舞いには……その人の思いが籠もる。
その人の舞いは 力強く、かろやかで、やわらかい。
そして、指先から爪先の細部まで、美しい。
決して、観客を退屈させない……それどころか、魅せられる。
その人の舞いには、人を惹き込ませる力が在った。
恐らく、それほどまで、その人は……舞いに命を賭けているのだろう。
たった一つ、その振り付けに 鮮烈な思いを籠める。
いつか、必ず…わたしは、貴方とともに舞う。
それが、わたしの夢だった。
10/4/2023, 11:26:17 AM