塩サバ

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3/21/2025, 3:42:27 PM

卒業式が終わっても、私たちは解散する気にはなれなくて、約束通り夜の街を歩き出した。

こんなに大人数での居酒屋で、初めてのメンツで乾杯し、いつもは話さなかった人とも当たり前のようにふざけあって、それでもふとした瞬間に「もうみんなでこうして集まることも減るのかな」なんて考えてしまう。でも誰もそれを口には出さない。
店を出ても解散する空気にはなれなくて、酔いを冷ましながら歩いてカラオケに向かった。普段は一緒に行かない子が突然マイクを握って全力で歌い出したり、みんなで懐かしい曲を合唱したりした。静かな曲縛りでいこう。なんて言いながら歌って、笑いながらも胸がぎゅっと締めつけられる感覚があった。泣きそうなのをごまかすために、わざとテンションを上げてバカ騒ぎした。疲れているはずなのに、誰も寝ようとしない。狭い個室にぎゅうぎゅうに詰まって、「トレーニングって良いよな」「新居のシンクが狭い」なんて、どうでもいい話を延々と続けた。きっと、話が尽きたらこの時間が終わってしまう気がして怖かったんだと思う。
朝が近づき、外に出ると、冷たい空気が一気に現実を突きつけてきた。眠気でフラフラになりながら、「じゃあ、またね!」と手を振る。誰も「最後」とは言わなかったけど、たぶん心のどこかで、それを感じていた。

そして、ひとりになった途端、涙が溢れてきた。

みんなの笑顔が、ふざけた声が、夜の景色が、全部一気に頭に心に押し寄せてきた。寂しいとか、楽しかったとか、いろんな感情がぐちゃぐちゃになって、涙を止められなかった。こんなに楽しい夜を過ごしたのに、どうして最後はこんなに苦しくなるんだろう。

それでも、みんなと見た景色は、私の心の中にずっと残り続けると思う。消えるわけない。何年経っても、あの夜を私は絶対に忘れない。



2025/03/22 君と見た景色

3/19/2025, 6:07:26 AM

卒業式が終わった。
今まで当たり前のように毎日を過ごした友達と離れ離れになる実感が湧いて苦しくなる。
謝恩会、2軒目、カラオケ、、、朝までみんなで楽しく話した。今までこんなに大人数で飲み会したり遊びに行ったりしてこなかったから、こんなに盛り上がれるならもっと早く企画すれば良かったねと言う子が居た。私は何か逆な気がした。最後だからこんなに大人数で朝まで遊ぶんだと思った。それに気づいて、本当に最後なんだと自覚する。
式でも謝恩会でも2軒目でもカラオケでも不思議と涙は出なかった。みんなと解散した後1人になり、酔いを覚ますべく深く深呼吸をした。息を吐き出した途端、なんの前触れもなく涙が溢れてきた。涙と一緒に入学からの思い出が動画のように再生され溢れ出した。二度と会えない訳では無いとわかっているのに、どうしても時間を巻き戻したくなった。正直私の中学時代は、最後にこんな事を思えるような時間ではなかった。もちろんまあ色々あった。だからか、友達にあまり自分の意見を言わなかった、主張をしなかった。聞く人が聞けば悲しいかもしれないが、結局今現在、定期的に連絡を取り合う相手さえ居ない。そんな私がこんなにも学校に行く理由を探している。毎日連絡を取り合えなくなっていく現実から目を背けたい。あー、どうしよう。みんなが居ない毎日はとても心細い。だからこそ、今の友達といる時間はすべて一生モノだと胸を張って言える。本当に楽しかった。
みんなの事を心の底から本当に愛している。

2025/03/19 大好き

2/16/2025, 6:43:22 PM

気がつけば、学生生活の終わりが近づいていた。毎日当たり前のように過ごしてきた日々が、もうすぐ思い出に変わってしまう自覚が芽生えた。

朝、教室に入ると聞こえるゲームの音、友達の声、どうでもいいような話で大騒ぎし、授業中に堂々とレポートを書く。何気ない日常のすべてが、かけがえのない時間だった。漠然と終わりは来ない気がしてた。
試験前に徹夜で勉強したこと、文化祭の準備を全力でして大雨の中片付けたこと、クラス内でやったプチ運動会。そのひとつひとつが、どれほど特別な瞬間だったか今更気づいた。

