名無しの夜

Open App
6/2/2024, 6:09:57 AM

雨音はリラックスと癒やし効果がある

……のは確かだけれど


梅雨の時期はやっぱり湿気がイヤだ

エアコンのドライは寒いし

寒くないドライは電気代がかさむし

洗濯物も乾きにくくて
乾燥機使わざるを得ないから、
こちらも電気かガス代がかかる……


子育て期は
夫・息子・私の三人家族だったのだけれど

男二人はクマ族で体が大きいから
梅雨の時期の洗濯は
本当にうんざりだったなぁ


夫に似て、
毛量多くてやや癖っ毛気味の息子の髪に
朝ドライヤーを当ててあげたっけな

私に似て不器用だったから
高一ぐらいまで

少しずつ練習させて
高二前には自分でやらせるようにしたけれど

夫と同じで
面倒くさがってやらなくなってたな

……私がやってあげていた意味は
あったのだろうかと疑問……


懐かしいな


夏は暑くて苦手だけれど

洗濯物ガンガン干して
お布団も干せて

その点はやっぱりありがたい



今年は、

どんな夏になるのかな


最愛の猫姫がいない季節

哀しくても辛くても、時は進んでしまう


今年の梅雨は

私もそうだけれど
あの子の心模様な気がしてならない


触れ合えないだけで
そばにいるよと

雨音の中で何度も何度も呟いている

6/1/2024, 2:42:29 AM

けがれなく、清浄

無垢、
といったら

美しく、尊いものの象徴のように思える


元は仏語というから、当たり前か


深く調べたらなるほどと感じ入って、
正座して背筋を伸ばさねばと
粛々たる気持ちになるけれど


日常的に見聞きする《無垢》は、
そんな意味合いではないよね



赤ちゃんの瞳とか

動物のありさまとか


嘘偽りない、なんて

都合解釈しているような


善悪もなく
すべてにおいて自身主体なのだから

無垢には違いないか


だからこそ、残酷でもある


痛みを知ることもなければ

他の存在を思いやることもない



世にけがれまみれ、

だからこそ優しさを忘れず

それでいて無垢さを、

清浄さを求め続けることができたら


多分、それが人におけるこの世の無垢



……私には、遠すぎる

けれどたまには、

無垢を目指して、行動してみるか


まずは
根源たる煩悩、三毒

求め過ぎない、から——

今日のおやつは
一つまでを、頑張ってみよう!

