あなたがゲームをして私が本を読んでる
この空間が好き。
この空間っていうか
あなたが好きなんだけどね。
でもそんなこと言えない。
だってあなたは,友達だって思ってるから。
「あのさ,友達の話なんだけど
好きな人に好きな人がいた場合
どうアタックしたらいいとおもう?」
彼は言った。
私はこの場合自分の話をしていると思っている。
「そうだな...」
在り来りなことを言って終わったけど
「そっかありがとう。」
彼はそんなことを言って笑った。
こんな時でも私はドキドキしてしまう。
私が告白しない理由
告白して振られてしまった時
この関係に戻るどころか,
普通の友達にも戻れないから
君も私もこの関係を終わらせないで
─────『終わらせないで』
あの日から私に注がれるはずの
愛情は半分になっちゃった。
あの日小さい小さい赤ちゃんが家に来たの。
「これからあなたはお姉ちゃんになるのよ。」
ママが言った。
「私お姉ちゃん!!頑張る!!」
そのときの私すごく嬉しかった。
「私お姉ちゃんだよ!!」
赤ちゃんに言うと笑っていて可愛かった。
「ママ一緒に遊ぼ?」
「ママ忙しいのちょっと1人で遊んでて」
「...はーい。」
「ねぇ勝手に遊ばないでこれ私の!!」
私のおもちゃで遊ぶ赤ちゃんに言った。
そしたら泣いたの。
そしたらママは急いできて赤ちゃんを抱っこした。
「どうしたの?」
「勝手におもちゃ取られたの!」
「お姉ちゃんなんだから我慢して」
もう知らない。
私悪くないもん。
それはもう何年経っても変わらなかった。
買い物に行く時
いつも妹を連れていく。
私も着いていくと
「えっ来るの?」
そんな顔をされる。
いつの間にかお母さんは
私を嫌いになってるみたい。
愛情は平等に注いでくれるって思ってた。
それも理想だったのかな。
もしかしたら冷たくするのも愛情?
何が愛情か私には分からなかった。
私にも念願の彼氏ができた。
初めて人を好きになった。
いつも優しい彼に聞いた。
「ねぇ,私に愛情を教えて。
そして愛情を注いで欲しい。」
彼は頷いて教えてくれる。
私はそんな彼が大好きだ。
─────『愛情』
「先輩」
「何?」
「ただ呼んでみただけです。」
こんな会話をしてるけど自分は一切好きではない。
いつの間にか自分に懐いてくる後輩ができた。
「先輩のタイプってなんですか?」
「年上」
こう答えるのはこれで何回目になったのだろう?
いつの間にか君の会話のテンプレートになっていた。
友達が次の授業の準備をしていて
暇だったため本を読むことにした。
「おーい,呼ばれてるよ。」
クラスメイトの言葉に
「ありがとう」と言いながら廊下に出た。
「先輩,辞書貸してください。」
「は?なんで?友達いないの?」
そんなことを言いながら辞書を渡す自分も自分だ。
みんなのお腹が空く頃
ちょうどよくチャイムがなった。
お弁当を準備している時
やっぱり君は来る
「先輩,一緒にお昼食べましょう。」
笑顔で聞いてくる君。
ほんとに懲りないなぁ君は。
「いいよ。」
その返事が来るの本当はわかってるよね?
だけど君は嬉しそうな顔をする。
日が落ちてオレンジ色の街並みを君と歩く。
「ねぇ,なんでいつも着いてくるの?」
君について聞いてみた。
「なんでって決まってるじゃないですか。
先輩と一緒にいたいからです。」
笑顔で答える君。
「ほんと好きだね。」
私はそっと言った。
自分に懐く後輩なんて君しかいないから。
「先輩の思ってる好きと
自分が言ってる好きは違いますよ。」
なんて君が悲しそうに笑う。
「先輩が思ってる好きはlike
自分が思ってるのはLoveです。
...先輩好きです。」
君の声が頭の中に響く。
「えっと...」
言葉が出なくて自宅に向かって走って。
後ろで
「ちょっと待ってください!」
なんて聞こえたような気がしたけど
気にしないようにスピードを上げて帰った。
家に帰ると母に
「顔赤いわよ。どうしたの。」
なんて聞かれて
「なんでもない。ちょっと走ってきたから赤いだけ。」
そう言って荷物を置きに行った。
ご飯食べてる時も勉強してる時,
お風呂入ってる時だって君のことを考えてしまった。
おかげで勉強は全く頭に入らなかったし,
お風呂でのぼせたし,
災難だった。
朝起きると体が少し重くて
熱を測ると微熱だった。
「今日は休む」
母にそう伝えてから
君にも連絡しておいた。
「大丈夫ですか?」
その君からのLINEの通知だけで
体温が上がった気がした。
次の日もその次の日も微熱が続いた。
微熱が続くのは君のことを考えてしまうから?
