YOU

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5/30/2025, 9:55:07 AM

「…聞いてもいい?」
いつもとは違い、神妙な面持ちで、キミは俺に話しかける。
「いいけど、何?」
どうしたんだろう。不思議に思いながら返事をすると
「私とのこと、どう思ってる?」
キミは真剣な目を俺に向けた。
「そ…れは」
言い淀む俺に構わず
「私はあなたとずっと一緒にいたいと思ってるよ。けど、あなたの気持ちがわからなくて…」
キミは本音をぶつけてくる。
「…ごめん、ちゃんと話すね」
そんなキミに向き合わなければ。と、俺は重い口を開いた。
「俺も、キミとずっと一緒にいたい。結婚したいと思ってる。けどね、俺は渡り鳥みたいな転勤族。いつどこに行ってくれ。って言われるかわからない。それに、キミを巻き込んでいいのかわからないんだ。…そうわかっているのに、キミと別れたくなくて、言い出せなかった。キミの大切な時間を、ムダにさせてしまって、本当にごめん」
頭を下げると
「話してくれて、ありがとう。私を、あなたが羽を休める場所にしてくれますか?」
キミは微笑む。
「…ありがとう」
キミの言葉がうれしくて、キミをギュッと抱きしめたのだった。

5/29/2025, 9:36:56 AM

ひらひらと、桜の花びらが風に舞う。
「キレイだね」
桜の木を見上げ、キミはつぶやく。
「そうだね」
キミに合わせて僕はそう言ったけど、風に舞う桜の花びらよりも、長い髪がさらさらと風に揺れるキミの横顔を、僕はずっと見つめていた。

5/28/2025, 7:38:36 AM

大好物のお菓子を手に持ち、ゆっくりとした動作で口に運ぶ彼女。
「これで最後…」
自分に言い聞かせるように呟くと、最後の1つを口に入れる。
「うん、美味しかった。明日からは我慢だ」
そう言うと拳を握りしめ、お菓子の空箱をゴミ箱に捨てた。
「頑張ってね」
「うん」
明日からダイエットをする。という彼女。
彼氏である俺は、彼女が痩せても、今のままでも彼女を好きなことには変わりないし、正直どっちでもいいと思っている。
ただ、彼女が頑張るというなら、彼氏として、協力と応援はしてあげたい。
彼女を見つめながら、そう思うのだった。

5/27/2025, 9:34:27 AM

そっと包み込んで 歌 やさしい雨音 君の名前を呼んだ日 です

そっと包み込んで

何でも話せる仲の良い友達。
それ以上でもそれ以下でもない。
そう思っていたのに、僕の目の前で泣くキミを、抱きしめたい、そっと包み込んで守りたい。と思うのはどうしてだろう…。
自分の気持ちに戸惑いながらも、涙を流すキミを僕は抱きしめたのだった。




キミと買い物をしていると、店内に流れている歌が聞こえる。
「あ、この曲。最近よく聞く曲だわ」
キミがそう言うので、知ってる曲かな?と、歌に耳を傾けると
「ああ、ホントだ。聞いたことある」
僕でも聞いたことがある曲だった。
「この曲、好きなの?」
何気なく聞いてみると、キミは左右に首を振る。
「そうなの?よく聞く曲なんでしょ?」
「うん、よく聞く曲だよ。いろんなとこでかかってるから。でも、自分では聞かない。…この曲、大好きな人との別れの曲だから」
キミは僕から目をそらし、悲しそうな顔をする。
「そっか」
僕はキミの手をそっと取ると、繋いだ手に力を込めたのだった。


やさしい雨音

「はぁ、疲れたな」
時計を見ると、23時を過ぎている。
「しかも…雨かよ」
会社の玄関から外を見れば、パラパラではあるが、雨が降っている。
「まあ、折りたたみがあるからいいけど、駅まで歩くのがなぁ」
面倒くさい。と思いながら、折りたたみ傘を開き、俺は駅へと歩き出した。
「こんな時間なのに、明るいしにぎやかだな」
残業でこんなに遅くなることはなく、知らなかったけれど、この時間でも外は昼間のようだ。
「雨、降ってるかわからないや」
傘に打ち付けているはずの雨。けれど、音は一切聞こえない。
「疲れてるときに、この騒がしさはキツイな」
俺は、駅までの道を裏道から行くことに決め、歩を進めた。すると
「あ、雨の音」
さっきまで聞こえなかった雨の音が聞こえてくる。
「サーサー、パラパラ…」
静かな道に、響く雨の音。
「…何か、癒される」
やさしい雨音を聞きながら、駅までの道を歩いたのだった。


君の名前を呼んだ日

「好きです、付き合ってください」
君と付き合ってしばらくの間、君を苗字で呼んでた。恥ずかしくて。けど、君の名前を呼んだ日。
胸がドキドキしたけど、今まで以上に君のことが大好き。って思えた。
僕の名前を呼んでもらえた日。胸が幸せでいっぱいになった。
大切な君の大切な名前。これからも大切に呼ぼうと思った。

5/23/2025, 9:54:55 AM

Sunrise 昨日と違う私 です

Sunrise

朝を知らせるSunrise。
外が明るくなると、1日の始まりだ。と新鮮な気持ちになる。けれど、始まりは同じようでも、終わりは同じではない。楽しく過ごせるときもあれば、彼女とケンカして落ち込むこともある。同じような毎日でも、同じ日はない。
だからこそ、1日1日を大切にしようと思う。


昨日と違う私

生まれて初めて彼氏ができた。うれしいけれど、ステキな彼に、私が釣り合うのか自信がない。
だから、彼の隣を歩いても彼も私も恥ずかしくないように、キレイになれるように努力しよう。
昨日と違う私を彼に見てもらいたい。もっと好きになってもらいたい。
恋をするって、こんなにも心が揺れるものなんだね。鏡を見ながら、メイクの練習をするのだった。

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