塩サバ

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2/10/2025, 7:31:46 PM

思い返せば、もうずっと前、小学生の頃から、夜に眠れないことがあった。ただ目が冴えているだけの日もあれば、どうしようもなく気持ちが沈む夜もあった。

今日もそうだ。理由なんてわからない。ただ、漠然とした不安が胸の奥に広がり、心臓が重たくなる。この先、何が待っているのかなんて誰にもわからないのに、それが怖くてたまらなくなる。
ベッドの上でじっとしているのが苦しくなり、ベランダに出た。見上げると、雲が広がり月も顔が出せないようだ。でも、今日は、見えない星を見つめ、ただ願うこと自体に意味がある気がした。

「絶対大丈夫。」

小さくつぶやく。誰に聞かせるでもなく、ただ自分の心に刻むように。雲が裂けると、静かな夜の中で、星は変わらずそこにあった。それだけで、少しだけ救われた気がした。

2025/02/11 星に願って

2/2/2025, 11:27:12 AM

部屋の片付けをしていたら、クローゼットの奥にしまいこんだ箱から小さな封筒と封もされず折りたたまれた紙が出てきた。

どちらも少し色あせていて懐かしさを感じる。折りたたまれた紙には、右肩上がりの不器用な文字で
「好きです。付き合ってください。」
と書かれていた。

中学のころ、同じクラスだった彼。私の隣の席に座っていて、いつも私をからかってばかりいたくせに、何気ないときに優しくしてくれた。そんな彼が珍しく真剣な顔をして少し震える手でくれたこの手紙を、私は驚きと戸惑いの中で受け取った。
その日の夜、私も彼に手紙を書いた。彼のあんな顔を見るのは初めてで、何度も書き直し、言葉を選びながら手紙をしたためた。
放課後、手紙を渡そうと彼を呼び出した。だけど、私に呼び止められた彼の顔を見た瞬間、手紙を渡すのが惜しくなった。

言葉で伝えたい

そんな思いが湧き上がり、私はポケットの中で握りしめていた手紙から手を離した。そして、震える声で彼の胸の辺りを見ながら言った。

「伝えてくれてありがとう。私も好きだよ。」

恐る恐る彼の顔を見ると、驚いたように目を見開いた彼がニカッいつもの顔で笑った。その笑顔を見て、私はこれでよかったのだと確信した。

あの日の空気の温度も、夕暮れの色も、まだ鮮明に覚えているのに、その後の記憶は少しずつぼやけている。私は二通の手紙をそっと重ねた。彼からの手紙と、私が渡せなかった手紙。

あのとき、言葉で伝えることを選んだ私を、今は誇りに思う。

もう過去には戻れないけれど、この手紙を見つけたことで、私はあの頃の自分ともう一度向き合えた気がした。新しい生活が始まる今、もう一度勇気を持って進んでいけるような気がする。



2025/02/02 隠された手紙

1/30/2025, 6:38:22 PM

まだ見ぬ君はどこで何をしているだろう。
私が今こうして言葉を綴っている間に、君はどんな景色を見て、どんな決断をして、どんな人と出会っているのだろう。

私は今、不安の中に取り残されて、ちょくちょく歩みを止めながら生きている。選んだ道が正しいのか、自分は本当に進むべき方向に向かっているのか、答えのない問いを繰り返している。きっと君も、同じようなことを考えた日があっただろう。でも、それでも前に進んできた君がいる。私はまだその姿を知らないけれど、君がいるということは、私がこれから乗り越える壁の向こうに、未来はちゃんと続いているということだ。

だから、私はこの瞬間を生きる。

君が笑っていることを願ってる。たとえ涙を流す日があっても、消えたくなるような思いをすることがあっても、その先に「よかった」と思える瞬間があればいい。私はそのために今を生きる。

まだ知らない君へ。
どうか、自分の選んだ道を誇りに思っていてほしい。
後悔させないから、信じて待ってて。



2025/01/31 まだ知らない君

1/7/2025, 5:51:18 PM

今日の風はとても強い。
雪がまじる冷たい風が肌をかすめた午後、灰色の空が広がる中、肺が凍るほど大きく息を吸って私は決意した。

隠し通そう。

1度出会っているのに、久しぶりに会うとなんだか照れくさくてビビって話しかけられなかった。それでも気になってあなたを見つめていると、あなたという人に惹かれていた。
真剣な表情や子供っぽい笑顔、行動の端々から滲み出る優しさに、気づけば夢中になってしまった。

凍てつくような追い風が胸をすり抜けるたびに、胸の中でくすぶっていた迷いが少しずつ前に進んで、伝えるべきじゃないって言われた気がした。
澄んだ空気が安全な方に向かって私の背中を押した。


2025/01/08 (追い風)

1/5/2025, 5:50:56 PM

雲ひとつなく澄んだ冷たい空気と山から射し込む日光。見慣れた光景を今年も同じように見た。

私の中で新年といえば、たまにしか会わないいとこ達と祖父母の家で遊ぶというイメージ。
Wiiや3DS、スマホゲームを何時間もした。もちろん羽子板や缶けり、鬼ごっこの様な定番な事はしたし、梅の木の下に秘密基地を作ったり、忍者に憧れて忍者ごっこをしたりと変な事も沢山して遊んだ。
いい事も悪い事もみんなで散々したが、必死に走り回ったり、隠れたりと、記憶に鮮明に残っているのは冬晴れの中した事だった。

何度も訪れた田舎の祖父母の家に来年からはあまり来れなくなると思うと、小さい頃が懐かしくなって祖父母の家の敷地内をふらっとまわった。
ここに隠れるのは定番だった。
ここは缶けりの缶を置く場所だった。
ここから鬼の様子をうかがった。
ここはみんながよく転ぶ場所。
ここは暖かくてかくれんぼには最適な私だけが知っている穴場スポット。
それぞれの場所で思い出が蘇った。思わず当時の目線で写真を撮った。


結局何が言いたいのか、上手くまとまらないし書けてない事は私がよくわかってる。
ただ私の冬晴れってだいたいこんな感じなんです。。

2025/01/06 (冬晴れ)

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