「好き嫌い」「あじさい」6/12、6/13
入力した内容が消えてしまったから書き直したよ!!!
これ書くの何回目だろうね!!!泣きそう……( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
まあいっか!!!
+゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+
最近、あいつの様子が変だ。
なんていうか、落ち着きがない……これはいつものことだな……とにかく不安そうというか。
何にも言わないが、おそらく何かあったに違いない。
こういう時、自分は何ができるんだろう。
……いや、迂闊に変なことすると心配してるのがバレそうか。
とりあえず、いつも通り振る舞おう。
「おはようニンゲンくん!!!朝なのに暑いね!!!」
あぁ、おはよう。
「今日はだし巻きサンドを作ってみたよ!!!」
そういや昨日テレビでやってたっけ。
いただきます───ジャリッ?!
うわっ、デカめの殻が入ってた!
作ってもらいながら文句は言いたくないけど……あんたがこんなミスするなんて珍しいな。
「……あ、あぁ、それねえ〜!!!キミちょっとカルシウムが足りてなさそうだったからタマゴの殻を入れてみたんだよ〜!!!」
……?
「好き嫌いはよくないよ!!!ちゃんと食べたまえよ〜!!!」
流石に無理があるだろ。
全く、最近どうしたんだよ?なんかずっと変だぞ?
「ん???……ぁ、いや〜?!!なんでもないが?!!」
……隠し事が下手すぎる。
「それはそうと!!!ちょっと前に雑誌で見たコレ!!!ボクも食べてみたいのだよ!!!お家で作れる『あじさいパフェ』!!!材料は揃っているからキミもどうだい?!!」
……完全にはぐらかされた。
まあでもこいつの気分転換になればいいかな。
「わーい!!!」
「作り方はカンタン!!!バタフライピー、それからぶどうジュースをゼラチンに混ぜて!!!固まるまで待つ!!!」
「そして固まったものがこちらでございます!!!」
「それから!!!固まったゼリーを細かく刻んで!!!」
「あとは好きに盛り付けてくれたまえ!!!」
急にこっちに投げるな。
「ほら!!!色々取り揃えているよ!!!氷を削ってかき氷にもできるし!!!ソーダを加えればあじさいポンチも作れる!!!」
なるほど。色々作りようがあるってことか。
「その通り!!!好きなものを試すといい!!!」
それじゃあ……最近何があったんだ?
「そうそう!!!……うわあ唐突にフェイントかけてくるね。」
「機密事項に触れることだからね……。信頼しているとはいえ助手のキミにもちょっとお話はできないなぁ……。」
……相当動揺してるな。少し前逮捕状が出されてからなにかあったってことは分かったが、話せないほどの事が起こったとは思ってもみなかった。
でも、だからと言ってだな。
「ん???」
流石に紙皿を食うのはやめろ。
「これはあああれだよ『肉食らえば皿まで』みたいなさあ!!!アレだよ!!!ボクもやってみたくなってね!!!」
おい!ちょっと落ち着けって!!
……これはもはや生活に支障をきたすレベルだ。
どうにかして落ち着かせないと。
何かいい方法はないのか……?