5/31/2024, 6:24:30 AM

 峠の見晴らし台にバイクを止める。

 軽くストレッチをしながら付近を歩いていると、少し年長の旅人と目が合って互いに会釈する。

 ナンバーから、自分が来た方向とは逆から走ってきたのだろうと予測して、どちらに行かれるのかと尋ねてみた。

「私は、——側に」
「そうですか、自分は——」

 ちょうど出発と目指す方向が互いに逆で、何となく面白さを感じて微笑み合う。


 年長の旅人は休憩中のためか、ライダースーツの外に下げたロケットペンダントを開いて出していた。

 思わずそこに視線が止まってしまって、年長の旅人は連れ合いなんですよ、と言葉を添えた。

「長く闘病していて、一緒に出掛けることもままならなかったものですから」

 常にこうして身に着けていると不思議なもので、魂の欠片くらいは、本当に一緒にいるような気がするのです——と続けた。

「自己満足だとは、思うのですけれどね」

 年長の旅人の言葉に、そんなことはないでしょうと応える。

「ご一緒にいらっしゃると、私も感じますよ」

 そしてふと思い立ち、一緒に並んで写真を撮った。

「ご縁があれば、また」

 そうして別れ。
 自分の旅路へと、戻る。



 数年後。

 様変わりしたあの峠の見晴台で休憩をしていると、やはり一息入れていた年若い旅人と目があった。

 軽く、挨拶をし。

 いつだったかと同じように——逆の経路へ向かう同士だと知って、何とはなしに笑みを交わす。

 年若い旅人が、胸元の開いたロケットペンダントに目を止めているのに気付いて、経緯を語った。


「私は、家族に縁遠かったのですが。不思議とその方にご縁を感じまして、ね……」

「わかる気がします」

 自分もそうです、と年若い旅人は呟き。

「失礼でなければ、一緒に写真に写って頂けませんか?」

 と尋ねてきた。

「もちろん、良いですよ。光栄です」


 ロケットの写真とともに、カメラが笑顔を撮る。

「ありがとうこざいます」
「こちらこそ、ありがとうございます」

 今一度、会釈して。

 互いに正反対の方角へと、出発する。


 風を切って、ひとり走る。


 けれど、どこか魂の一欠片は。
 あの年若い旅人とともに走っている——

 そんな自分の姿を、夢想した。

5/30/2024, 4:04:30 AM

 祖父母宅の、使われていない奥座敷にこっそり入る。

 天井付近の小窓から外の光が差し込んでいるだけの、薄暗い部屋。

 部屋にあるのは、古い本がぎっしり詰まった本棚、何が入っているか検討もつかない、重くて動かない木製の物入れ。

 そして一番奥の壁際に、やっぱり古くて、けれど立派なタンスと鏡台が置かれていて。

 そのお人形は、見事な花々の彫刻が施された鏡台の端っこで、お行儀よく座っていた。

 くるりとカールした金色の髪、まつ毛の長い大きな瞳に小さな朱色の唇。

 深い臙脂のゴシック調ワンピースを着た、それはそれはとても可愛らしいお人形だった。

 彼女は、息をひそめてこっそりこの部屋に入り込んだのも忘れて感嘆を発した。

「わぁ、可愛い!!」

 お人形を抱き上げると。

『ちょっと、気やすく触らないでちょうだい!』

 綺麗だけれど、高飛車なソプラノ声がどこからともなく響いて、彼女はビクっと身を竦ませてキョロキョロと周りを見渡した。

『どこを見ているのよ、さっさとおろして!』

 その言葉で、彼女は目を丸くして腕の中のお人形を見つめた。

「お人形さん……?」

『そうよ、鈍い子ね! 早く私をおろしなさいよ』

 彼女は目を見開いたまま、お人形を元の場所に座らせる。

『ああもう、髪が乱れちゃったじゃない! スカートの裾も!!』

 お人形の文句に、彼女は慌ててスカートをきちんと整えながら座り直させ。

 人形の指示に従って、鏡台の引き出しから取り出したクシで髪を整えてあげた。

「お人形さん、喋れるんだね」
『当然でしょ。
 私はとっても高貴な生まれの人形なのよ!』
「そうなんだ」

 彼女は感心しきって頷く。

 よくわからなけれど、こんなに綺麗なお人形なら喋っても不思議はないと納得できてしまう。

「ね、お人形さん。私と遊んで。おままごとしよう」
『おままごと——お茶会なら、一緒にしてあげてもよろしくってよ』
「お茶会?」

 お人形が言う通り、彼女は近くの物入れからおもちゃのティーセットや、銀を模したらしいアルミの食器などを引っ張りだして並べる。

『そうそう。これがアフタヌーン・ティーよ』
「とっても素敵! おやつ、ここで食べたいなぁ」
『持ってくればいいじゃない。ティースタンドの一番下なら、野暮ったいおやつでも乗せるのを許してあげる』


