お義母さんへの仕送りは絶対に滞らせる事はできないから、今日も3万送金してきた。この仕送りをやめたら、お義兄さんと夫と、お義母さんとのパワーバランスが崩れる。これも仕方ないね、わたしが選んだ道だから。
このままシュルルルル______と、蒸発してしまいたいけど、あちこち痕を残しすぎた。
今日はあったかくて、濡れそぼっていたススキ野原がまたぽわぽわとエモかった。
【欲しい】と思うこと、それ自体が贅沢になった。欲しけりゃ、一生懸命がんばればいいさ。お米と味噌と塩と醤油と、あと何か野菜があれば何でも作って食べる事が出来る。今の所、食うには困ってない。
玉ねぎの皮を粉末にして出汁にするために、よく洗って乾かしているとこ。
箱根の工芸品の秘密箱、あれは、、欲しいな。手にとって確かめてみたい。
正しい手順を踏まないと絶対開けられない、そういう心の持ち主は男女関係なく美しいと思う。わたしは治りかけの傷口が裂けて血が吹き出し痛みを確かめながら歪になり、、美しくはなれなかった。
だけど、その傷もわたしが選んで自分でつけたもの、誰のせいでもないし、誰のものでもない。歪ではあるけど、ピリピリ痛むたびにホログラムになってた。
それもこれもどれも、わたしが選んだ。
いろんな感情が巻き上がっていて、落ち着いているんだけど、それに身を任せてボーっとしていたい。
こういうの、【エモい】っていうらしい。
エモい状態って、なんていうのかな。今さらググッてみても、自分の言葉になってなからかっこ悪い。ついでに、【チルい】ってのも出てきて、チルい…………チルいではないみたい。
なんか…とんでもないこといいだしそうな感じ…エモい………で合っているのかな。
明日への光、思い浮かばない。それどころではない。
とりあえず、大根を煮物にして、大根の皮と葉とキクイモの千切りとで塩炒めにしてふりかけを作った。
やってることは、ぜんぜんエモくない。
だけどエモい。。
これも明日への光なのか。
エモい……
今日も買い物帰りに虹を見つけた、晴れているのに雨が降っていて、遠くに雪雲がギュっと詰まっていて、お金に縁がない時ほど、虹を見つける。
また家の修繕でお金は消えたけど、
神様がやることは、
なんだかエモい、
こんな状態なのに。
みんな、
みんなってひと括りが、逃げ口実で不誠実なんだけど、
みんな、
居場所を見つけるんだな…と思って。
具体的な場所、でもあるし、
具体的な場所、でもない場合もあるし、
よく云われるのは、
【心の置き場所】みたいな。
甘ったれていい場所。
そうしないと、辛いって事があるんだと、受け止めた。無理に、無理しなくても。
支え合うなんて、もちろんできやしない。
分かってる。
だけど、そう、
【だけど、それでもね、】の場所。
そういう場所にたまに逃げ込んじゃって、いいかな……。
【一人ずつ、一人分の椅子】
みんな、星だね。
それでいいかな…
もちろん、
具体的な場所も大事にしよう。
そのための場所。
「居てくれて、ありがとぅ」
そんな場所。
地震があってから数日経ったのに、お義母さんから電話があって、「被害はなかった?」の安否確認だった。大丈夫ではないと言ったところで―………なので、「大丈夫です」と言うと、、お義兄さん家族の愚痴……
お義兄さんとこの女子2人、社会人で20代半ばに行くかいかないかのお年頃、2人とも両親に文句垂れながらも実家暮らしで全身脱毛費も両親持ちで、………とか……
うちと何にも関係あらへん、のに。
そうですか…としか言えない。
とりあえず、わたしだったら、
女の子だったら、本人が独り暮らししたいと言うならさせるし、こんな世の中だし無理に独り暮らしさせて危険に晒すよりは、実家に居て資格を取って、結婚したとしても自立できるだけの能力を身に着けてもらった方がいいと思う。お金はできるだけ貯めさせてあげたい、と思う。女はね…どうしても不利になるから。いざという時の為に、隠し金は必要です。夫婦の危機時の為もあるし、自分自身の為もあるし、どう使うかは本人に任せるとして。。
家事なんて、その気になれば誰だっていつだって出来る。だけど、キャリアや資格だけはその年齢でなければ、取得できないってものもあるし、お金を貯めるのも独身でなければなかなか出来ないし、、幸いにもお義兄さんの嫁様の実家が極太で、お義兄さんの夫婦仲は良好なのだから、、お義母さんがイライラする理由はないのに。
