YOU

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1/30/2025, 9:52:25 AM

部屋のカーテンを開け、眩しい陽射しが降り注ぐ中、背伸びをする。
「よしっ、今日も仕事を頑張るか」
そう思えるようになったのは、同じ部署にいる、キミのおかげだった。
いわゆる僕は、陰キャという日陰の存在。眩しい日向で注目される、陽キャの人たちの陰に隠れ、ただただ仕事をこなしていた。
けれどある日
「いつも仕事頑張ってるね。負けないように私も頑張らなきゃ」
キミにそう言われ
「見てくれている人は、見てくれてるんだ」
ということが分かり、今日も僕は、笑顔で仕事に向かうことができるようになったのでした。

1/29/2025, 8:01:36 AM

「…嘘だろ」
俺は今、鏡の前で絶句している。
「こんなはずじゃ、なかったのに…」
事の発端は
「うーん、前髪邪魔だな」
から始まった。
「ちょっと毛先を切るくらい、俺にもできるだろ」
そう安易に考え、ハサミを持つと、鏡の前に立つ。
そして、前髪にハサミを入れたら…見るも無惨な姿になってしまったのだ。
「ど、ど、ど、どうしよう。とりあえず、美容室。美容室に行かないと」
俺は、前髪を隠すように帽子かぶって、美容室へ急ぐのだった。

1/28/2025, 9:51:21 AM

わぁ! と 小さな勇気 です


わぁ!

「わぁ!」
夜空を見上げ、キミは感嘆の声を上げる。
「こんなにたくさんの星、初めて見た」
キラキラ輝く星たちに、うっとりと魅入っている。
「………」
しばらくキミは静かに星たちを見上げていたけれど、ふっと僕を振り返り
「連れてきてくれてありがとう」
ニコッと微笑む。
「気に入ってくれてうれしいよ」
僕は、キラキラ輝く星たちよりも、キラキラな笑顔のキミをずっと見ていたのでした。


小さな勇気

「…どうしよう」
さっきから僕は、どうしようかと迷っていた。
電車のドア付近に座っていたら、見るからに、具合の悪そうな方が乗ってきたのだ。
その方は、電車が走っている間、ドアにもたれかかり俯いている。
僕の他にも気づいている人はいるんだろうけど、誰も動こうとしない。
「…辛そうだな」
迷っている場合じゃない。そう思った僕は、小さな勇気を振り絞り、席を譲るために、立ち上がるのでした。

1/27/2025, 9:59:20 AM

昨日のお題です。

終わらない物語

「おめでとう」
招待した方たちに祝福され、結婚式が笑顔で幕を閉じる。
「ステキな式になったね」
幸せそうに笑うキミに
「そうだね」
俺も笑顔になる。
「これからは2人きり。楽しい毎日にしようね」
俺の両手をギュッと握り、微笑むキミに
「ああ。俺たち2人の、終わらない物語を笑顔で紡いでいこう」
俺はキスを贈るのだった。

1/25/2025, 9:43:49 AM

瞳をとじて と やさしい嘘 です

瞳をとじて

「…ん」
ふと目が覚めて、何時かを確認するのに、腕を伸ばし枕元にある時計を見ると
「…3時か」
起きるにはまだまだ早い時間。
隣で寝ているキミが身じろぎしたので、起こしてしまったのかと顔を見ると、キミは瞳をとじている。
「良かった」
ホッと胸をなでおろし、もう一度寝るため伸ばしていた腕を元に戻すと、キミの手に触れた。
「………」
手に触れてもキミが目を覚ます様子はない。
「…いいよね」
俺はキミの手をそっと握ると、再び瞳を閉じたのだった。

やさしい嘘

「ごめん、残業になったから、会えない」
仕事終わり、彼の家に向かおうとした矢先に入った、彼からの連絡。
「そっか、残念。お疲れさま」
そう返事をしたけど、ごめんね、会えない理由。あなたのやさしい嘘だって知ってるんだ。
だってね、あなたの会社の方から
「具合が悪くて早退した」
って教えてもらったの。
以前、社外であなたと会ったとき、一緒にいた方と連絡先を交換しておいて良かった。
私にうつしたり、看病してもらったり、迷惑をかけたら悪い。って思って嘘を言ったんだろうけど、私は、頼ってほしいんだよ。
来てほしくないだろうけど、それを伝えに行くね。
私を想ってやさしい嘘をつく、あなたのことが大好きだから。

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