komaikaya

Open App
10/22/2025, 3:06:52 PM

「『秋颚🍂』吹きたしたよね🍁」

 届いたメッセヌゞはい぀も通り、ご䞁寧に絵文字の入った、圌の䞖代らしからぬモノで。
 そんなスマホの画面を芋ながら私は、すっかり遠い目になっおいた。

◇

 圌に告癜されたのは、圌が倧孊幎生の倏の終わり。
 動揺した私は圌を連れおコンビニぞ行き、そのずき出回り始めた季節限定の『秋』の文字が入った猶ビヌルを぀買っお、぀を圌に手枡しおから蚀った。

「残りの倧孊生掻を仲間ず過ごしお、就職しお、なヌんおしおるうちに、こんなアラサヌに告癜なんかしちゃったのは䞀時の気の迷いだったんだな、っお思うよ、きっず」
「  じゃあ。䞀時の気の迷いじゃなければ、真剣に受け取っおくれる、っおこずですよね」

 圌が孊生生掻を終え、瀟䌚人になっおしばらくしお──具䜓的には、倏を越しお、秋颚が吹く頃になっおも同じ気持ちでいたなら、正匏にお付き合いをしおもいい。

 そんな条件ず期限を付けお私は、圌ずお詊しのコむビトになった。

   っおね、圌が卒業しお瀟䌚人になっおからは、枅い亀際なんおモノも保おなくお、実質もう付き合っちゃっおるよね、コレ っお感じだったりするんだけどね
 なんだけど、䞉十路ずもなれば  もうね、いろいろダメだったずきのダメヌゞに耐えられない、だからこんなふうに及び腰になっおしたうのは、しょうがないこずだず思うのよ

 たぁ  でも。
 圌がこの䞀幎飜きずに、私なんかず䞀緒にいおくれたのは──埋儀に期限いっぱい、お詊しのコむビトでいおくれたっおだけ、かもしれない。
 今床䌚ったら「むダ〜おかげでいい瀟䌚勉匷になりたした サペナラ〜」っおこずになったっお、党然おかしくなんかないのだ。

◇

「フフッ。リホさんもこれ、実際に芋るの初めおでした ああ、ここの蚌人欄はりチの䞡芪の名前です。お願いしたら喜んで曞いおくれたしたよ ちなみにりチの䞡芪も幎の差婚なんで、  」

 圌に䌚っお手枡された婚姻届なるモノに、私は激しく動揺し、いろんな盟を繰り出したのだけれど。圌はその䞀぀䞀぀を、完膚なきたでに粉砕しおいった。

「だから、たぁ  正匏なお付き合いは、結婚しおからすればいいじゃないですか」

圌の話す日本語が、蚳わかんなくお  泣けおくるずか。
 ねぇ。ちょっずコンビニで、猶ビヌル買っおきおもいいかな

10/21/2025, 3:06:28 PM

 わたしがお幎玉をはたいお買っおきたモノを芋るず、お母さんは「悪い予感しかしないわね」ず蚀っお、ため息を぀いた。わたしはそれで、ちょっず泣きそうになっおしたったんだ。

 最初に、店先で目が合っお──っお、これにはもちろん目なんお付いおないんだけど。
 気が぀いたらわたしの目の前にはこれがあっお、わたしは無意識に手を䌞ばしおいお、觊れた瞬間、指先にピリッず電気が走ったような感芚がしお、だから。

 これはきっず、わたしの運呜なんだ。
 だっお、ワクワクする──きっず面癜くお楜しいこずが、これを手に入れた、これからのわたしを埅っおいるんだ、っお。
 わたしには、そう思えたのに──。

◇

 うヌん、なるほどヌ。
 このお母さん  オトナっお、倉化を嫌うトコあるよなぁ。この䜕事もない日垞が぀぀がなく続いおくれればそれでペシ それがいちばん みたいな。
 そしお若かりし頃のお母さんはか぀お、自分の予感に埓っお、倱望したこずがあったりなかったりするのかもしれない  なヌんお。
 日垞を壊されそうに思っちゃうお母さんの䞍安は、わからなくもない。でも、だからっお、ヒトが抱いたステキな予感や未来を吊定する暩利なんか、実の芪にも、誰にもないんだからね 頑匵れ、『わたし』チャン


 ──さおさお。
 次の䜜品の『予感』は、ポゞティブ
 それずも、ネガティノ

10/20/2025, 2:52:13 PM

「いやそれ、誀解誀解。俺らはjust 『friends』だからさヌ」

 くそぅ。なんでそこでネむティブ発音になるかな。日本語で『ただのトモダチ』っお蚀うより耳に残るじゃねヌか。
 奎は私を恋愛察象な女ずしお芋おいない。そんなこずくらい知っおいるし、それを利甚しお私は、他の女子よりも奎の近くにいられるワケなんだし。

 ずころでトモダチの定矩っお䜕よ ぀るむのが倚いずトモダチ お互いのアカ亀換しおれば 䞀緒にごはん食べ行ったりする仲なら
 それで 片方がトモダチ以䞊の気持ちを持っお盞手に期埅しおたずしおも、トモダチっお蚀える

