会社にとびっきりの美人さんが居て、100人に聞けば、100人が「美しい顔立ちだ!」と感じると思う。
その美人さんは、正社員なので本社で1年間の研修を受けて、今の職場に配属が決まった。それは、わたしが3年目の頃だったと思う。
その頃からわたしは、入ったばかりの正社員さんの仕事をチェックする、という事も任されていて、ある日その美人さんの仕事をチェックする事になった。
開口一番、「アナタが、、私の仕事をチェックするんですか?」と、きた。
そうです。と応えると、
「アナタが、、私の仕事をチェックするように、言われたんですね?」と、再び言われて、さすがにカチンと来た。
そうです。
普段、誰かの仕事のチェックを任された時、出来てないところはわたしがサッと直しておくか、「ここはこのようにしてね」と言いつつ、「ここはとても良いですよ」と、良いところも言うようにしている。
だけど、美人さんには、『なに、この生意気な女!』という気持ちがあって、あれもこれもどれもこれも、出来てない所を隅から隅まで片っ端から、ネズミ花火のように言ってやった。まるで姑根性。
当然、美人さんはムスッとして、
「私は、そのように教えられていません、アナタが、、間違えてるんです」と、
キターーーーー
いいね。
やる気だ。。
「では、その貴女に教えた人が間違ってるんですよ」と応じると、
「私がやった仕事にケチつけないでください、私は間違えてません」と、美人さん。
埒が明かない。。
お互いに、『なんだコイツ!』の感情がくすぶり続けて数年、、美人さんは誰に対してもツン、ツンツンするから、『美人になると、あぁなっちゃうんだろうねぇ』と、言われたり、『塩美人』とか言われるようになってしまった。
そして一昨年、その美人さんは、もともと仕事も出来て賢い人なので、ワンランク昇格してチーフになった。わたしとはすれ違うこともなくなった、、
今年の夏、しばらく振りでわたしが担当する仕事を、美人さんが手伝うことになった。
そして、チェックを任された。
美人さんは、「出来てますか?」と聞いてきた。
もちろん、出来てますよ。。
わたしは、「チーフになると、人に仕事を教えなければならないし、我慢しなければならない事が増えるでしょぅ……」と、労うと、
「我慢…そぅですね……」と、頷いた。
人に仕事を教えたり、教えた事で責任を取ることになったりで、磨かれたんだなと思った。
でも、もっと立場が上になった時に更に磨かれるか、鼻が高くなるか、でまた違ってくる。
新人さんに仕事を教える時、わたしはパートの分際なので、たとえ相手が息子より年齢が下だと思われる相手でも気を遣う。
わたしはいろいろあっても、美人さんを見かけたら、「おつかれさまです」とこちらから声をかけるようにしていた。以前は目を合わせてくれなかったけど、今は、ニコッと「〇〇さん、おつかれさまです」と応じてくれる。
美人さんの方が、わたしよりも遥かに人間的格が上だったのだ。。
そして、美人さんがわたしの格をも上げてくれたんだと思う。
10/27/2025, 11:37:01 AM