それとも
君が自分を想う気持ちと
自分が君を想う気持ちが
同じことに気づいてしまったから?
─────『微熱』
お弁当を食べ終わる頃
彼は私を呼ぶ
「こっち来てよ。サッカーやらない?」
そんなことを言う彼に私は
「やだよ」と言った。
「なんで?」
「今日太陽出て暑いじゃん。
風吹くと寒いし。外出たくない。」
私がそんなことを言うと彼は少し拗ねた様子で
「でも次の時間体育じゃん。
ジャージに着替えて来てよ。」
そんなことを言ってきた。
「気が向いたら行く。」
そう言って友達と着替えに行くとにした。
友達からは
「付き合ってるの?」
なんて聞かれた
「付き合ってる?なんで?付き合う可能性ないよ。
てか付き合ってる人いるんじゃない?」
私は友達に言った。
私は彼を完璧人間だと思ってる。
だって顔が良い方だし,
スタイルもいい方だし,
成績優秀だから。
彼と一緒にいるだけで比べられて
前まで少し嫌になってしまうことがあったなぁと
考えながらジャージに着替えた。
外に出ると太陽の下で
楽しそうにサッカーをしながら
笑いあってる彼がいた。
私の姿を見つけると
彼は私のほうに向かって来た。
「やっぱり来てくれるじゃん。」
「気が向いたから。」
なんて冷たい返事にも笑って
「嬉しい。」
そんなことを言っていた。
「ねぇ飲み物持ってきてない?」
「自分のやつしか持ってるわけないでしょ。」
そんなことを言うと
私のペットボトルをとって彼は水分補給をした。
「は?馬鹿なん?」
キレ気味に言う私は
「口つけてないし良いでしょ。
今日一緒に帰ったらアイス買うから良いでしょ。」
そんな彼の言葉で機嫌よくなってすぐ許してしまう。
「やっぱ,あなた達付き合ってるでしょ?」
友達が言う
「だから付き合ってn「付き合う予定。」違うでしょ。」
私の声に被せて彼がそうなことを言うから
彼らのサッカーを見ていた女子たちが
悲鳴のような声を上げた。
なんてこと言うの?
私はそう思いながら彼を睨んだ。
彼は笑って
彼が私の目線に合わせて
「そういうことで俺のめっちゃ意識してね。」
そう言ってサッカーをやりに走って帰っていった。
私の顔が赤くなっているのは
太陽のせい?それとも君のせい?
─────『太陽の下で』
名前の知らない学生の彼を好きになりました。
君を初めて見たとき衝撃を受けたの。
こんなに制服姿が似合う人がいるんだって。
すらっとした体にワイシャツが似合うと思った。
ワイシャツのボタンはしっかり締めているのに,
ピアスを開けているところ
カッコいいって思った。
彼も私の存在に気づいてるの。
あの日
降りるはずの駅についてるのに
ボーッとしていて
急いで電車に降りたことがあった。
その時はハンカチを落としたことすらわかんなかった。落としたどころか家に忘れてきたと思っていた。
次の日電車に乗ると彼がこっちに向かって歩いてきて,ハンカチを差し出してきた。
「昨日,落としましたよ。」
初めて聞いた彼の声は
もう私の好みのどストライクだった。
「えっ,あっ,すみません。ありがとうございます。」
私が言うと
「いえいえ。」
私に笑顔でそう言って
彼はいつもの場所に行ってしまった。
もうこんなことあったら惚れるしか選択肢ないじゃん。
そんなことを思っていた。
最近寒くなってきたのでマフラーを付け始めた。
彼はセーターを着ていて
「カッコいい」
思わず声に出してしまいそうだった。
彼に惚れてしまったからそう見えてしまうのか
はたまた他の人たちも
また彼をカッコいいと思っているのか
私には分からなかった。
今日はなんだか人が多くて
押しつぶされそうになっていた。
気のせいかもしれないけど
おしりを触れている気がして
とても逃げ出したくなった。
そんな時突然手を引っ張られた。
「えっ,」
「突然ごめんなさい。触られてましたよね?
だからこっちの方が安全かなぁって思って。」
彼の声を聞いて私は少し安心した。
彼が電車の扉の方に連れてってくれて
彼が壁になってくれた。
もう私の視界は彼しか捉えられなくて...。
車内が揺れると彼は私の方に倒れた。
「「ごめんなさい。」」
お互いの声は満員電車で消えてった。
しかし過去最高で近い私たちの距離に
彼と私は顔が赤くなっていた。
そんな彼を見て私の心臓の鼓動を早くさせていた。
お互いが意識するまであと少し
─────『セーター』