やなまか

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12/18/2023, 12:56:10 PM

冬季だけは旅に出るのはやめたほうがいい。
魔物のほうが圧倒的に有利な上に、人は簡単に凍えて死ぬからだ。

最近久しぶりに昔の仲間から便りをもらった。
「そちらに寄る」と短く妖精の字で。
2年ぶりか。去年は南の国に居るからと冬に来なかったのだ。
「薄情者め」
そう言いながら口元は緩んでしまう。あいつらは時間の感覚が私達と違うんだよね。

私たちがいる丸太作りの部屋は温かい。暖炉ではシチューがくっつらくっつらと煮え、鉄板では茶葉と豆がゆっくりと煎られていく。干物が壁にならび、根菜類が土間に鎮座し、農家から貰った固まった牛の乳は倉庫で寝かしてあった。ここの生活ももう長い。
あいつらはどんな空の下でこれを書いたのだろう。

早く会いたいな。

我らがリーダーの息子はもう立派に言葉を話すようになっちゃったよ。さっきも魔法の伝書鳩を持ってきたのは彼なのだから。
これから忙しくなるね。まずは薪割りと、粉ものの確保、果実のシロップ漬けや酒が全然足りないかも。


母になった棒術士の独白

12/17/2023, 6:29:16 PM

緊張していた。
無意識に思っていたことがつらつらと口をついて出る。彼の目線が射抜くように鋭いのもあって私は余計なことを言い続ける。
きっとムードのないやつって思ったでしょ。
「黙って」

時間が一瞬止まった。
私の照れ隠しと期待が、彼の真剣な顔に刈り取られる。呼吸までも捕らわれた。

寸前までの茶番など彼の前では無意味だったのだ。

12/16/2023, 11:14:03 AM

【きっかけ】

布団から片手がよろよろと出てくる。
私は苦笑してその手をもう一度ベッドに入れる。物凄く熱い手だった。
「し、死ぬ前に言いたいことが…」
かすれた声がくぐもって聞こえてくる。
「死なないよ風邪だもん」
「やだ、絶対悪い病気なんだよ、オレ死ぬ前にお前に言いたいことがあるんだ」
「気弱になっちゃうのは分かるけどさ」
彼の言葉を遮ってでっかい布団の塊をぽんぽんと叩く。
「治ったらいーっぱい聞いたげる。ずっと側にいてあげるから早く治しぃね」
「ほんとか?」
子供の泣く寸前の声のようだった。ほんとだよ。念押しして部屋をでる。うーん。ちょっとサービス良すぎたかな。

何年も何年も側にいる羽目になる2日前のことだった。

12/15/2023, 12:13:08 PM

・セリフとのバランス

多過ぎればただのセリフ劇、
少なければ描写過多かただの説明になりがち。
セリフがないと取っつきにくいと感じる人も一定数居ると思われる。
ただし、セリフが無くても描写と場面運び次第で雰囲気を作り上げられると思っている。
描写多すぎると鼻につくししつこく感じる。多少は無いと薄っぺらい。人間臭さ(生き物臭さ)は必要だと感じる。

【責める】
少年は恐る恐る尋ねた。
「あの時の女の子、無事?」
「無事だ…。てめぇ、あいつは一般人なんだ!何かあったらどうするつもりだ!」
男の怒りに、少年はみるみる落ち込んだ。
「ご、ごめんなさい。僕、何も知らなくて…」


【責める】
少年は恐る恐る尋ねた。あの時の女の子は無事?と。
対する男は苛立たしげに吐き出す。
「無事だ…」
次の瞬間、激昂して立ち上がった。
「あいつは一般人なんだ!」
あの子に何かあったら許さない。という怒りの目だった。
少年は気圧されみるみる青くなっていく。
「ご、ごめんなさい。僕、何も知らなくて…」
とうとう罪悪感に苛まれ、苦悶の顔に涙が一粒こぼれた。





・それは。多すぎ問題。

「リズムで入れてしまうし匂わせたくて挟んでしまうけど、無くても意味は伝わる時もある」

「それはリズムで入れてしまうし、それを匂わせたくなり挟んでしまうけど、それでもそれがなくても意味は伝わる時もある」



・其れ、何処、此処、何時。
たまに見かける変換大好き人



前日も「イルミネーション」のお題をスルーして、文章を書いてて思ったことをいくつか書き出しました。

12/14/2023, 7:48:36 PM

・「、」を入れすぎると読みにくくなる。

今日は年上の例の彼氏と、あたしの誕生日を祝うために、有名なイタリアンへ行く予定になっている。


・視点 いつも片寄ってしまう。

猫はやっぱり母の腕のなかが好きらしい。11歳になっても変わらず母は母親で気持ちは子猫のままなのだろう。

猫はやっぱり母の腕のなかが好き。11歳になっても変わらず母は母親で気持ちも子猫のままなのだ。



・体言止めが多いと読み手に頼りきりな気がする。

膨れ上がるマント。敵将は瞬時に空へ移動。吹き出したのは高熱の火炎魔法。



・リズムのある文章かと思いきや酔っているような文章。あとで読み返すと恥ずかしい。主語が消える現象がある。

空へ手を伸ばす。さぁ踊って。降り乱れる白い花が天使の羽のようで。対比を楽しむように春の風を操る。



・距離 すごく困る。


角張った男らしい顎にリンゼはどきっとした。夏の草原のような匂いにくらくらする。
この人どこからきたの。今まで見てきた男の子とは全然違うじゃないの…。


角張った意志の強そうな表情だった。リンゼは顔を赤くする。今まで周囲にこれほど細面で品のある男性は居なかったのだ。




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