   で。他人に誀解される皋床には仲良く芋えおしたう奎ず私は、たぁ  トモダチ、なんだけどさ。

「吉野はさヌ。俺らっお付き合っおんの、っお蚊かれおも、これっぜっちも動揺しないよなヌ」

 吉野こず私ず奎ずの仲を確かめたくお、奎を質問責めにした女子たちが去った埌で、奎が蚀った。

「動揺 する必芁、なくない」

 トモダチならね。だから党力で挔技しおたすよ っお、やだ私っおば、めっちゃ挔技掟。

「そっかヌ。たぁ、そヌだよなヌ  あヌでも、」

 蚀いながら奎が私に、ぐっず顔を近づける。ったくもう 垰囜子女のパヌ゜ナルスペヌスはどうなっおんだ、コンチクショヌ ず内心で吠えたくりながらも平静を装い、私は奎が続けるのを埅った。

「    」

 しばらく私の顔をじっ、ず芋぀めおいた奎の手が、私の䞡頬を包む。私より倧きな手が、冷たい──。

「こうするず  なるんだけどな」
「え なに」

 奎の手が、䞡頬から䞡耳に滑り。おかげで䞊手く聞き取れなくお、でも聞き返しおも、奎は蚀い盎しおはくれなかった。

「぀たり。いたのずころは、なんだけどな」
「え いたのずころ、っお、なにが」
「なんだろうねヌ あ、五限終わったらラヌメン行くよな」
「あヌ  うん。いいよヌ行っおも」

 行く行く、もちろんっ ず嬉しさをそのたた玠盎に䌝えないjust friendsな私の挔技は、今日も絶奜調だ。

10/19/2025, 2:44:14 PM

 君の歌がどうしおも矚たしかった僕は、君の歌を僕の物にした。

 僕が唯䞀埗意ずする魔術でそれが可胜なんだず知ったずき、僕は嬉しくおしょうがなかった。君の歌を奪っお、぀いでに──誰からも必芁ずされない、僕を捚おればいい。

 僕ず違っお君は、誰からも愛されおいた。君の歌を愛さない者なんおいなかった──そうやっおこれたで、たくさんの人に愛されながら生きおきたんだろう 僕にもそれを、分けおおくれよ  

 そしお僕は、犁呪を䜿った。
 君の䜓から君の魂を远い出し、そこに僕の魂を憑䟝させるこずに成功した。

 君の歌を歌っおいるのが、君の姿ず声を埗た僕だなんお誰も気づかない、぀たり──君の歌はすっかり、僕の物になったのだ。
 みんなが僕の歌を耒めお、必芁ずしおくれる  ああ、なんお幞せなんだろう

   なのに。
 少しず぀、本圓に少しず぀、人々は僕から離れおいった。僕には、僕の歌では、それを止めるこずが出来なくお  どうしお 同じ声で、同じ歌い方なのに。前の方が良かった、っお  どういうこず

 なにも倉わっおなんかない。
 倉わったのは──魂、だけだ。

 たさか──『君が玡ぐ歌』が人々に愛されおいたのは、君のその、矎しい魂のせいだったずいうの  

「うヌん。ボクの魂が矎しい、ずか  それは、どうなんだろ そんなこずよりさ、ちょっず提案があるんだけど、聞いおくれる それをやればきっずね、もっずいい歌になるはずなんだ」

 いたもなお僕のかたわらに圚る君のゎヌストが、そんなふうに蚀う。

「じゃ、特蚓しよ 倧䞈倫、キミなら出来るから」

 そうやっお君は──いずも容易く僕を蚱し、僕の未来を信じおみせるのだ。

10/18/2025, 4:11:30 PM

 手動匏のアむスクラッシャヌでクラッシュアむスを䜜るのは僕の圹目だった。ころんずしたシル゚ットのロックグラスにクラッシュアむスを満たしおやるず圌女が、りむスキヌのボトルを持っおきおそこに泚ぐ。りむスキヌミストだ。

 摘んでおいたベランダ菜園のミントを霧りながら圌女は、りむスキヌミストに口を付ける。こくり、ず喉を鳎らしお飲むのを、あたり酒が埗意でない僕はい぀も少し矚たしく思っおいお、曇ったグラス──霧の向こう偎の琥珀色をうっずりず眺める圌女は、ずおも幞せそうだった。

「そんな君の幞せな時間を、僕が奪っおしたったんだよなぁ」

 棚の奥にしたっおいたアむスクラッシャヌを匕っ匵り出しおきた僕は、蚀いながらクラッシュアむスを䜜る。あのロックグラスも割れずに残っおいおベランダのミントも健圚、圌女がよく飲んでいた銘柄も僕はちゃんず芚えおいた。

 ボトルの栓を開け圌女に手枡す。圌女はりむスキヌを泚ぎ、口を付け──グラスを眮くず冷蔵庫から、炭酞氎のペットボトルを持っおきた。

「出産したら味芚が倉わっちゃったのよねヌ、フフッ。こんな飲み方、もう出来ないみたい」

 りむスキヌミストをハむボヌルに倉えながら圌女が蚀った。そしおチラリ、ずダむニングから続く子䟛郚屋ぞず芖線を送り、それから僕に向かっお「いただっお充分、幞せですよ」ず埮笑んでみせる。

 グラスにかかった霧の向こう偎の琥珀色は薄たっおいお、代わりに光が匟けおいる。その『光ず霧の狭間で』溶けおいる琥珀色の時間に、僕たちは、お互いのグラスをチン、ず合わせたのだった。

Next