「街」
「やあ!!!来たよ!!!」
「……なんでお前がここにいるんだ?」
「こんにちはぁ!数日ぶりなのですぅ!」
ここは宇宙管理本部アーカイブ管理室。
アーカイブ管理室では過去に使用されたものやデータが大量に保存されており、それを管理する者が───
「そう!!!彼らというわけだ!!!」
……。
「でも、確かにどうしてここに来られたのですぅ?」
「そりゃあ用があるからだよ!!!」
「それくらい分かる。」
「というかどうやって勝手に入ってきた?!ただでもここに不正アクセスして物を盗んだ容疑が晴れていないのに!どうしてこんなにややこしい時に来るんだ!証拠隠滅か?」
「色々とちがうよ〜!!!ボクはちゃ〜んとアーカイブ管理士の資格も持ってるし!!!入室許可も得てから来た!!!それから!!!ボクはなんにもしていない!!!」
「わたしも付き添いますので、きっと大丈夫なのですぅ!」
「キミは話が分かるねぇ〜!!!素晴らしい!!!」
「えっへんなのですぅ!」
「それじゃあ、後輩くん!!!よろしく頼む!!!」
「はーい!!!」
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「ところで、キミが倉庫に入るのは初めてなんだよね???」
「はいぃ。ちょっと暗くて怖いのですぅ……。」
「ここにあるものは凍結保管されているから大丈夫だよ。」
「この辺りには色んな宇宙のデータが……ほら、これ見て!」
「これは……かなり古い型ですねぇ。こっちは比較的新しいのですぅ……。」
「どこを見て分かったんだい?」
「データの大きさですぅ!」
「なるほど〜!昔のは今のよりだいぶ簡素だからねぇ!」
「それじゃ、あっちを見に行ってみようか!」
「こっちには都市の古いバックアップが格納されているのさ!」
「え、都市単位でバックアップがあるのですぅ?」
「いい質問だねえ!!!」
「これら全ての都市のバックアップをとったのはボクだよ!!!宇宙には色んな美しい街があるからね!!!」
「300年前の江戸から10万年前の漣ョ8 縺ソ縺2溘↑まで、よりどりみどり!!!今日も都市のデータを秒単位で取得して、キミたちのところに送っているのだよ!!!」
「……こんなに美しい街でも、いつなくなってしまうか分からないからね。いつでも見返せるようにアーカイブを取っておくのさ。」
「素敵なのですぅ!」
「しかし!!!しかしだよ!!!他の公認宇宙管理士は!!!これだけ美しい街の数々を!!!星の数々を!!!管理対象としか見ていない!!!なんと嘆かわしいこと!!!」
「ボクらと同じように、星も街も生きているのだぞ!!!そんなかけがえのない存在を!!!どうしてそんなぞんざいに扱えるのだろうか!!!」
「生きている……ですぅ?」
……だって、わたしたちは機械なのですよぉ?プログラムで動いているだけで、生きているわけじゃないのですぅ。
「ところで、マッドサイエンティストさんはどうしてここに来られたのですぅ?」
「お!ちょうどいいタイミングで聞いてくれたね!」
「ん〜、確かこの辺りだったはずだが……。」
「ここにはなにがあるのですぅ?」
「ここにはね、もう使われなくなった旧型の宇宙管理士がいるのさ。長い間放置してしまうと劣化して事故のリスクが高まるから、時々様子を見ておくといいよ。」
「ま、ボクはそのために来たわけじゃないけど!!!」
「そ、それでは、なんの目的でぇ……?」
「ボクの片割れに挨拶しようと思ってね。」
「片割れ……?」
「そう、片割れ。わかりやすく言えば、きょうだいみたいなものかな。」
「ごきょうだいがいらっしゃるのですぅ?」
「まあね。2分だけ年上のきょうだいがここで眠っているのさ。」
「……詳しいことはそのうち話すよ。」
……?ちょっと様子がヘンなのですぅ。
どうされたのでしょうかぁ?
あれ、手が震えて……?
「……おかしい、そんなはずはない……!!」
「ここに、確実にここにいたはずなのに……!!!」
「後輩くん!!!ボクのきょうだい……いや、アーカイブ番号722840-687533-927の管理士の履歴を調べてくれ!!!」
「は、はい!!」
「……該当するアーカイブ番号のデータが見つからないのですぅ。」
「本当かい?!まさか……、そんな……!!」
「……念のためにこのことを上に報告してくるよ。だからキミも、アーカイブ管理室ならびに関連部署に共有しておいてくれたまえ。……これはまずいことになった。」
「ひとまず、今日はありがとう!それじゃ、ボクはここで!」
「お、お気をつけてぇ……!」
一体何が起こったのですぅ……?!
マッドサイエンティストさんにはごきょうだいが……?!
アーカイブがまた消失した……?!!
何にも分からないのですぅ〜!
共有が終わったら、とりあえず……。
街のアーカイブをいっぱい見て心を整理するのですぅ。
「やりたいこと」
「おはようニンゲンくん!!!今日も精が出るねえ!!!」
おはよう。あんたはいつも元気だな。
「今日は昨日の残り物サンドだよ〜!!!コロッケとサラダを挟めば美味しくなるに違いないと思ってね!!!」
炭水化物に炭水化物……美味いのは美味いけどカロリーが。
「朝から元気をつけておきたくてね!!!」
今日もまたどこかに出かけるつもりなのか?
