幸せとは
眩しいくらいに光り輝く視線の先には
僕の大切な人達が居る。
息を目一杯はく。
__ふぅ
「お〜い!!」
目の前の大切な人達が呼ぶ声がした。
僕は、その声を頼りに大切な人達のもとへ駆け寄る。
僕の大切な人達は、僕の事を大事そうな目で見てくる。
だから、僕はお返しにそれよりも大事に君たちを見つめる。
「あはは!」
1人の笑い声を中心に皆も笑い出す
僕は思わずきょとんとするが、同じように笑い出す。くだらないことかもしれないが、僕はこの時間がとても好きだ。大切な人達と笑い合うこの時間が!
今なら分かる。
幸せとは、いくつあっても足らないものだ!
夢と現実
「話を聞いてくれる?」
私ね、毎日夢を見るの。
ほとんどが悪夢。それか日常の夢。
大体保育園の時からかな。夢を見たって記憶があるのはね。苦しかったなぁ。だって、夜中に目が覚めて吐いてたし。幼少期のほとんどは悪夢だった。眠るのも怖かったし、夜が怖かったな。ほんと、なんでかなぁ~
「ふふ」 そう言って、笑う。悲しそうに…
今も夢を見るんだ。毎日。大体夢の内容は覚えている。
「でもね、でもね!最近は、覚えないようにしてるの」
「なんで?」
「えぇ~それはね、覚えても悪夢を見やすくするだけだから笑」また、悲しそうに笑って言う。
「……」
「ねぇ?君は私の想像でしか無くて、本当は居ないんじゃないの?…」
「……」
「そっか。」
僕は、そう言う彼女をじっと見つめる。
僕は彼女が言う意味が分からない。
正確には分かりたくなかった。だってそうしたら、彼女と居られなくなってしまうから…
きっと彼女が言う世界に僕は居ないのだろう。
「でも、嬉しかった。君が居てくれて」
彼女は、嬉しそうにこちらに笑みを浮かべる。
「ありがとう」
「こちらこそ」
そう言って、僕は夢から覚めた。
そう、彼女の言う夢の世界に僕は永遠には居られない。
泣かないで
「グスっ、ヒック、」
君は泣いていた。僕は問いかけた。なんで泣いているの?と。 でも、君は相変わらず泣いていた。僕は、心が鷲掴みにされたかのようにきゅうっとなっていた。
僕の心が叫んでいる。泣かないで、泣かないで。と
でも、いくら伝えようにも君には届かない。
そんなとき、彼女はポツリと言った。
「置いていかないで、」
え、。と僕は思わず言葉を零す。そして同時に分かってしまった。
あぁ、彼女には僕の声は届かない。だって、僕はもう亡き者なのだから。
だから、「泣かないで」と僕は言う。いくら言ったって言葉は届くはずがないのに。
冬になったら
冬になったら、次は、春。
その次は、夏。
そして、秋になる。
時間は、待ってくれるようで
待ってはくれない様だね。
年を、歳を、
取りたくないのだ。
それでも、自分は
進むしかない。
冬になったら
また逢おうね。
子猫
なー。
そう言って子猫が足にすり寄る
自分は言う
甘えられるのが許されるのは、今だけかもだぞ?
と。
子猫は、なー。とご機嫌そうに言う。
何もわかっていなさそうに。
その様子を見るとなんだか自分が馬鹿らしく見えてきた
何も知らないのは、無知だけれど、
知らない事を知らないでいられることは、幸せと言うのかもしれないね。
と、心の内でそう呟く。
そのまま、子猫を撫でくりまわした。
今では、家の子になった猫が
何も知らなそうに、また
なー。とご機嫌そうに鳴く。