学校に行くのもあと2日か、、、とつぶやく彼に、卒業したくないなと周りが笑ってみせる。本当はその場に居た全員が心の底から思っていたのだろう。

どうか、この時間がずっと続いてほしい。

時間よ、止まれ。
もう少しだけ、この最高の時間の中に留まっていたい。


2025/02/17 時間よ止まれ

2/14/2025, 7:31:14 PM

あの頃、どこにいても居場所がないような気がしてた。誰かといても、ひとりでいるような寂しさがずっとつきまとってた。それでも今、まだやれるって思えるのは側にいてくれた人のおかげ。

友達へ。ふざけ合った昼休憩、くだらない話で笑い転げた日々。悩んでるのに「大丈夫」なんて言ったときも、何も聞かずに隣にいてくれた。気づかないふりをしてくれて、ありがとう。みんなと過ごした時間は、どんなに傷ついた日よりもずっと大切で心に残る。

先輩、後輩へ。憧れだった先輩の背中、私もああなりたいって必死に追いかけてた。時には怖くて、時には優しくて、先輩方が受け継いできた伝統が、気づけばそんな背中が、私自身を形作ってた。後輩たちは、どんな私でも慕ってくれて、頼られることで強くなれた。先輩としてカッコよくいたかったけど、結局、みんなに支えられてた。みんなのおかげで充実した。

先生へ。学校だけが世界だと思ってたあの頃、自分の居場所は狭くて、小さなことで絶望して、勝手に諦めかけた。でも先生の言葉が、心の奥でずっと響いてた。「とにかく楽しみなさい。」って、「君は強い。」って、本当は何の根拠もなかったのかもしれない。それでも叱ってくれたから、信じてくれたから、ここまで来れた。

いじめられた中学時代。私はどこにいても透明人間で、綺麗さっぱり消え去りたいと思ってた。無視されるのが普通で、笑われるのが日常で、痛みは慣れない当たり前になった。でも、その痛みの分だけ、強くなれた気がする。偽善じゃない優しさも、同じ環境の人に声をかける勇気も、あの時間がくれた。
久しぶりに再会した同窓会、覚えているのは私だけだった。まだまだ憎しみが消えるわけじゃないけど、そろそろ感謝に変えられる気がする。

唯一夢中になれた部活。すべてが嫌いだったあの頃に、唯一逃げ込める場所だった。悔しくて、苦しくて、もうダメかもって思ったことなんて何度もあった。でも、それでも続けた自分を誇りに思う。泣きたくなるほどの努力は、確実に私を変えてくれた。あのときの自分、あの場所、私の仲間はいつも最高だった。

苦しい時期には毎日繰り返し聴いたちゃんみな。痛みは美しさに変わるって、今なら信じられる。


2025/02/15 ありがとう

2/13/2025, 1:05:29 PM

いつも一緒にいるのが当たり前だった。

朝の挨拶、何気ない雑談、授業中にこっそり交わす視線、放課後の他愛ない時間。そんな日々が、もうすぐ終わる。
最後の授業日。
曲者揃いの教室で個々が尊重されている居心地の良さ、ふざけ合う声に、笑い合う顔も、いつもと変わらないはずなのに、胸の奥に何かがつっかえる。卒業なんて、まだ実感が湧かない。でも、カレンダーは確実にその日へと向かっている。

人生で初めて、学校が楽しいと思えた。行く意味を感じた。
クラクラするくらい笑えて、なんでも話せる友達ができた。
かけがえのない時間をくれたみんなが、もうとっくに私の日常になっている。

だから、大きな声では言わないし言えない。
でも本当は、涙が溢れるくらい寂しいよ。

2025/02/13 そっと伝えたい

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