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映画「国宝」を観に行ってから、
ものすごいものを体験した気分になって、よりこの世界に入りたい!という思いから小説を求めた。
まず、県立図書館では298人待ち
市立図書館では39人待ち。
圧倒的な予約数で絶句した。
何年かかるの??と。
仕方なく、BOOK・OFFと本屋で上下巻を揃えた。
小説もものすごい面白さでページをめくる手が止まらなかった。
もともと私はすごい集中力があり、一度はまると寝食を忘れる質だ。一冊読みきるまで眠らなかった。
いつもの睡眠時間を4時間は過ぎているのに、読後も読み終わった感じがしなかった。
小説は映画の3倍の内容がある。
小説を読むと、映画の登場人物の言動の解像度が3倍は高くなる、という意味だ。
なにより小説は映画より登場人物が多い。
小説の数人の登場人物のセリフをくっつけて、映画では1人に語らせたりしている。
だから、小説の方が面白い!と言いたいのだが、
映画は小説に引けを取らない。
だって、歌舞伎の演技を生で見ることができる。
吉沢亮と横浜流星の女形の躍りがとても可愛らしくて、儚げでお世辞じゃなく目が離せなかった。
そして、特筆したいのは、小説も映画もヒヤッとするのだ。背筋が凍るようなヒヤッとするシーンがある。
これは、映画では視覚的に感じ、小説では唐突な一文がくる。
このヒヤッとする体験が小説でも映画でも体験できるのは本当に驚いた。
ぜひ、どちらも楽しんでほしい。
夏の忘れ物を探しに
夏って終わった?
まだまだこれからだよね。
忘れ物がないようにするよ。
アイスいっぱい食べて
海行って、プール行って
スイカも食べて
やんなきゃならなかった宿題もまだ終わってないからさ
これから頑張るよ。
8月31日、午後5時
朝、8時から市立図書館の学習室の予約が始まる。
9時に予約サイトを確認すると、16時までの予約がすべて埋まっていて驚いた。
午前中は出掛けていて、家に戻って昼食をとったあと16時までの時間をミスドで過ごした。
16時目掛けて図書館に入る。
今日私は、9月の準備に追われていた。
8月のお休み中、やる時間は沢山あったのに、遊び尽くした。
仕事をしたら負けだと思っていた。
エンジンをかけはじめたのは16時からで、21時までの5時間すごく集中して仕事をこなした。
まるで夏休みの宿題に追われる小学生のようだ。
ホッと今、遅い夕食をとっている。
よーし、明日から頑張るぞ!
ふたり
ふたりになりたがる人間。
3人グループだと、1人をいじめてふたりになる。
3人だと、不安が渦巻く。
5人グループがペアを組むとき、誰かが必ず1人になる。
その1人になりたくないから、日常の中で自然にふたりペアができていく。
ふたりグループは仲良し、ふたりだけの世界を作っていく。
なかなか話しかけて、輪に入っていくのは難しい。
ふたりになりたがる人間。
安心がほしい私たち。
心の中の景色は
心の中の景色って、そんな
心にパッと思い浮かぶ綺麗な景色なんてない。
綺麗な海とか、綺麗な空とか、
景色を見て感動した経験が乏しいから、心に常にある憧れみたいな景色なんてない。
そう思うと、心の中の景色というのは、日常の景色なのかな、とふと思った。
朝起きて、洗面所で見る私の寝ぼけた顔
通勤の車から見るいつもの交差点
職場の同僚の顔
ジムで見るみんなのダンス
家事をする母の後ろ姿
庭木に水を遣る父の姿
そんなありふれた光景がやっぱりパッと頭に浮かぶ。
この夏に映画「国宝」を観た。
主人公の喜久雄が人間国宝になったとき、歌舞伎を続けてきた理由を「ある景色を探しているんです。」と答えた。ある景色はどんな景色なのか分からないけれど、それを探して芸を磨いていると。
人生にそんな目標があるのもいいなと思った。
私はどんな景色を探しているんだろうな?