ペンギンの搾り汁

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1/24/2026, 2:53:45 PM

「おっぱいって、怖いね」

人気のない公園で、幼馴染を膝枕していた時の事だ。
彼女は、私の方を見てそう言った。

「ん、どうして?」
「だってさぁ……」

その小さな唇は、淡々と言葉の続きを紡ぐ。

「こうやって下からおっぱい見てると、太陽が見えなくなるんだもん。なんか……世界の終わりみたいじゃない?」

前から独特な奴だとは思っていたが、ここまで変人だとは思いもしなかった。

同性の幼馴染に膝枕をねだられて普通に許す私も、人のこと言えないかもしれないが……。

「よく分かんない」
「下になってみれば分かるよ」

彼女はそう言って、体を起こした。
正座をし、その手で『おいで』と言うかのように膝を叩く。

「んっ」

柔らかな太ももに頭を埋めながら、私は空を見上げた。
いや、空は見ていない。

こいつのデカパイのせいでほぼ視界が遮られている。

影が落ちたその胸は、まるで宇宙だ。

青いはずの空に、果てしない宇宙が広がっているかのような景色。

太陽が消えてしまった事によって、光の反射がなくなり地球を覆う空が壊れてしまったかのような、そんな景色だ。

「終末だね」
「でしょ」

その小さな手は、私の頬に当てられた。
何度かムニムニと揉まれて、すぐに離れる。

そして彼女は、にんまりと口角を上げた。

「おっぱいは宇宙だ」

1/23/2026, 2:50:04 PM

エッチがしたいなぁ……って気分で寝ると、エッチな夢を見れる。

腹減ったなぁ……って気分で寝ると、飯をたらふく食う夢が見れる。

私が今朝見たのは、姉を殺す夢だ。
つまり、それは。

「おーい」
寝癖まみれの姉が、私の前で手を叩く。
ぼーっと、一人の世界に入り込んでいた私は、目を覚ましたかのように顔を上げた。

私はこの人を、殺したいと思っているのか?

「大丈夫そ?」
うーん……。
死んでほしくないなぁ、やっぱ。
こんな可愛い存在が家から居なくなるのは、嫌だもん。

「お姉ちゃん」
私の声に、彼女は安堵してため息を吐く。

「どうしたんだい、我が妹よ」
気取った感じに腕を組み、私の言葉を待つ。

「お姉ちゃん、死なないでね」
「え?」
私はそっと、彼女の頬を撫でながら、その唇に触れてみた。
顔が赤いけど、嫌では無さそう。
抵抗は、してこない。

「お姉ちゃん、やっぱ死んで」
私はやっぱり、この人を殺したい。

殺して、殺して。

他の誰にも、この可愛さを見てほしくない。

私だけの、お姉ちゃんだ。

1/22/2026, 1:20:18 PM

ある朝目が覚めたら、部屋の中にデロリアンがあった。

銀色の角ばったボディに、赤く光る計器類。

マジもんのデロリアンである。

いきなりここに転移してきたとか、そういう感じでは無さそう。
だって、壁に穴が空いてるから。

デロリアンの周りに瓦礫が散乱していて、壁に大穴。
たぶん、空から突っ込んで来たんだろう。

ここはマンションの5階だから、アクセルとブレーキの踏み間違いなんかじゃない。

バック・トュ・ザ・フューチャー2のデロリアンなら、たしか空も飛べたはず。

てなると、ここに来た経緯は納得できるが……もしかして運転手ってドク?

運転席を見てみた。居たよ。

確かに、あのドクが居た。

何から何まで、映画のドク、そのまんまだ。

ただ一つ、割れた頭から脳みそのかけらを垂らしてる点を除けば。

「おーい、おーい、聞こえますかー?」
彼の目の前で、手を振ってみる。
もちろん、反応は無い。
死んでる。

(困ったなぁ……壁の修理代、請求できないじゃん)

私は一瞬肩を落としかけたが、すぐに立ち直った。
思い出したのだ。

今、目の前にあるこの車は、タイムマシンじゃないか!
壁がぶち破られる前に戻って、ドクが死なないようクッションとか置けば、すべて丸くおさまる。

さぁ、時間旅行の始まりだ!

1/21/2026, 12:44:06 PM

私は今、抱かれている。

目を潤ませた女の子に、抱きしめられている。

なぜか。

思い出せない。

「ねぇ……私だけを見て」
その言葉は、全く無意味な物に感じられた。
だって、とうに私の視界は、その少女だけを捉えているのだから。

今更お願いされたって、何も変わらないのだから。

この子は、なんで泣いてるんだろう。

どうして、そんな目で見てくるんだろう。

理解出来ないし、して良いのかも分からない。

「うん」
肯定の言葉。
その短い一言だけしか、私には返せなかった。
極ありふれた単語。

そんな言葉なのに、彼女は口角を上げたんだ。

そして、私の体に回した手を、いっそうきつく抱きしめた。