うちの会社では障害者雇用があって、作業所から3~4人のスタッフさんが通ってきている。
そのスタッフさんたちをまとめるのは、作業所のグループ長さんで、
今日はわたしの仕事を手伝うことになっていた。
仕事が始まって1時間半ほどすると、グループ長さんがお客様にペコリと頭を下げる姿が見えた。ゆっくりと近づいて、「お客様、何か不手際がございましたか?…」と、伺うと、お客様は少し困惑気味に事の次第を話し始めた。
話しの内容から、わたしでは対応しきれないと思い、「ご不快な思いをおかけして、申し訳ございません、只今責任者がこちらへ向かっておりますので、今しばらくお待ちいただけますでしょうか……」と伝えながら、ポケットのチーフ呼び出しボタンを押した。
お客様は、『この人が責任者ではないのか?』と、思ったのか、わたしの一挙手一投足をじっと見ていた。
『下っ端2人も来て、更に待たされて、やっとチーフかよ!』と、思われたかも……怒り出したりしませんように……と……。
接客ミスは、初期対応が肝心なのだ。
下手なお詫びでは、困惑から怒りに変わってしまう恐れがある。
「私どもの不手際で、大変驚かれたと思います、申し訳ございませんでした、」と、グループ長さんと頭を下げ続けていると、数分でチーフ到着。
チーフがお客様を別の場所へ案内するのを確認してから、汗だくのグループ長さんに、「大丈夫ですよ、他のスタッフさんが動揺してるみたいだから戻って安心させてあげてください」と、言ったけど、、かなり震えてた。
他のスタッフさんは、グループ長さんからの指示が止まってしまい、どうしたらいいのやら分からなくなったようで、仕事の手が止まってしまってた。
いきなりよくわからない人に肩など触られたら、パニック起こす可能性もあるので、「心配しなくても大丈夫ですよ」と、言葉だけかけた。
グループ長さんも落ち着いたようで、スタッフさんに今日の仕事内容をもう一度確認して、仕切り直してた。
仕事が終わってから、事務所で初期対応の様子などをチーフに報告した。言葉遣いが間違ってなかったかを確認して、今後の指示を受けてから帰ってきた。
お客様は困惑してただけで、怒ってはいなかった、という事でとりあえずは良かった。
パート職は、誰かの仕事に対して責任を持つという権限を持たされてないからラク、といえばラクだけど、お客様の前では『パートだから、〇〇だから、』という言い訳や態度は通用しない。
正社員と同じ研修を受けるのが面倒だな…と思うけれど、今日のような【いざ!】という時に、厳しいマナー研修が、わたしを守ってくるのだ。。
………家に着くなり深いため息が出て、疲労感がドッと玄関に落ちたけど…。
会社に、マチアプで知り合った相手と結婚して、今幸せなんだなーと、感じさせる人が居る。
マチアプで知り合って、結婚まで至る…というのがとても大変な道のりらしい…というのは分かる。
わたしと夫は結婚相談会社(?)で、やはりマッチングで知り合った。
入会金は、女性が20万くらいしたと思う。
入会には、戸籍抄本と卒業証明書と住民票が必要で、男性は在職証明も必要だった。それでもお付き合いまで至ると、トラブルはあったようで、結婚に至るというのは大変だ道のりだったと思う。
わたしはその相談所が主催のパーティーとか、イベントにも参加したけど、夫と知り合うまでに2年かかった。
夫はわたしと知り合うまでに、というか、紹介されて会ってみようとなったのが、わたしが最初の相手だった。
入会から半年以内に結婚が決まると、男でも女でも、確か…15万くらいはお祝いとして戻って来た。わたしは、入会から2年経過していたから、お祝い金は無し。
2年過ぎても相手が見つからない場合、退会するか、追加料金を支払うシステムになっていた。なので、わたしはギリ、ゴール滑り込み。。
夫の話しでは自分は結婚する意思は無く、酔った友達に面白半分で結婚に関するアンケートハガキを出されて、結婚相談所へ行くことになったのだと言う。
それで現在に至る。。
最初の頃のデートは、その頃夫はかなりイイ車に乗っていて、デートは必ず車と決めていて、、デートコースも必ず下見していたらしい。
今でもどこか出かけるとなると、地図を広げてプランを立ててくれる。
わたしはプランを立てるという、そういうのが苦手なので助かる。
【おもてなし】と、意識すると、企画する方も受ける方も、楽しくなくなる。あれもこれもの、盛りだくさんのおもてなしも疲れる。
生まれてから今に至るまでの、その人らしさが、伝わってきた時、いわゆる、【ほっこり】とするんだと思う。
会社にとびっきりの美人さんが居て、100人に聞けば、100人が「美しい顔立ちだ!」と感じると思う。
その美人さんは、正社員なので本社で1年間の研修を受けて、今の職場に配属が決まった。それは、わたしが3年目の頃だったと思う。
その頃からわたしは、入ったばかりの正社員さんの仕事をチェックする、という事も任されていて、ある日その美人さんの仕事をチェックする事になった。
開口一番、「アナタが、、私の仕事をチェックするんですか?」と、きた。
そうです。と応えると、
「アナタが、、私の仕事をチェックするように、言われたんですね?」と、再び言われて、さすがにカチンと来た。
そうです。
普段、誰かの仕事のチェックを任された時、出来てないところはわたしがサッと直しておくか、「ここはこのようにしてね」と言いつつ、「ここはとても良いですよ」と、良いところも言うようにしている。
だけど、美人さんには、『なに、この生意気な女!』という気持ちがあって、あれもこれもどれもこれも、出来てない所を隅から隅まで片っ端から、ネズミ花火のように言ってやった。まるで姑根性。
