komaikaya

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1/22/2026, 9:49:01 AM

女子A「『特別な夜』なんて言葉を使うキャラって、だいぶ限られてこない?」

女子B「そうなの?」

A「コホン……『(低い声)今夜は特別な夜になるだろう』」

B「権力者、悪役の幹部、それかスパダリ、かな?」

A「『特別な夜にしてあげる』」

B「スパダリだなぁ」

A「『あの特別な夜のことを忘れたのかい?』」

B「ハーレクイン的な洋物スパダリ」

A「『君との特別な夜に乾杯』」

B「ホテルのスイートもしくは豪華客船に連れ込まれてます…スパダリに」

A「ほらぁ。ね? 『特別な夜』なんて言葉、一般人は使わないって!」

B「あーまぁ文章にはするかもだけど、セリフとしては言わないかもなぁ……にしてもさぁ、読書傾向からくる例えが偏り過ぎじゃない?」

A「オッケイ、じゃあ……『(カン高い声)今夜は二人の、特別な夜にしようねっ』」

B「あー……妄想上のオンナ。ぜってーいねーよ、そんなヤツ」

A「やだ不評? いやまぁスパダリもね、妄想上のオトコなわけなんですけど」

B「あっはーい。さて、おかわり生🍺も来たことだし? こうなったら、もう……私たち二人の特別な夜に、乾杯っ!」

A「かんぱ〜い! ……ぷっはー。ってどうすんのこれ、このメンツでここから特別な夜にしないとだよ笑」

B「『(イケボ風)君がこうしてここにいてくれる、それだけで今夜は……特別な夜だ』」

A「そっちも結局スパダリじゃねーか!」

1/21/2026, 8:20:19 AM

夜を漂う
小舟があって

波に遊ばれ
ゆらゆらり

風に煽られ
ふらふらり

浮かんでるのも
やっとこさ

荷を落とすまい
それだけで

ほかの小舟を
知ったのは

ガツンとぶつけた
あとだった

空には月が
無数の星が

そこに光は
あったのに

眩しすぎる、と
言い訳ばかり

それでも海は
浮かばせる

「沈む日までは、浮かんでろ!」

夜を漂う
小舟があって

いつかの先に
沈んだならば

懐古するのは
この波の上

空には月が
無数の星が

眩しくて
美しかった──

ああ いつか
『海の底』にて

穏やかに
負う荷を持たず

そんな日が
訪れるまで

浮かばせる
海は
小舟を


1/20/2026, 9:34:56 AM

 おっとぉ? 門のとこにいるの、ケータ先輩だ!
 サークル外で会えるなんて、ラッキーすぎるー!

 って──先輩ってば、私に向かって手なんか振っちゃって、しかもなんか、うれしそうなカンジ?
 いやまさかね、そんなはずは……。

「ノムラさん!」
「ケータ先輩、えっと、ぐ、偶然ですね〜!」
「や、偶然じゃないよ? 俺『君に会いたくて』待ってたから」
「……えっ」

 私に?!
 私に会いたくて、って言った?!⬆️

「ほら、これ。サークルの部室に忘れてたから、渡そうと思って」
「……あ、私のペンケース。ありがとう、ございます」

 なーんだ。
 忘れ物、かぁ……。⤵️

「や、本当は、その。忘れ物ってのは君に会う口実で、えーと……」

 っ、私に会う口実って、どゆこと?
 いや、まさか……?⬆️

「今日は帰り、一緒だったりする? その、彼女……ハタノさんと」

 あーはい。
 ハタノちゃん狙いってコトですか……納得。⬇️

「いえ、今日は一人なんです、スミマセ……」
「よかった! ノムラさんこの後、時間あるかな?」

 よかった? ハタノちゃんがいなくて?
 で、この後、って……。
 まさかの、まさか?⬆️

「え、あ、はい。ヒマです」
「じゃあちょっと付き合ってくれるかな、夕飯奢るからさ?」

 夕ごはんのお誘いぃいっ!
 ヒャッホウ!⬆️⬆️

「ははは、はいっ、私などで、よろしければっ!」
「ありがとう! じゃ、行こうか。実は、相談に乗って欲しいことがあって、えーと……プレゼントを、その、」

 あっ、嫌な予感〜。➡️

「女の子に……なにをあげたら喜んでくれるのか、知りたい、っていうか……だから、協力してほしい、そんな感じ?」
「あー……了解、しました……」

 女の子=ハタノちゃん。
 なるほど、察しました……。⬇️

 ってか、さっきから……上げられたり、落とされたりがね、もうキツかったし、うん。

 いや、でもね!
 これでもう、地の底まで落とされましたから!