お義父さんももう居ないし、誰からも文句も言われて無いのだから。。
愚痴の内容から、お義母さんは全身脱毛は今や普通の事らしいって事を受け入れたくないのだと思った。それと………息子は、やはり【我が息子】なのだ………自分が産んで育てた、という自負がある。…独りになってしまった、という侘しさもあるではないか……
男3人の子育てをしてきたお義母さんにはわたしは尊敬する。義妹さんは男として育てられた様な事もあって、義妹さんには義妹さんの哀しみがあるみたいだけれど。。
雪が降って、屋外は常に冷凍庫。
もぉ……、わたしひとりの時を狙って電話かけて来られると、家の中だって鼻息が白くなるんだから。
なんとなくお義母さんの話から、気持ちを反芻して、うちの息子は養子に出して正解だったのだ、と思った。
お義母さんが、お義兄さんの事であれこれイライラしていることは、夫には言えない。夫がボソッと、「オレは、親戚に貰われる予定だったから、」と言ってたから。
兄弟仲が良いように見えても…いろいろ抱えてる想いがあるんだと思う。
母親だって、平等に子育てできるわけじゃない、ひとりっ子のわたしには、一生理解はできないと思ってる、理解できないかなしみ、お義母さんからは【あんたには分からないでしょ】と、いう疎外感。だからお義母さんは、わたしには強く出てくる。
わたしが黙ると、お義母さんは、
「おかあさんは、元気?」と必ず聴いてくれる。
わたしも母には散々悪態吐いた。母はある時、「私もねぇ、、こんな目の見えない子供をなんで産んだ!と、母親に悪態吐いた、今になって謝りたいと思う」、言ってた事があった。
子供には、母親は黙るしかない。黙って、床に頭擦りつけて叩かれるなり殴られるなり暴言吐かれるなり、自分に向けられる怒りなら受け止めるしかない。他人に向けないでくれと、祈り続けるしかない。
お義母さんは、母親を戦争の爆撃で亡くした。自分を背負っていて、胸に銃弾を受けて、幸い自分は無傷で兄とその嫁に育てられて、姉兄と兄嫁たちから酷く責められ続けて育ったらしい。お義母さんは、「私は、ひねて育った所があるからさ…」と、ずいぶん後になってから謝られたりする。
わたしには、お義母さんの哀しみが伝わってくるけれど、その全部の過程は知らないから分からない。ずいぶん酷いことも言われたけど、差し引いて考える事にしてる。
みんな、いろいろ外には出せない想いを、抱えてるんだと思う。
【みんな】と、いう一言で、みんなを簡単に括る事ができるけど、
1人の人間の事さえも全て分かり切るなんて事は、出来るわけ絶対無い。
だから、何が起ころうと、
「お義母さん、こちらは大丈夫ですよ、」と、わたしは言い続ける。
できればいろいろ隠したまま、手付かずの雪のまま解けてしまいたいけど、、
こんな些細な気持ちの数々は春になればどろどろのぐちゃぐちゃの中さ。国道沿いの菜の花は、融雪剤をひっかぶった塩害の中でも、ちゃんと咲く__🌱,,
雪はゴミです。雪原と聞いたら、綺麗とかロマンチックな事を想像するのが普通だけれど、雪の現実を知ってしまうと、うんざり。
確かに、雪が降った直後の朝は、とてつもなく美しいけれど、、春になればぐっちょぐっちょで、ぐっちょぐっちょの泥の中から小さい黄色い花がチラホラ見えてきて、
春と言ったらピンクを思い浮かべるけど、北国の春は、ちっさな青か黄色から始まる。
雪原の先に何があろうと、野原は春になればどこもかしこもぐっちょぐっちょ。
そして雪はゴミ。除雪作業中に車に轢かれて死ぬ事もあるし、屋根からの落雪で生き埋めになったり首を折ったりする。春になれば、除雪車が積み上げた雪山からゴミが出てくる。朝は晴れていても、午後からボンボン雪が降ってきて、車は埋もれる。
雪は油断がならない。
雪と聞いただけでは、ロマンチックな事がひとつも思い浮かばなくなってしまった。
今朝は、遠くの山脈が雪景色で、西へ西へと車を走らせていると、うっすら月が見えた。峠のカーブを曲がるたび、月を見失って、シールの剥がし跡みたいな軽い月を追いかけながら会社まで行った。
観光客なら、雪も楽しい。
他人事じゃない雪が毎朝、朝日の中でキラキラと舞い、集落は閉ざされたスノードームで、針葉樹は粉砂糖をふりかけたお菓子に見える。言い尽くせないあまりの美しさに、もううんざり。