ペンギンの搾り汁

Open App

「お姉ちゃん、キスしよう」
その言葉が妹の口から告げられたのは、今朝のことだった。
今は午後5時。
既に半日ほど経っているのに、彼女の言葉が、記憶に焼き付いて離れてくれない。

目覚めた瞬間、目の前に迫っていた妹の顔。
そして、例の言葉を言った時の表情。

その景色が頭を覆うたび、あの瞬間に戻ってしまいそうになる。

私は帰り道を進む足を止めて、道端にしゃがみ込んだ。

あと数歩足を進めれば、家に着く。
妹も、そこにいる。

もし、再びあの言葉を投げられたとしたら、私は今朝のように突き放せるだろうか。

多分、無理だ。

私はあの子が好きだから。

無理だと、思う。

あぁ、家に帰りたく無い。

妹の顔を見たく無い。

キス、したい。

2/4/2026, 1:47:50 PM