「まあね!!!ちょっとやりたいことがあるのさ!!!」
「ちょっくら本部まで出掛けるが、晩ご飯までには帰るつもりだよ!!!」
そうか。……そのことでずっと気になってたんだが。
「ん???」
なんで逮捕状を出されたあんたがこんな自由に動き回れるんだ?
「キミ、消されたいのかい?」
「……っていうのは冗談だよ〜!!!捜査に全力で協力しているのがちゃんと伝わって逮捕は取り消してもらえたのさ!!!」
「……まあ、けっこう色んな機能が制限されているわけだが!!!それでも全力を尽くすのがこのボクだ!!!とっとと解決して!!!真の自由を得ようではないか!!!」
「というわけで!!!行ってくる!!!」
あぁ、いってらっしゃい……。
朝から嵐が来たのかと思った。
やりたいこと……か。
あいつにはいっぱいあるんだろう。
……でも、自分には。
自分のしたいことなんて、正直あるのかないのかもわからない。
なんでだろうな。
そういえば。自分はちゃんと自分に向き合って来なかった。
自称マッドサイエンティストのあいつを見ているとすごくそんなことを思わされる。
やりたいこと。夢。自分。
何かと言い訳をして、そういうものに蓋をして目を向けなかった。
向けなくてもいいと思っていた。
どうせいくら欲しがったところで、なんにも手に入らない。
自分の求めるものどころか、当たり前のものすら手に入らない。
ずっとそう思っていたんだ。
人生なんて、いつかあっけなく終わるだけで。
でも、あんたと暮らす中で気付いた。
「なにが食べたい?」「やりたいことは?」
「一緒に行こうよ!」「助けたいんだ!」
明確な意思を持って、自分の求めるままに。
最初は面倒なやつだとため息ばかりついていたが、いつのまにか羨ましいと思う自分がいた。
やりたいこと。
……うん、すぐには出てこない。
でも、絵を描いてみたい、かな。
……前あいつに褒められたから。
部屋を探すと色鉛筆が出てきたので、これで描くことにしよう。
何を描こうか?
そうだな……試しにあいつを描いてみるかな。
ミントグリーンの綿飴みたいな髪。
虹色に光る瞳。
つきたての餅みたいなほっぺた。
……意外とうまく描けた。
まぁ、実物のほうが愛嬌はあるけど。
こういうのも、練習あるのみだよな。
あいつが帰ってくるまで、絵の練習でもするか。
「朝日の温もり」
画面の前のみんな!!!おはよう!!!ボクだよ!!!
時刻は現在午前4時半を過ぎた頃だ!!!
この季節だから今のような早朝でも明るいね!!!
とはいえ、いくら明るかろうと4時は4時。
ニンゲンくんは眠っているよ。
まあ、こんな時間に起きているニンゲンは少ないよね!!!
せっかくこの星に帰って来られたから、少し散歩にでも行ってみようかな!!!たまにはこういうのもいいよね!!!
ニンゲンくんを起こさないように、静かに出掛けないと。
東の空が朝焼けの紫色に染まっている。
静かな風が町を吹き抜けていく。
とても良い朝だね!!!ニンゲンくんにも見せたかったよ!!!
ん〜と、どこを歩くかな〜???
おや、あれは……にゃんこがいるじゃないか!!!
ちょっと話しかけてみよう!!!
「おはよう!良い朝だね!」
「にゃ〜」
「ボクは宇宙から来たマッドサイエンティストさ!」
「んにゃ〜」
「えっとね〜、ボクは桜餅が大好きなのさ!」
「あ、でもキミには食べると毒かもしれないね!」
「にゃ」
「え?もっと美味しいものを教えてくれるのかい?!」
「ふみゃ〜」
「ふむふむ……ツナ缶かぁ〜!教えてくれてありがとう!」
「ン〜」
「おやおや!お気に入りの場所まで教えてくれるのかい?!」
「んにゃ〜ん」
ん?え、そっち?!その塀の上を通るの?!
ちょ、ちょっと待って!そこ人の家のベランダじゃないか!
