ペンギンの搾り汁

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2/4/2026, 1:47:50 PM

「お姉ちゃん、キスしよう」
その言葉が妹の口から告げられたのは、今朝のことだった。
今は午後5時。
既に半日ほど経っているのに、彼女の言葉が、記憶に焼き付いて離れてくれない。

目覚めた瞬間、目の前に迫っていた妹の顔。
そして、例の言葉を言った時の表情。

その景色が頭を覆うたび、あの瞬間に戻ってしまいそうになる。

私は帰り道を進む足を止めて、道端にしゃがみ込んだ。

あと数歩足を進めれば、家に着く。
妹も、そこにいる。

もし、再びあの言葉を投げられたとしたら、私は今朝のように突き放せるだろうか。

多分、無理だ。

私はあの子が好きだから。

無理だと、思う。

あぁ、家に帰りたく無い。

妹の顔を見たく無い。

キス、したい。

1/29/2026, 1:18:17 PM

『恋』と『愛』は違うと言うが、『愛』と『食べたい』は同じだと思う。

愛がゼロだとして、『食べたい』はその延長線上……遥か彼方にある感情だ。
そこは、最果て。
つまり、最上級の愛とは『食べたい』なのである。

「やめっ、やめっ!」
小さな身体が、俺のことを必死に拒絶する。
頬に押し当てられたその手を、パクリとしゃぶってみた。

しょっぱい。

涙を拭った後の手は、しょっぱかった。

彼女は、俺を拒絶しているが、俺は彼女を『愛』している。
『愛』や『恋』と言う物は必ずしも相思相愛である必要はない。
一方通行であっても、『愛』や『恋』は成立するのだ。

だから、俺は今……この子を沢山愛している。
何よりも尊い、最上級の愛で。

「あ"あ"っ!!」
悲鳴が上がる。悲鳴?いや、雄叫びだろうか。
どちらにせよ、悲痛に顔を歪ませた彼女は……実に苦しげである。
あぁ、愛しい人。

その指を噛みちぎった時、綺麗に歯形が残った。
断面は歪ながら、確かに俺の歯並びを模している。

彼女の一部が、俺の中に今。はいった。

これでやっと、俺は彼女を愛せたんだ。

1/24/2026, 2:53:45 PM

「おっぱいって、怖いね」

人気のない公園で、幼馴染を膝枕していた時の事だ。
彼女は、私の方を見てそう言った。

「ん、どうして?」
「だってさぁ……」

その小さな唇は、淡々と言葉の続きを紡ぐ。

「こうやって下からおっぱい見てると、太陽が見えなくなるんだもん。なんか……世界の終わりみたいじゃない?」

前から独特な奴だとは思っていたが、ここまで変人だとは思いもしなかった。

同性の幼馴染に膝枕をねだられて普通に許す私も、人のこと言えないかもしれないが……。

「よく分かんない」
「下になってみれば分かるよ」

彼女はそう言って、体を起こした。
正座をし、その手で『おいで』と言うかのように膝を叩く。

「んっ」

柔らかな太ももに頭を埋めながら、私は空を見上げた。
いや、空は見ていない。

こいつのデカパイのせいでほぼ視界が遮られている。

影が落ちたその胸は、まるで宇宙だ。

青いはずの空に、果てしない宇宙が広がっているかのような景色。

太陽が消えてしまった事によって、光の反射がなくなり地球を覆う空が壊れてしまったかのような、そんな景色だ。

「終末だね」
「でしょ」

その小さな手は、私の頬に当てられた。
何度かムニムニと揉まれて、すぐに離れる。

そして彼女は、にんまりと口角を上げた。

「おっぱいは宇宙だ」

1/23/2026, 2:50:04 PM

エッチがしたいなぁ……って気分で寝ると、エッチな夢を見れる。

腹減ったなぁ……って気分で寝ると、飯をたらふく食う夢が見れる。

私が今朝見たのは、姉を殺す夢だ。
つまり、それは。

「おーい」
寝癖まみれの姉が、私の前で手を叩く。
ぼーっと、一人の世界に入り込んでいた私は、目を覚ましたかのように顔を上げた。

私はこの人を、殺したいと思っているのか?

「大丈夫そ?」
うーん……。
死んでほしくないなぁ、やっぱ。
こんな可愛い存在が家から居なくなるのは、嫌だもん。

「お姉ちゃん」
私の声に、彼女は安堵してため息を吐く。

「どうしたんだい、我が妹よ」
気取った感じに腕を組み、私の言葉を待つ。

「お姉ちゃん、死なないでね」
「え?」
私はそっと、彼女の頬を撫でながら、その唇に触れてみた。
顔が赤いけど、嫌では無さそう。
抵抗は、してこない。

「お姉ちゃん、やっぱ死んで」
私はやっぱり、この人を殺したい。

殺して、殺して。

他の誰にも、この可愛さを見てほしくない。

私だけの、お姉ちゃんだ。

1/22/2026, 1:20:18 PM

ある朝目が覚めたら、部屋の中にデロリアンがあった。

銀色の角ばったボディに、赤く光る計器類。

マジもんのデロリアンである。

いきなりここに転移してきたとか、そういう感じでは無さそう。
だって、壁に穴が空いてるから。

デロリアンの周りに瓦礫が散乱していて、壁に大穴。
たぶん、空から突っ込んで来たんだろう。

ここはマンションの5階だから、アクセルとブレーキの踏み間違いなんかじゃない。

バック・トュ・ザ・フューチャー2のデロリアンなら、たしか空も飛べたはず。

てなると、ここに来た経緯は納得できるが……もしかして運転手ってドク?

運転席を見てみた。居たよ。

確かに、あのドクが居た。

何から何まで、映画のドク、そのまんまだ。

ただ一つ、割れた頭から脳みそのかけらを垂らしてる点を除けば。

「おーい、おーい、聞こえますかー?」
彼の目の前で、手を振ってみる。
もちろん、反応は無い。
死んでる。

(困ったなぁ……壁の修理代、請求できないじゃん)

私は一瞬肩を落としかけたが、すぐに立ち直った。
思い出したのだ。

今、目の前にあるこの車は、タイムマシンじゃないか!
壁がぶち破られる前に戻って、ドクが死なないようクッションとか置けば、すべて丸くおさまる。

さぁ、時間旅行の始まりだ!

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