当然、美人さんはムスッとして、
「私は、そのように教えられていません、アナタが、、間違えてるんです」と、
キターーーーー
いいね。
やる気だ。。
「では、その貴女に教えた人が間違ってるんですよ」と応じると、
「私がやった仕事にケチつけないでください、私は間違えてません」と、美人さん。
埒が明かない。。
お互いに、『なんだコイツ!』の感情がくすぶり続けて数年、、美人さんは誰に対してもツン、ツンツンするから、『美人になると、あぁなっちゃうんだろうねぇ』と、言われたり、『塩美人』とか言われるようになってしまった。
そして一昨年、その美人さんは、もともと仕事も出来て賢い人なので、ワンランク昇格してチーフになった。わたしとはすれ違うこともなくなった、、
今年の夏、しばらく振りでわたしが担当する仕事を、美人さんが手伝うことになった。
そして、チェックを任された。
美人さんは、「出来てますか?」と聞いてきた。
もちろん、出来てますよ。。
わたしは、「チーフになると、人に仕事を教えなければならないし、我慢しなければならない事が増えるでしょぅ……」と、労うと、
「我慢…そぅですね……」と、頷いた。
人に仕事を教えたり、教えた事で責任を取ることになったりで、磨かれたんだなと思った。
でも、もっと立場が上になった時に更に磨かれるか、鼻が高くなるか、でまた違ってくる。
新人さんに仕事を教える時、わたしはパートの分際なので、たとえ相手が息子より年齢が下だと思われる相手でも気を遣う。
わたしはいろいろあっても、美人さんを見かけたら、「おつかれさまです」とこちらから声をかけるようにしていた。以前は目を合わせてくれなかったけど、今は、ニコッと「〇〇さん、おつかれさまです」と応じてくれる。
美人さんの方が、わたしよりも遥かに人間的格が上だったのだ。。
そして、美人さんがわたしの格をも上げてくれたんだと思う。
某100ショで購入した砥石がとても良い。
以前は包丁を挟んでスライドして使うタイプのものを使っていたけれど、うまく研げなかった。
1ヶ月前に購入した砥石のパッケージには、研ぎ方が書いてあり、そのとおりに研いでみたけれど力加減が悪いのか角度が悪いのか、上手く研げなかった。
むかし、母も大きな砥石を持っていて、その砥石で包丁を研いでいた姿を思い出しながら、やってみた。ちゃんと教えてもらっておけばよかった。
最近はやっと上手に研げるようになって、キャベツの千切りがふうわり軽く盛れるようになった。
そうなってくると、ブラスチックのまな板が気になってきて、天然木のまな板に替えた。包丁の当たりが良くなって、何の力みもなく野菜を切れる。。天然木なので、使い終わったら、丁寧に扱わなければならない。
わたしの喜びは台所にあったのだ。
食事が終わって、洗い物を済ませて、シンクを磨き、排水溝を洗浄する。この毎日の営みがとても面白く、【台所に立てる】という喜びは掛け替えのないものだ。
『これでいいんだろうか』という問いは、まだある。うちは敷地内に浄化槽があり、下水を川に流しても大丈夫なくらいにまで浄化している。
毎月、浄化槽の水質点検があり、バクテリアを入れてもらってるので、そのことも考えなくてはならない。
なので、食器洗剤も油も洗濯洗剤もトイレ掃除洗剤も、シャンプーなども浄化槽のバクテリアを死滅させないものを選ぶようにしている。
排水口の汚れは、家族の汚れだと思う。
1ヶ月に一度は長いブラシで排水口の奥まで掃除する。塩素系洗剤は使えない。
手をかけることを怠らず、『これでいいのか、』と、問いながら生きていく事は、わたしの性にあっているようだ。
今日の午後は、夫が畑の隅っこで育てていた大根を収穫した。無農薬無肥料のため、葉っぱには虫がついていて、酢水でジャボジャボ何度も洗い、細かく刻んでよく炒めて塩コショウと白ごまでふりかけをつくった。わたしと夫の勝手で虫たちは死ぬ。
小さい大根はニンジンと、スライサーしてサラダにした。大きな大根は、お義母さんから教えてもらった煮物にする予定。
細かく刻んで冷凍しておいたゴーヤと、ニンジンとレンコンとジャガイモで、焼きコロッケを作った。
あとは、夫の大好物の豆乳スーブ、白菜とシメジとトマトとニンジンと油揚げ入り。
油揚げはふっくらしたものではなくて、無添加で米油で揚げたものを使ってる。
肉魚、乳製品卵砂糖小麦粉を食べない、食物に気を使う理由は、100歳まで生きたくないから。本来の寿命で良いから。死ぬ時は、軽く身体から離れたい。
どんなに健康に気を使ったとしても、病気にはなる。
動物愛護精神とか、そんな高尚な理由は無い。動物愛護精神から、肉はたべませんと言って、だけど卵やチーズ、ヨーグルト、焼き鳥、寿司は大好きです、と来たら意味がない。
意味などないけど、
動物愛護精神など無いけど、食べない。
熊が続々と人前に出てるでしょ、あれ、ドングリ不足だけが原因かな。
違うと思う。
家にあるモノを確認してみた。
羽毛布団に牛皮のリュック、カバン、ベルト、靴、ダウンジャケット、ウールのセーター、シルクの靴下、動物実験された化粧品、薬、等々……
そうしないと、わたしは生きていけない。
いろんなモノの命を貰ってるから、こりゃ100歳とは言わず、200歳まで生きる事になりそうな気がしてきた………もう遅い。
ならば、せめて、、少しでも返しながら生きなければ。そう思う。
ただ息吸って吐いて待ってるだけでは、革にされた動物たちが浮かばれない。わたしの中に入った食物が浮かばれない。
だから、元気に明るく生きて、最後まで働く。
そういう事でしょ?