I love 君だけのメロディ もしも君が マグカップ です
I love
「I love you」
僕はキミを愛してる。そしてキミも、僕を愛してくれている。
キミが僕を愛してくれているから、僕は僕を愛そうと思えた。
キライだった自分を、愛するキミが愛してくれたことで、愛せるようになれた。
だから僕は、これからは、キミのことだけではなく、自分のことも愛していこうと思うんだ。
君だけのメロディ
「ふんふんふーん」
何やら楽しげな鼻歌が聞こえてくる。
「楽しそうだね。何か良いことでもあった?」
キミに聞いてみると
「え?何が?」
と、意外な答えが返ってくる。
「いや、鼻歌が聞こえたから、聞いてみたんだけど」
「…私、何か歌ってた?」
「うん。何かはわからないけど、楽しそうなメロディが聞こえたよ」
「そうなんだ、気づかなかった」
どうやら、無意識に歌っていたらしい。
「でも、良いことはあったよ」
ニコッと笑うキミに
「これからも、君だけのメロディが聞けるように、楽しいこと、増やしていこうね」
僕は微笑むのだった。
もしも君が
もしも君と、出会えていなかったら…。
もしも君が、僕を好きになってくれなかったら…。
もしも君が…なんて考えるのはもう止そう。
時間のムダだから。
そんなことを考えるより、君とこの先も幸せでいるためには。って考えた方が有意義。
時間は無限じゃないからね。
そう思った僕は、君に喜んでもらおうと、キッチンに向かったのだった。
マグカップ
キミとお揃いで買ったマグカップ。
買ったのはいつだったかな。
それがわからなくなるくらい、あって当たり前になっている。
よく見ると、少し欠けている箇所があったり、傷があったり。
それでも、買い替えようとは思わない。僕たちと一緒に歩んできたものだから。
僕たちに、ホッとする時間と、笑顔をくれるマグカップ。これからも大切に使おうと思った。
「雨、なかなか止まないね」
傘が手放せないほど降る雨を、ガラス越しに眺める。
「キミも、カッパを着ないと外に出られないし、今日の散歩はお休みにしようか」
そう言うと、キミはくぅーんと鳴き、残念そうに俯く。
「こういうときは、ゆっくり身体を休めるのが一番。一緒に昼寝でもしようか」
ベッドに上がり
「おいで」
と呼ぶと、キミは尻尾を揺らしながら僕の隣に横たわる。キミのふわふわの毛を撫で
「おやすみ」
雨音に包まれて目を閉じたのだった。
夢見る少女のように 君と歩いた道 どうしてこの世界は 美しい です
夢見る少女のように
「応援してるね」
僕の夢を応援して、いろんな面で支えてくれているキミ。叶うかわからない。けれど、諦めたくない。で、頑張ってはいるけれど、芽が出る気配はない。
「…どうしたら」
応援してくれるキミのためにも頑張りたい。けどこのままだと、キミに負担をかけてばかりで、キミを幸せにしたい。という願いは叶わなくなる。
「夢見る少女のように、いつまでも夢を見ているわけにはいかない」
夢は諦めなければいつだって叶えられる。
そう信じて、まずはキミを幸せにする道を探そうと決めたのだった。
君と歩いた道
君と歩いた道。
その道のりは、平坦なものではなかった。
それでも、今こうして笑っていられるから、大変ではあったけど、幸せなんだと思う。
これからも、2人で笑って歩いていけたら、最高の人生だ。と言えるんだろうな。
どうしてこの世界は
どうしてこの世界は、楽しいことばかりじゃないんだろう。
記憶に残っているのは、辛いことや悲しいことばかり。
何で自分だけ、こんなにどん底なんだ。
と、唇を噛みしめたこともあったっけ。
でも、そんな日々を乗り越えたからこそ、今がある。
辛いことや悲しいことも、今につながる出来事だった。と笑えたなら、上出来なんだろうな。
美しい
瞳に映る美しいもの。
雨上がりの虹、夜空で輝く星、キラキラと眩しい海。いろいろとあるけれど…。
僕が一番美しいと思うのは、社会に揉まれながらも前を向き、進むことをためらわないキミという人。
何が待っているかわからない明日を、怖がることなく進んでく。
凛としているキミを、美しい。見習わなければ。
と、僕は思っている。
約束だよ 恋か、愛か、それとも 水たまりに映る空 さあ行こう です。
約束だよ
「約束だよ」
そう言って、指切りした幼い頃の思い出。その思い出は、色褪せることなく僕の心に焼き付いていた。
「キミも覚えているといいな」
僕の淡い期待は裏切られることなく、僕の隣にいてくれることで証明されている。
「あの時の約束。守ってくれてありがとう」
僕を見上げ、微笑むキミに
「それはこっちのセリフだよ。忘れないでいてくれてありがとう」
僕はそっと手を握った。
今日は僕たちの結婚式。幼い頃にキミとした
「大きくなったら結婚しよう」
の約束が、今果たされる。
「どうしたの?」
約束を交わしてしまうほど大好きなキミと、愛を誓える日が来る。そんな運命的なことが本当に起こった。その事実に心が震え、目が潤む。