 彼女が奥座敷でお人形とともに過ごす時間は増える一方だった。

 焦ったのは、彼女の二つ年上の姉だった。


 ——実は、彼女が一人で奥座敷に行くようになったのは。

 毎日毎日、妹たる彼女にしつこく遊んでとせがまれるのが嫌になって、姉は少し意地悪して無視をしてしまったからだった。

 そのうち、彼女は泣いてすがってくると思っていたのに。
 彼女は毎日、奥座敷で楽しそうにお人形と遊んでいる。


「ねえ。たまにはお庭で遊びましょ? ずっとお家の中で過ごすのは良くないよ」

 お母さんも心配しているから、と姉が付け加えると。

 彼女は小首を傾げて少し考え、やがて頷いた。

「わかった、あとでお庭に行くよ」

 姉にそう返事して、彼女は奥座敷へ向かった。


「お人形さん。今日はお姉ちゃんとお庭で遊ぶから、お茶会はできないの」

『……どういうこと? 私より、姉を優先するっていうの?』

 ひどく冷たく感じる声に、彼女は驚いて固まった。

「ち、違うよ。明日はちゃんと、お人形さんと過ごすよ!
 お母さんも心配しているみたいだから、今日だけだよ」

『ウソよ!』

 ビリッ、と。
 空気に稲妻が走ったように感じて、彼女は震え上がった。

『そんなことを言って——あなたも、あの子と同じように来なくなるのよ……!』

 お人形から怒りの波動を感じ取り、彼女は縮こまりながらも。

「じゃあ、お人形さんも一緒に行こう!!」

 彼女は精一杯の勇気を出して、お人形を抱き上げて部屋を駆け出た。

『ちょ……! やめてやめてやめて……!!』

 お人形の悲鳴も聞かず。

 彼女は廊下を駆け抜け、扉を開け放って庭に出た。

 途端。

 ガラスの食器が割れるような、甲高い悲鳴が轟いて、か細く消えていった。


「お人形さん……?」

 抱きしめたお人形を彼女は覗き込んだが、応えはない。

 ——代わりに。

『これで、良かったの。私が、あの子を留めてしまったから……』

 お人形とは明らかに違う、悲しげな声が聞こえた気がして、彼女は周りを念入りに見たものの。

 その声は、二度とは聞こえず。

 お人形の声も、もう聞こえることはなく。


 彼女はギュッとお人形を抱きしめて、空に向かって小さく、

「——ごめんね」

 誰にもとなく呟いた。

5/29/2024, 5:59:47 AM

中学時代、
初夏の時期の衣替えが嫌いだった。

移行期間は気温的に半袖の方が過ごしやすかったりするのに。

完全に『夏服のみ』になった途端、雨降りで気温下がって半袖では寒い、なんてことが多かったから。

学校に着いたら、ジャージの上着を着てもいいけれど、通学中は夏服制服のみ、という校則も意味がわからなかった。


通学中に濡れて寒いんですけど。

濡れて体温下がりきってから上着着ても後の祭りで、必ず風邪ひくんですけど。


訴えたところで『規則だから』と一切の考慮がなされないことも、子供心にすごくショックだった。


その夏服も。

最初の中学校は、生地がやや薄い紺色のベストがあったけれど。

転校して卒業までいた二つ目の中学校は、白ブラウスにクリップ式の小さいリボンのみ、という物だった。

ブラウスは、当然スカート・イン。

夏用の白ブラウスは生地も薄いから、必然的に白い厚めの肌着を下に着る必要があった。

冷感素材もなかったし、暑くて不快だったなあ。

それを着たところで、体型カバーできる要素はまるでない。

中学生だよ。

多感で、成長期な時期、おまけにホルモンバランスで色々崩れやすい時期でもあるのに、一体誰が考えたんだあの夏服は。

真夏になったら、ジャージの上着はおるのも禁止だったし。

頭オカシイとしか思えなかった。


(異性の目が実際に気になる、あるいは過剰に。
 また同性との差異を気にしてしまいがち。
 心もまだ成長期。
 差異を自らの個性、美しさとは考えられず
 過剰に気にしすぎて、長くその価値観から
 抜け出せなくなったり、病んでしまう子もいる)


最近は、水着もお洋服みたいなデザインの物が出来て素晴らしいねと思ったけれど。

未だ意味のわからない校則は残っているようで。

何のための規則なのか、本気できっちり考えて変革していってほしいと切に思う。



……なーんてことを思いながら。

いつも通り、ベッドでゴロゴロしながらスマホでポチポチ打ってみた。

部屋着はもう半月ほど前から、半袖短パン。


その半袖は、もう外で着るにはちよっとヘタれてるかな、という一軍落ちのもの。

襟首とか若干伸びてるけれど。

部屋着だから問題ない。
というか、まだ着れるからもったいない気がして、着ちゃってる。

受け取りしなきゃいけない郵便物や宅急便来た時だけ、慌ててメッシュ素材の上着はおって誤魔化している。


うーん、もしかして。

こういう服装だから、家でダラダラしちゃうのかも。

服装の乱れは心のなんちゃら、的を得ている——と言えるかも。


いやでも。

家の中でダラダラできなきゃ、どこでするのよーというね。


改める必要があるか否か。

夕食時に、のんびり呑みながら考えてみようかな。


……覚えていれば!

Next