「1年間を振り返る」
「おとーしゃん、ぜんぜんかえってこないー!やー!」
「もうちょっと待っていようね、⬜︎⬜︎。」「しゃっきもきいたー!もうちょっとってどのくらいー?!」「……。」
「それじゃ、突然だが、この1年間の振り返りをしよう!」「ふりかえりー?」「そう!振り返り!」「て なにー?」「知らないかー……。」「んー!」
「振り返りっていうのはね、あ、ニンゲンくんもよければしようよ!」「……なんで自分まで……。」「起こされて不機嫌だね!」「……うるさい。」「ハイハイ、悪かったよ!」
「振り返りというのは、ある期間で起こったことを懐かしんだり、はじめに立てた目標までどのくらい近づけたかを話し合うことだよ!」「へぇー!わかった!」「えらいぞー!」「ん!」
相変わらず仲良しなきょうだいだ。
……この機械のきょうだいを創り上げた、彼らにとっての父親って、どのくらいすごいひとだったんだろう。
「すごいなんてものじゃあないよ!伝説とでもいえばわかるだろうか!」「ん!おとーしゃん、すごいこなの!やしゃしくてねー、かちこくてねー、えとねー。すごいこ!」「そう!」
「……あ、そうそう!この1年を振り返るんだったね!」
「この1年間、あっという間に過ぎていったねえ!」「んー!」
「まずはアレだね!ニンゲンくんとの出会い!」
「こう見えてボクとニンゲンくんは、今年出会ったばかりなんだ!なんだか感慨深いねえ……!」
「最初はもっと毒舌だったよな、マッドサイエンティストって。」「あれー、そーだったかなー?おぼえていないなあー?」
「もっとひとを見下してる感じだった。」「人聞きが悪いぞ!」
「……まあいい。キミに会いに来たのは紛れもない、この宇宙を救うためだった。」
「宇宙を救う間、色んな仲間に会ったよね。アーカイブ管理士や整備士、もちろん、旧型管理士の⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎や理想的な宇宙管理士の概念である◇◇◇だって同じ宇宙を守る仲間だ。」
「出会ったのは宇宙管理士たちだけじゃない。この宇宙で、たくさんの草花や動物にも触れたね!たんぽぽの綿毛も、ふわふわのねこちゃんも、とってもかわいくて……ボクには至らないが!」
「桜餅っていうとーーっても美味しいお菓子にもたどり着けた!!!最高だよ!!!」
「……それから、⬜︎⬜︎。キミにもまた会えた。」「⬛︎⬛︎ちゃん……!」「まさか宇宙の崩壊を引き起こした元凶だったとは思いもしなかったよ!」「むー!」
「ずーっとひとりぼっちで、辛かったろう?……はやく助けられなくてごめんね。」「んーん!ボク、⬛︎⬛︎ちゃんとねー、ニンゲンしゃんとねー、おとーしゃんにあえてうれちいの!」
「おっきくなったらボクがんばるね!みんなといっちょにおちごとしゅるのー!」「えらいねー!」「えへへ〜!」
……かわいい。思わず頭を撫でた。「もっとなでなで!ちてー!」
「ニンゲンくん!」「?」「キミも振り返ってみたまえよ!」
……あんたとだいたい一緒だけどな……。「そうなのかい?」
思えば、ずっとひとりだった自分のところに機械達が来てだいたい1年経った。
彼らはずっと進み続けている。
だけど、それ以外、自分は変わったのか?