「ん、幸せすぎて…」
涙を見られないように俯いた僕を、心配してくれるキミ。キミと出会えて良かったと、心から思うのだった。
恋か、愛か、それとも
「今度の土曜、暇?」
「土曜?…あー、ごめん。用事ある」
「そっかあ、残念。じゃ、また今度ね」
「うん」
廊下でキミとすれ違いざま話をする。仲の良いキミと一緒に出かけるのはいつものこと。同じ趣味を持つ友達なんだけど…。
「なあ、おまえらって付き合ってんの?」
昼食を社食で取っていると、同僚に話しかけられる。
「何だよ、急に」
箸を止め、前に座ったそいつを見ると
「付き合ってんだろ?」
ニヤニヤしながらもう一度繰り返す。
「別に、付き合ってねえけど」
テーブルに肘をつき、答えると
「は?嘘だろ?2人で出かけたりしてんのに?」
驚いた顔をされる。
「趣味が合うからそうしてるだけ。友達だ」
そう言うと
「じゃあ、俺が狙ってもいいよな」
うれしそうに笑う。
「ああ。勝手に…すれば」
「そうするよ」
席を立ち、去っていくそいつを見ながら、俺が狙う。と言われたとき、ズキッとしたのはなぜだろう?と思う。俺にとってキミは、趣味が合う友達のはずで。でも、ズキッとしたなら…。キミへの俺の想いは、恋か、愛か、それとも本当にただの友情か。キミが誰かに取られる前に、気づかなければ。と思う俺だった。
水たまりに映る空
通り雨が止み、ところどころに水たまりができる。
「濡れないように、水たまりを避けなきゃ」
と、下を向いて歩いていると、水たまりに景色が映っているのが見えた。
「…キレイ」
水たまりに映る空がキレイで、立ち止まって見ていると、そこに七色のアーチが架かる。
「虹だ」
勢い良く空を見上げると、青い空に大きな虹が架かっている。
「…悪く、ないかも」
大きな虹を眺めながら、通り雨も悪くないかも。と思うのだった。
さあ行こう
「さあ行こう。未知の世界へと」
彼は楽しそうに、私の腕を引っ張る。
「え、本当に行くの?」
私が行くのをためらうと
「あったりまえじゃん。そのためにここまで来たんだから」
グフフと笑いながら、さらに私の腕を引っ張る。
「怖かったら、俺の腕に抱きついてていいから」
ね。と優しく笑うから
「わかった」
怖かったけれど、私は暗闇の中、お化け屋敷の中へ歩を進めたのだった。
まだ続く物語 勝ち負けなんて 雨上がり 傘の中の秘密 です。
まだ続く物語
「おめでとう」
家に帰り、昇進の決定をキミに伝えると、キミは顔を綻ばせる。
「ありがとう」
喜んでもらえてホッとした俺に
「今以上に、私も頑張るからね」
キミは気合を入れる。
「…キミも、頑張るの?」
俺が頑張るのは当たり前だけど…。と不思議に思っていると
「昇進する。ってことは、上司として責任も仕事も増える。ってことでしょ。そんなあなたを、もっと支えられるように頑張るの」
ふふっと笑うキミの笑顔に、胸が愛しさでいっぱいになる。
「まだ続く物語を、ずっとずっと隣で見させてね」
そう言って笑うキミを
「うん。ずっとずっと隣で見てて」
俺は強く抱きしめたのだった。
勝ち負けなんて
「あー、悔しい」
キミと、対戦型のゲームをしているんだけれど、さっきから負け続けているキミは、悔しそうに拳を握りしめた。
「気持ちはわかるけど、俺の方がやり込んでるんだし、仕方ないよね」
慰めるように言ってみたけれど
「それでも悔しいの。だから、もう1回」
負けず嫌いのキミは、もう1回と言う。
「わかった」
ゲームの間、キミのいろんな表情が見れて、俺は楽しい。けれど、勝ち負けなんてこだわらずに、楽しそうにゲームをしている姿も見たいな。と思いながら、コントローラを手にしたのだった。
雨上がり
雨上がりの空に、キレイな虹がかかる。
「わぁ、キレイ」
思わず足を止め、僕はスマホを取り出した。
「うん、キレイに撮れた」
虹を撮影し、撮れた写真をチェックする。
「よし、送信っと」
撮れた写真をキミに送ると
「キレイな虹だね。見せてくれてありがとう♡」
と、返信が来る。
僕は、僕たちを笑顔にしてくれたキレイな虹を心にも焼き付けようと、もう一度空を見上げたのだった。
傘の中の秘密
「ねえ、見て見て」
仕事帰り。雨に降られ、うんざりしながら傘を差して歩いていると、後ろから声をかけられる。
「うん?」
隣に並んだ人物を見ると
「ああ、お疲れ」
同じ部署の人だった。
「お疲れさま。それよりも見てよ。傘の中の秘密を」
「傘の中の…秘密?」
何を言っているんだろう?と首を傾げると
「雨の日って、傘を差して歩くの憂鬱じゃない?そんな憂鬱を吹き飛ばすために、傘に工夫をしたの」
キミはクスクスと笑う。
「え、工夫?」
「そう、これ」
キミが指差した先を見ると、傘の中に大きなキャラクターがいる。
「これ、何?」
「ふふふ。これはね、私の大好きなキャラクターのステッカーを貼ったの。これを見るとね、雨の憂鬱が和らぐんだ」
「へえ、なるほどね」
キミの工夫に感心しながらも、キミの笑顔に釘付けになった俺だった。