 なんなら地面に叩きつけられて、内臓飛び散ってますけど……ある意味、やっと落ち着いた!

 泣泣泣〜〜〜!!

 ️⬇️⬇️⬇️




☆☆☆ バレンタインデー当日 ☆☆☆


「ノムラさん、これ。もらってくれるかな?」
「……へっ? え、だってあのとき、女の子にあげる、ってハナシで、」
「あれは! そういうことにしておけば、バレないかな〜って。つまり……よかったら、付き合ってください」
「……付き合う。ええと、買い物の相談とかに、」
「じゃなくて! 俺がノムラさんを好き、ってこと!」
「………………っ、〜〜〜、えええええっ?!」

 ちょっ……待って待って待って。

 現在位置:雲の上

 って……どゆことデスカ?

 無理ムリ無理、こんな上昇負荷にニンゲンが、なんならまだすっかり内臓散らばってたってのに、耐えられるわけ、ないよね?

 こうなったらもう、肉体捨てて昇天するしか……。
 ああもう、意識が飛びそうです! ヘルプミー!

 ⬆️⬆️⬆️💕💕



1/18/2026, 4:19:03 PM

あの日の彼女によって
勢いよく『閉ざされた日記』の
封印がホロリ、と解けて
そこに書かれた
コトバたちが
散乱し
産卵し
孵化して
認知を求めてきたのは
新月の夜のせいで

なのに
身に覚えがない、と
言えない彼女は
彼女の記憶の海に還ってくる
コトバと
コトバが産んだ子らを
受け入れなくてはならない

日記にまだ残っているのは
あの例の箱と同じく
希望だとか
未来だとか?

そんなことばを
書き留めたことが
あったのかどうか
首を傾げている
彼女の眠りは浅く

それは
ことばたちが
無知で
無邪気すぎるが故

ああ、だから
新月には
お気をつけて

日記の封印が
ホロリ、と解けて
しまわないように



1/18/2026, 9:48:11 AM

 彼は。わたしのことを『木枯らし』と呼んだ。

 木を枯らすつもりなどなかったが、結果的にそうなってしまうのは事実なのだから、しょうがない。けれどもっと他にも、いい名があったのではないかと思う。

「よう。また来たのか『木枯らし』」

 他の人族が立ち入ることのない森の奥で、彼は一人で暮らしていた。わたしが彼の、無造作に束ねた長い髪と口髭に触れると、彼は笑って言った。

「ああ、鬱陶しいか? だが前にも言ったが、こいつはお前の力でも、丸坊主にはならねぇからな?」

 違う。わたしはただ、前と変わらず同じ姿をしているのだなと、そんな思いにかられて触れただけ。

 わたしは彼と交わす言葉を持たない。そもそもわたしの姿は、人族には見えないはずなのだが──彼の祖先に、我ら側の血が幾分混じっているのかもしれない。

「俺の言ってることなんざ、わからねぇだろうけど。お前は本当に綺麗だな。光の粒を纏ってるみたいだ」

 わたしに『木枯らし』なんて名前を与えておいて。
 この人族は、いったいなにを言っているのだろう。

「けど、いいのか? お前みたいな美しい精霊が、俺のような罪人に、触れたりなんか……消えちまったりしないだろうな?」

 彼はそんなことを、毎年のように口にする。わたしはそれを、彼の横で黙って聞いている。
 この森に冬をもたらし、そして持ち去る日まで、わたしは彼のそばで過ごした。くる年も、くる年も──。

「なぁ『木枯らし』。罪は──どこまで行けば、許される?」

 ある年に彼はそう呟き、だがわたしはやはり、彼と交わす言葉を持たなかった。代わりに彼の髭を撫で、束ねていた長い髪をわざとほどき、乱してやる。白い髪と、目尻に刻まれた深い皺──人族の時間は、なんと短いのだろう。

「──ありがとよ」

 次の年の、森の奥で。
 わたしは彼を見つけ、しかし彼はもうわたしを『木枯らし』と呼ぶことはなかった。

 横たわる白い枝のような彼を、森の樹々から落ちる色とりどりの葉が、覆い隠してゆく──わたしの訪れを待っていた樹々に、わたしは礼を言い、樹々たちにしか聞こえない子守唄を歌う。

 いまの彼なら、或いは。
 わたしの歌が、聞こえるだろうか?


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