良い方向に、自分を変えようとしただろうか。
「ニンゲンくん……?」
「なに、そんなに焦ることはない。無闇に自分を変えようとしても、辛いだけさ。」
「無理せず、キミのペースで楽しめばいい!」
「来年は、それだけ気にすればいいよ!……ねぇ、⬜︎⬜︎?」
「んー?ん!」「……話を聞いていなかったね?」「ん。」
「そうだ!せっかくだから、来年の抱負を決めておこう!」
「ボクは、みんな来年も平和に暮らしていくことを願って仕事をするよ!ボク自身はこれ以上完璧を目指せないからね……なーんて……フフフ!」
「⬜︎⬜︎は?」「ね」「?」「ほーふ?てなに?」「目標みたいなものだよ!」「んー……。らいねんはもっといいこになります!」「立派な抱負だね!」「やたー!」
「そうだ、ニンゲンくんは?」
「……。」「無理せずキミのペースで楽しむこと、だよ!」
「あ、うん。」「……どうしたの?」
「呼び鈴が鳴ったから出ようと思って…… 。」
「タイミングが悪いなあ!!一体誰なんだい?!」
「ちょっと出てくる。」「任せたよ!」
もうほとんど夜みたいな時間だって言うのに……とか思ったけど、もしかしておちび達の……。
自分はとりあえず玄関に出た。
「……はい。」
「こんばんは、ニンゲンさん。」
「あ……どうも。あなたの子供たちも、帰りを待っていましたよ。」「どうも、いつもありがとうございます!」
「おーい、おちびたちー。お父さんが帰ってきたぞー。」
「おとーしゃん!かえってきたってー!」
「おや!……それじゃあ───」
「宇宙で一番温かい年の瀬といこうじゃないか!」
「冬休み」「みかん」12/28、29
入力した内容が投稿前に消えちゃった……( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
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「やぁ、ニンゲンくん!」なに?忙しいんだけど。
「キミには冬休みっていうものがないのかい?」
あれば今忙しくしてないよ。「それはそうだね……。」
「にんげんしゃー!きいてー!」今度はちっこいのもきた。
「おとーしゃんがただいましゅるってー!」「冬休みで?」「わかんないのー!ボクたちにあいたいっていってたの!」
「もーしゅぐおかえりちないとねー!」嬉しそうに飛び跳ねてる。そんなにお父さんのことが好きなんだな、この子達は。
小さい機械達の笑顔を見つめていると、呼び鈴が鳴った。
もう来たのか、お父さん。……にしても早すぎないか?
「……はい。」「あ、どうも、隣に住む者です。……みかん余ってるので、よければどうぞ。」「ありがとうございます。頂きます。」
紛らわしいタイミングで珍しいお客さんが来て驚いた。
あとでみかんはおちびたちにあげるとするか。
「おとーしゃ?」「違ったよ。代わりにみかんを貰っちゃった。」「おみかんきたのー?!おいちそー!」
早速おちびはみかんを弟にむいてもらって食べ始めた。
「ニンゲンしゃーん!おいちいよ!いっちょにたべよ!」
腕をぶんぶんして喜んでいる。
この間出したこたつに入って、自分もみかんを食べる。
……美味しい。みかんなんか随分と久しぶりに食べた気がする。自分で果物を買うってこと、あんまりしないから。
「⬛︎⬛︎ちゃん、おとーしゃんのおみかん、おいといてあげてね?」「当然!」
子どもたちも喜んでるみたいだ。よかった。
……にしても、少し前まではクリスマスで盛り上がってたような気がしてたのに、もうあっという間に冬休みかつ年末年始のシーズンになった。
思えば、弟のマッドサイエンティストに出会ってから一年弱、兄のふわふわおちびがうちに住み始めてから3ヶ月くらいか。
つくづく時の速さには驚かされる。
みんな、一年間ありがとう。
来年もよろしく。
……なんて思いながら、自分はこたつで眠ってしまった。
「手ぶくろ」
「あ」「手袋変えたん?」
「うん」
「じゃあさ」
「なに?」
「決闘を申し込むごっこしようぜ!」
「なんて??」
「決闘を申し込むごっこ。」
「……わかった(??)」
「わかるなよ」
「理不尽」
「決闘を申し込むごっこは簡単!手袋を地面に叩きつけて、『決闘を申し込む!』って相手に言う。だけ。」
「いつの時代の遊びだよ。」
「知らん」
「えぇ……?」
「というか」
「なに」
「それを新品にしたばっかりの俺にやらすん?」
「うん」
「鬼畜がよぉ」
「辛辣〜!」
「んじゃ先攻は俺から。」
(軍手を思いっきり叩きつける)「決闘を申し込む!!!」
「軍手?!準備万端かよ」
「次はお前な!」