うわっ!ここからそっちに飛び移れ?!!
……気づくとボクとにゃんこは誰かの家の屋根の上にいた。
「にゃ〜、んみゃ」
「もうそろそろいい頃……?」
なにがいい頃なのか考えようとした時によくわかった。
太陽が顔を出し、少しずつ昇ってくる。
「ン〜」
これは!!!噂に聞くアンモニャイト!!!
にゃんこはボクを横目に寛いでいる。
「ここはキミがお気に入りの日向ぼっこ用の場所なんだね!」
「な〜」
「あったかくていい場所だね!」
朝日の温もりを浴びながら、にゃんこをなでなでする。
いい時間だなあ!
にゃんこはもうぐっすり眠っているみたいだ。
さて、そろそろ家に戻らないと!
にゃんこくん、素敵な場所を教えてくれてありがとう!
今日も元気に過ごしてね!
今日はここで失礼するが、また一緒に日向ぼっこをしようね!
「岐路」
「ただいまー!!!」
びっっくりした……!毎回のことなのにまだ慣れないな。
「やあニンゲンくん!!!うちの治安をきっちり維持しておいてくれたかな?!!」
まあ……っていうかそもそもここはあんたの家じゃないだろ。
「そんな冷たいことを言わずに〜!!!だがボクは分かっているよ!!!キミはボクのことが心配で心配で仕方なかったのだろう?!!素直じゃないねえ〜!!!」
いや、別にそこまで心配していたわけでもないけど。
「おやおや、そうかい……。ボクはキミのひとを見る目を見くびっていたようだね!!!ボクが無事で戻って来ることがあらかじめ分かっていたということは!!!」
「つまりキミはボクを相当信頼してくれているわけだね!!!とっても嬉しいよ!!!」
はいはい、そうですか。
……にしても、こいつ宛の逮捕状が出されたタイミングで本部に用事があったってことは、事情聴取かなんかを受けてきた可能性はあるよな。
と同時に、こいつがヘマをしたら、そのままどこかに閉じ込められて出てこられなかったかもしれないってことだったのか。
あんな普通の顔して家を出ておいて、しれっと重要な用事を済まして帰ってくるとか。自分はいまだにあんたのことがよく分からないよ。
「そういえば、一緒にいながらあまりしっかり言えていなかったことがある!!!」
言えていなかったこと?
「そう!!!キミにちゃんと伝えたいこと!!!」
「ニンゲンくん!!!キミの全てに感謝する!!!今までもこれからも、本当にありがとう!!!」
「もしキミがボクの頼みを聞いてくれなければ、いや、キミがいなかったとしたら、ボクは、ボクの宇宙は!!!もう既に亡き者になっていたかもしれないのだよ!!!」
「キミの協力のおかげでこの美しい宇宙を守ることができた!!!まだまだ時間はかかりそうだが、事件が解決し次第徐々に復旧を進めるよ!!!」
「……というわけなので!!!ニンゲンくん、改めてよろしく頼むよ!!!」
……えーと、まあ、こちらこそよろしく?
「えへへ!」
「ん、でも、この言い方だとあまりに一方的だね。」
「本来であれば立場上このようなことを言うべきではないのだが……。」
「もしキミが生きていく上で、何かを選ばなければならなくなった時───キミが重要な岐路に立たされた時、ボクはキミを幸せな方へと導きたい。いや、導かせて欲しいんだ。」
急にどうしたんだ?
「あまりキミは話したがらないが、キミ自身の過去において、自分の意図しないうちに冷たく苦しい道に置かれていた。」
……。
「長い時間をかけて、やがてキミは暖かく楽しい道の選び方を忘れてしまった。だから今でも自分を蔑ろにしがちなんだ。」
「ボクは宇宙の恩人であるキミに苦しんでほしくはないのだよ。だから、だからね。これからはキミは自分のしたいことを、何にも諦めないでね。もしかして不安かい?大丈夫だよ!」
「だってこのボクがいるんだから!!!」
……ありがとう、頼もしいな。
「それほどでもあるね!!!」
「さて!!!そろそろお腹が空いてきたよ!!!昼ごはんを食べようか!!!」
「キミは、なにが食べたい?」