地震があってから数日経ったのに、お義母さんから電話があって、「被害はなかった?」の安否確認だった。大丈夫ではないと言ったところで―………なので、「大丈夫です」と言うと、、お義兄さん家族の愚痴……
お義兄さんとこの女子2人、社会人で20代半ばに行くかいかないかのお年頃、2人とも両親に文句垂れながらも実家暮らしで全身脱毛費も両親持ちで、………とか……
うちと何にも関係あらへん、のに。
そうですか…としか言えない。
とりあえず、わたしだったら、
女の子だったら、本人が独り暮らししたいと言うならさせるし、こんな世の中だし無理に独り暮らしさせて危険に晒すよりは、実家に居て資格を取って、結婚したとしても自立できるだけの能力を身に着けてもらった方がいいと思う。お金はできるだけ貯めさせてあげたい、と思う。女はね…どうしても不利になるから。いざという時の為に、隠し金は必要です。夫婦の危機時の為もあるし、自分自身の為もあるし、どう使うかは本人に任せるとして。。
家事なんて、その気になれば誰だっていつだって出来る。だけど、キャリアや資格だけはその年齢でなければ、取得できないってものもあるし、お金を貯めるのも独身でなければなかなか出来ないし、、幸いにもお義兄さんの嫁様の実家が極太で、お義兄さんの夫婦仲は良好なのだから、、お義母さんがイライラする理由はないのに。
お義父さんももう居ないし、誰からも文句も言われて無いのだから。。
愚痴の内容から、お義母さんは全身脱毛は今や普通の事らしいって事を受け入れたくないのだと思った。それと………息子は、やはり【我が息子】なのだ………自分が産んで育てた、という自負がある。…独りになってしまった、という侘しさもあるではないか……
男3人の子育てをしてきたお義母さんにはわたしは尊敬する。義妹さんは男として育てられた様な事もあって、義妹さんには義妹さんの哀しみがあるみたいだけれど。。
雪が降って、屋外は常に冷凍庫。
もぉ……、わたしひとりの時を狙って電話かけて来られると、家の中だって鼻息が白くなるんだから。
なんとなくお義母さんの話から、気持ちを反芻して、うちの息子は養子に出して正解だったのだ、と思った。
お義母さんが、お義兄さんの事であれこれイライラしていることは、夫には言えない。夫がボソッと、「オレは、親戚に貰われる予定だったから、」と言ってたから。
兄弟仲が良いように見えても…いろいろ抱えてる想いがあるんだと思う。
母親だって、平等に子育てできるわけじゃない、ひとりっ子のわたしには、一生理解はできないと思ってる、理解できないかなしみ、お義母さんからは【あんたには分からないでしょ】と、いう疎外感。だからお義母さんは、わたしには強く出てくる。
わたしが黙ると、お義母さんは、
「おかあさんは、元気?」と必ず聴いてくれる。
わたしも母には散々悪態吐いた。母はある時、「私もねぇ、、こんな目の見えない子供をなんで産んだ!と、母親に悪態吐いた、今になって謝りたいと思う」、言ってた事があった。
子供には、母親は黙るしかない。黙って、床に頭擦りつけて叩かれるなり殴られるなり暴言吐かれるなり、自分に向けられる怒りなら受け止めるしかない。他人に向けないでくれと、祈り続けるしかない。
お義母さんは、母親を戦争の爆撃で亡くした。自分を背負っていて、胸に銃弾を受けて、幸い自分は無傷で兄とその嫁に育てられて、姉兄と兄嫁たちから酷く責められ続けて育ったらしい。お義母さんは、「私は、ひねて育った所があるからさ…」と、ずいぶん後になってから謝られたりする。
わたしには、お義母さんの哀しみが伝わってくるけれど、その全部の過程は知らないから分からない。ずいぶん酷いことも言われたけど、差し引いて考える事にしてる。
みんな、いろいろ外には出せない想いを、抱えてるんだと思う。
【みんな】と、いう一言で、みんなを簡単に括る事ができるけど、
1人の人間の事さえも全て分かり切るなんて事は、出来るわけ絶対無い。
だから、何が起ころうと、
「お義母さん、こちらは大丈夫ですよ、」と、わたしは言い続ける。
できればいろいろ隠したまま、手付かずの雪のまま解けてしまいたいけど、、
こんな些細な気持ちの数々は春になればどろどろのぐちゃぐちゃの中さ。国道沿いの菜の花は、融雪剤をひっかぶった塩害の中でも、ちゃんと咲く__🌱,,
12/13/2025, 11:11:59 AM