(軍手を奪い取って叩きつける)「決闘を!!申し込む!!!」
「だるいって取んなよ〜!」
「いい『決闘を申し込む』が出来たら返すわ」
「それじゃ!」
(another軍手)「決闘を!!!申し込む!!!!」
「他に軍手あったのかよ」
「ほら、お前の番だぞ」
「決闘を申し込む!!!」
「ちなみに」
「ん?」
「軍手の貸出料金は1回あたり150円です。」
「金取んのかよ」
「冗談」
「ビビるわ〜」
その後も戦いは続き……
「決闘を……申し込む……!」
「……決闘を……申し込む!」
「ハァ……ハァ……いい申し込みじゃねーか……!」
「ハァ……ハァ……そっちもな……!」
「おーい、そこのふたりー!」
「「はい」」
「決闘罪で現行犯逮捕だ」
「「は?!!?!?!!!??!!」」
「河川敷で決闘しているという複数の通報があったから駆けつけ
たら本当にやってたからびっくりしたよー。」
「違いますって!!これはただの遊びですよ!」
「よく見てください!上の方に書いてるじゃないですか!」
「メタいこと言うな」
「……本当に書いてあった。今後は気をつけなさい。」
「「はい……。」」
「……焦ったー!」
「危なかったー!」
「「……ってか。」」
「「お前のせいだろ!!!」」
「なんだよ『決闘を申し込むごっこ』って!!!」
「はぁ?!乗ってきたのはそっちだろ!!!」
「何!」
「やんのか……?」
「……へぇ?」
「「決闘を申し込む!!!」」
「変わらないものはない」
少し前に見た夢の話をします。
私はどうやら塾のような、大学の小さな部屋のような空間にいました。そこでどうしても理解できない物語の問題が出てきて頭を抱えています。
そんな時、ヒントなのでしょうか。不思議な映像が頭の中に流れ込んできました。
その物語には双子(?)の猫の弟「オトウトスイセン」が、兄の「アニタケノコ」に対して大きな劣等感を抱えていて、もうどうしようもない気持ちになっていました。
なので、兄をナイフで殺し、そのケジメとして自分も地下鉄に飛び込み死んでしまおうと考えました。
ですが本当は兄のことが大好きで、殺したくなんかはないんです。主人公の「〇平成吉」(みたいな名前でした。主人公の名前がわからないのも珍しい気がします)が諭して引き留めます。
そして、「崩れかけていた」世界は元に戻りました。
めでたしめでたし……かと思いきや、自分が世界を変えたことに浮かれた主人公は、自分の都合のいいような、自分を飾りつけるような有る事無い事を言いふらします。
目的は不明ですが、どうやら主人公は舞台となっている学校のような場所から出たいようです。閉塞感だったのか、それとも好奇心だったのか、彼をそうさせた原因ははっきりとわかりません。
とにかく、ここから出たいという気持ちがあったようです。
主人公は、変化の起こりやすい(らしい)渡り廊下の窓ガラスに向かって、現実世界で「嘘」と呼ばれることをたくさん言ってみました。すると彼の狙い通り、窓ガラスが開きました。
他の窓の外には明るい青空が広がっているのに、自分が開けた窓の外には真っ黒い雲のようなものが渦巻いています。
不気味に思ったのも束の間、主人公は窓の外に吸い込まれてしまいました。そしてそのまま真っ逆さまに落ちていきます。
気付けば真っ暗な景色に包まれた校舎の外に出ていました。
そして、赤黒くて大きな「嘘」の種が大量に、あちらこちらから芽吹き始めていることに気づきます。
それはそれは、不気味でした。
恐れ慄いた主人公は、なんとか戻る方法を考えますが、どこにも入り口はありません。
それに、内側にいる友達はいつも通り楽しく過ごしているようです。どうやら主人公がいなくなったことに気付いていないどころか、主人公の存在さえ覚えていないようです。
それに絶望した主人公は、より一層強く戻りたいと思うようになりました。
ここで、幸か不幸か、主人公のことを覚えている登場人物がひとりだけいることがわかります。そう、オトウトスイセンです。
「兄を殺してしまいたい」という「嘘」の気持ちを抱いたことのある彼もまた、嘘の存在を認識しているので、内気ながらも頑張ってアニタケノコ達に消えた友達のことを相談します。
そして、優しいアニタケノコ達は、忘れてしまった「主人公」を助けに行くことにしたのでした。
「でもどうやって?」
誰かが呟くと、賢いアニタケノコはこう言います。
「学校でいなくなったのなら、学校をくまなく探せばいい」
しばらく探し続けると、様子のおかしな窓がありました。
そうです。主人公が開けた窓です。よく見ると、本当に自分たちと同じくらいの年齢の少年がいるではありませんか!
