気づいた頃には
風を背に受けながら早いスピードで下に落ちていた。
僕は何も言わず
ただただ離れていく地面と一人の人を眺めていた。
僕は突き落とされたのか?
なかなか背中に衝撃が来ない。
下を見ると今落ちてきたはずの場所があった。
そこには5人の人達がいた。
僕を突き落とした人もいた。
彼らは僕を歓迎してくれて数日一緒に過ごした。
ここに来て5日も経った頃
僕はあの男に突き落とされた。
強く目を瞑る。
気がつくとそこはまた5人の人達が
僕を歓迎している所だった。
僕はループしているのか?
これは夢じゃないのか?
僕はいつ抜け出せるのだろう。
僕はいつもこの男に落とされる
─────『落ちていく』
愛を誓っても
貴方は私を裏切るなんてしないよね。
夫婦になったのだから
私を裏切るなんて考えないでよね。
私はいつも貴方に騙されてばかりだけど
次は私が貴方が腰を抜かすくらい
大きな嘘ついてあげるんだから
だからこの関係も嘘だなんて言わないでね。
─────『夫婦』
「泣いている子に“大丈夫”のひと言も
声をかけなかった私が悪いのでしょうか?」
「...。」
「マスター?言ってくれないと分かりません。」
「...。」
「マスター。私は考えました。
でもあの時は声をかけてあげるのは
あの方にとって良くないと感じました。
失敗も必要だと思いました。
どうすれば良かったのでしょうか。
あの子は離れていきました。
私は間違ったのでしょうか」
─────『どうすればいいの?』
君がくれた宝物
私にはタダのビー玉にしか見えなかったけど
小さな手一杯にビー玉を持ってくるから
可愛らしくてひとつ貰った。
じゃあお礼に私もキラキラのシールあげるよ
─────『宝物』
綺麗な形を崩したくなくて
それでも火は付けたくて
日をつけないキャンドルを眺める。
それでもいつかは火をつけたいな。
─────『キャンドル』