そうして彼らはその主人公である少年を助け出します。
急がないといけない気がして、彼らは自分たちを梯子にして、少年に登ってもらうことにしました。
強い風や雨に邪魔されながらも、彼らは懸命に闘います。
そうしてようやっと、主人公を助けたのでした。
主人公を救い、窓を閉じたことによって、この世界と嘘の芽生えた世界を切り離すことができたのです。
めでたしめでたし……。
かと思いきや、今度は嘘をつくとそれが本当になってしまう、「人間(に似た生き物?)の世界」の話が映し出されます。
こちらの世界では、「嘘」を認識している数少ない人だけが得をしています。
例えば、「全てのテストの答えを見た」と思うだけで、その人は「全てのテストの答えを見た」ことになります。
たとえ一問も間違うことがなくても、受けたことのない授業のテストの答案と答えを知っていようとも、黙っていればバレることはありません。
だってそれが「現実」なのですから。
ですがある時、ある学校で「嘘が現実になる」ことがバレてしまい、校内はめちゃくちゃになってしまいます。
テスト中にレストランの食事が出来たり、宙に浮く教室に入れば、無理矢理踊らされるもののただでご飯が食べられたりなどなど、めちゃくちゃな嘘をつく人のせいで大騒ぎです。
そんな中、この状況に立ち向かおうとした大学生がいました。
さっきの世界の猫達のように、色んな嘘を駆使してトリガーとなった「窓」を探します。
ようやく見つけられましたが、彼はふと思いました。
「別にこの世界も、悪くはないかも……?」
そうして、彼は窓を閉じるのをやめてしまいました。
彼はめちゃくちゃな現実を受け入れることにしたのです。
嘘と現実が混在する世界は、いつの間にかあなたのすぐそばまで迫ってきているのかもしれません。
おしまい。
「クリスマスの過ごし方」
クリスマスの過ごし方……ですか。
理想ならありますよ!
例えば……。
当日はふわふわ舞う雪の中、友達か恋人と一緒に出掛けて美味しいものを食べに行ったり、映画を観に行ったり、イルミネーションの写真を撮ったり……。
でも!!!でもですよ!!!現実は!!!無情!!!
実際は!!!ひとりで病院に行って話を聞き流され!!!お金がなくて買い物はできず!!!別の病院に行って心電図検査に引っ掛かり!!!挙げ句の果てには風邪を誰かからうつされる!!!
クリスマスなのに!!!どうして?!!
まあでも?!!だれかの不幸を代わりに被っている、つまり、誰かが幸せに過ごせたと考えたら!!!それもいいかなー!!!
んなわけないだろ!!!
流石に押し寄せすぎだよ!!!
もっとゆっくり来なさい!!!
ハァ……ハァ……。
……どうしてこうなった……!
でも、昨日食べたソフトクリームが美味しかったのでヨシとします!
皆様、メリークリスマスでした!